2012年版 3Dプリンタ市場の現状と展望
本調査レポートでは3Dプリンタの製品タイプを積層(FDM/熱溶解)、インクジェット、粉末、光造形の4つに、需要分野を工業・研究系用途、建築系用途、医療・福祉系用途、教育系用途の4分野に分類。全体市場(2010年度~2015年度予測)、製品タイプ別、需要分野別それぞれの市場規模推移に加え、カテゴリ毎の特徴(棲み分け)や今後のトレンド、参入企業や関連企業への提案(提言)などにも言及した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- 「試作品」から「実製品」へ、ホビー、SOHOなど個人ユースにもポテンシャル
一般ユーザーへの普及にはコンテンツビジネスが鍵握る - 少量・多品種・短納期、製造業での実製品造形でニーズ高まる
ユーザーの創意工夫により、新たなアプリケーションや活用方法にも期待 - 工業・研究系用途では試作品製作会社からの切り替え需要が顕在化
フルカラー対応の「ZPrinter」は見た目にこだわる建築系用途で受容 - 医療・福祉系用途では製薬、再生医療にまでアプリケーションが発展
教育系用途では販売方法やメンテナンス手法、製品構造にも工夫が必要 - 製品タイプによる需要分野の棲み分けから、複数分野への展開で大きく成長、
高機能機の低価格化や入門機の高精度化などで需要分野が拡大 - 積層(FDM/熱溶解)は材料に様々なエンプラ/スーパーエンプラを使用可能
粉末は樹脂・砂・金属粉末などの用途に応じた多種多様な材料を自由に選択
■本資料の概要
第1章:3Dプリンタ市場の現状と展望
第2章:3Dプリンタ市場の動向
第3章:個別企業の動向と展望
■掲載内容
第1章:3Dプリンタ市場の現状と展望
現在では20万円台の3Dプリンタも登場
一般ユーザーへ普及させていくにはコンテンツビジネスも一緒に進める必要
装置の導入件数だけに捉われるのではなく、その稼働率にも注目すべき
開発・販売してから3年~5年経過した材料を低単価で提供
(図)材料開発・販売の流れと今後の提案
今後期待できる潜在的マーケットは個人ユース
ただし、販売方法やメンテナンス手法にも工夫が必要
(図)対象となるユーザーカテゴリーの製品レベルと販売ターゲット
第2章:3Dプリンタ市場の動向
1.市場規模推移と予測
3Dプリンタ市場は2015年度予測で1,800台/7,700百万円
各年(2010年度~2015年度)を通して数量・金額ともにほぼ二桁以上の成長
製品タイプによる需要分野の棲み分けから大きく成長、
高機能機の低価格化や入門機の高精度化など、メーカー努力によって需要分野が拡大
(表)当レポートにおける3Dプリンタの製品タイプと需要分野の主要カテゴリ
(表)3Dプリンタメーカーの製品タイプ別一覧と展開需要分野
(表)スリーディー・システムズの主な買収企業一覧
製品タイプ別では積層(FDM/熱溶解)方式の構成比が49.4%(2011年度数量ベース)
需要分野別では工業・研究系用途が45.9%(2011年度数量ベース)の構成比
(表)3Dプリンタの市場規模推移と予測
(図)3Dプリンタの市場規模推移と予測
(表)3Dプリンタの製品タイプ別市場規模推移
(図)3Dプリンタの製品タイプ別市場規模推移
(表)3Dプリンタの需要分野別市場規模推移
(図)3Dプリンタの需要分野別市場規模推移
2.製品タイプ別市場の動向
積層(FDM/熱溶解)、インクジェット、粉末、光造形の4タイプに分類
それぞれの長所や短所、特徴(棲み分け)を体系的に比較
積層(FDM/熱溶解)は材料に様々なエンプラ/スーパーエンプラそのものが使える
粉末は樹脂・砂・金属粉末などの用途に応じた多種多様な材料が選択可能
(表)3Dプリンタの製品タイプ別の特徴(棲み分け)
(図)粉末焼結積層造形装置の概要図
一般産業分野では高精度な造形が可能なエポキシ系樹脂の評価が高い
全世界的に見ても9割以上のユーザーがエポキシ系光硬化性樹脂を採用
(表)光硬化樹脂の一般的な特性比較
インクジェット方式の光硬化樹脂の場合で、
モデル材がKgあたり30,000円~50,000円程度
(表)3Dプリンタメーカーの機種別材料価格
3.需要分野別市場の動向
ユーザーの創意工夫によって、新たなアプリケーションや活用方法に期待
納期短縮が至上命題の製造業に様々な角度からアプローチ
工業・研究系用途では試作品製作会社からの置き換え需要が顕在化
フルカラー対応の「ZPrinter」は見た目にこだわる建築系用途で受容される
(表)需要分野別の特徴(棲み分け)と今後のトレンド
(表)工業・研究系用途における主な活用方法
医療・福祉系用途では製薬、再生医療にまでアプリケーションが拡大
教育系用途では販売方法や製品構造にも工夫が必要
(表)医療・福祉系用途における主な活用方法
第3章:個別企業の動向と展望
丸紅情報システムズ株式会社
製造・流通・サービス・小売・金融など様々な業界の知見と高度な提案力
グローバルな視点から顧客の差別化に貢献する最先端技術が強み
ストラタシス社は3Dプリンタのリーディングカンパニー
造形方法にFDM(熱溶解積層法)を採用、ABS樹脂そのもので造形が可能
3Dプリンタは4シリーズ10機種をラインナップ
医療、コンシューマ(家電)、自動車など幅広いユーザーカテゴリーを展開
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン
