2014年版 偏光板・位相差フィルム Annual Report
偏光板を中心に位相差フィルム、保護フィルムメーカーの事業動向と今後の施策を徹底調査し、更に周辺調査を加えることで、偏光板・位相差フィルムの現状と今後の動向を詳細に把握することを目的とした。
調査資料詳細データ
調査目的:国内外の偏光板メーカー及びその部材メーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、ワールドワイドの偏光板市場における現状と今後の動向の把握を目的とする。
調査対象:偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA保護フィルムメーカー
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用。
調査期間:2013年12月~2014年4月
■偏光板関税8%の中国、ローカルのみで中国市場はまかない切れない、政府の思惑とは?
- 中国の関税の影響で、前工程の進出、ローカルOEMなど事業モデルが変化
- 中国での前工程量産はLGCとCMMT、日東とSAPOの提携のインパクト大!
LGCの南京 第1ラインの稼動率は70%、第2ラインは5月から稼動 - 2014年にRoll to Panelの新規ライン6本が確定
中国ではRTS設置で先行していたLGCに対し、日東電工のRTPが善戦
ついに大型IPSでPMMA4枚使いがスタート - PMMA4枚使いはIPSで強みをみせる日東電工、LGCが先行
■「低透湿TAC」、増設が始まったPMMAの勢いにどこまで対抗できるのか
- PVAコーティングは「iPhone6」、「新型iPad」で採用へ
- VA大型COPフィルムがタイトに、日本ゼオンが年内増設を決定
2014年SDC向けTV(VA)では、COPとTACが50:50と予測される - PET偏光板保護フィルムは150円/㎡
価格競争力で中国市場を狙うものの厚みとRainbowムラの課題を抱える
第1章:偏光板・位相差フィルム市場の動向
第2章:偏光板・位相差フィルムメーカーの展望と戦略
■掲載内容
第1章:偏光板・位相差フィルム市場の動向
1.偏光板
(表)LCDタイプ別偏光板世界生産量・販売金額の推移
中国の8%関税の目的は「国産化」よりも「国内市場の活性化」か
日東電工はTCL傘下のSAPOとの提携で中国シェア獲得を推進
2014年は日東電工のRoll to Panelを武器にシェア拡大へ
中国での前工程強化とは裏腹に苦戦するLGC
(表)偏光板メーカーのパネル工場内でのRoll to Panelによる後加工状況
SDC VA陣営ではZeonorの勢いの一方でN-TACが劣勢
2014年はCOPの需給バランスの問題でさらなる使用比率アップならず
(図)SDC TV向け 偏光板の材料構成及