2011年5月にNY証券取引所へ上場してから、約1.5年で14件の買収を実行
3Dプリンタのフルラインナップメーカーとして市場育成にも注力
1987年に「世界で始めて」光造形装置を製品化したパイオニア
日本市場へは1991年から参入、2002年に日本法人を設立
「パーソナル」、「プロフェッショナル」、「プロダクション」の3カテゴリを展開
「パーソナル」と「プロフェッショナル」カテゴリ製品は100%代理店販売
材料ラインアップは100種類を超える
株式会社オブジェット・ジャパン
日本法人設立で2012年7月より国内営業を開始
世界唯一、複数材料を同時に噴射可能
北米、欧州、中国、香港、日本、インドに拠点を構えてワールドワイドに事業を展開
ハイスペック&コンパクト製品と教育機関向け製品を日本で先行発売
ワールドワイドでの販売代理店はおよそ100社
光(UV)硬化型の金属粉末が開発されれば金属造形も理論的には可能
シーフォース株式会社
「DWS社」製品を日本で最初に取り扱い開始
造形表面の美しさ・運用の利便性を極限まで追求した「DIGITALWAX」シリーズ
80年以上の歴史を誇る工具と機械の製造販売
光造形装置としては安価な「DW008J」は298万円から提供
2012年度(見込)が40台/330百万円(前年度比200.0%/194.1%)
5年以内には今のスペックで100万円台の製品も登場と予測
指輪44本の造形時間は約4.5時間程度、さらなる高速化が課題
樹脂価格はkgあたり60,000円~80,000円程度
株式会社鈴峯
「エンビジョンテック社」製品は「イニシャルコスト」、「ランニングコスト」、
「メンテナンスコスト」にアドバンテージ
代理店でありながら自社開発ブランドである「3T(スリーティー)」製品を展開
2002年頃から「エンビジョンテック」製品の取り扱いを開始
「工業・研究系用途」が70%、宝飾関連に強みを持つ
一般産業(開発や設計)や医療分野(補聴器やデンタル)が拡大
「造形エリアの拡大」、「樹脂コストの低下」が課題
今後の成長エンジンは個人ユーザーへの普及と実製品への展開
シーメット株式会社
ハード、ソフト、マテリアル(樹脂)の三位一体開発で
最大限のパフォーマンスを発揮
1988年に光造形装置の国産第一号「SOUP」を発売、国内メーカーとしての活躍に期待
本年末に新中型装置(ATOMm-4000「アトム-4000」)をリリース
現在までにリリースした高靱性光造形材料(樹脂)は10数種類
透明性や靱性、耐熱性などの両立で新しいソリューションを開拓
株式会社アスペクト
粉末焼結積層造形装置の総販売代理店から出発
今ではメーカーとして常に材料開発と装置の改良に取り組む
2006年12月には粉末焼結造形装置「SEMplice 550」の出荷を開始
第二世代装置の「RaFaEl」は2012年東京都ベンチャー技術大賞を受賞
粉末焼結積層造形法は多様な材料や高精度、高い生産性と利便性などにアドバンテージ
2009年に開催されたASTM 国際標準化会議によりAM「Additive Manufacturing」に統一
積極的な材料開発と装置の改良に余念なし
ジグザグスキャン方式の採用で露光時間を20~30%短縮
武藤工業株式会社
3DSystems社の主要3シリーズを取り扱う有力代理店
成長エンジンは主力の製造分野に加え、建築分野や教育分野もロックオン
設計製図機器からCAD周辺機器へ進化
2007年4月からZCorporation(現 3DSystems社)の製品取り扱いを開始
①樹脂価格が高価、②入門機の性能向上、③カラー化が課題
武藤工業が3Dプリンタ販売に注力・売上を伸ばす
株式会社豊通マシナリー
商社として顧客価値の高い製品組み合わせや今まで培ってきた
導入面や運用面での製品ノウハウを武器に3Dソリューションを展開
3Dシステムズ社(米国)の「ZPrinter」シリーズと「ProJet」シリーズを取り扱う
デジタルファクトリー株式会社
3Dプリンタ普及の鍵は低価格機によるパーソナルユースに加え、
フィギュアモデル、製品パーツなど3Dデータコンテンツビジネスの整備にも期待
CAD/CAM事業などを行うシー・エフ・シー株式会社の新規事業として出発
3Dプリンタをはじめとする様々な製品を取り扱う
2011年度は出荷台数ベースで前年比200%を達成
教育系用途が中心の新規顧客が好調に推移
「樹脂コスト」、「後処理」、「RMへの活用」が3大課題
出力範囲や出力スピードなどは装置の費用対効果バランスを見ながら選択
株式会社ミマキエンジニアリング
モデリングマシン(彫刻機)は3Dプリンタと比べて、
精度や表面平滑度、素材選択、材料コスト、装置コストなどに優位性
売上高の3~5%程度が研究開発費として確保
モデリングマシン(彫刻機)は「インダストリアルプロダクト」カテゴリに分類
「NC」シリーズと「ME」シリーズ2機種のモデリングマシン(彫刻機)を展開
アクリル、ジュラコン(POM)などの各種樹脂からアルミ、真ちゅうまで多彩なワークに対応
2011年度が45台/42百万円(前年度比112.5%/102.4%)
サインショップ、印鑑・はんこ専門店、記念品・贈答品専門店が主要顧客
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。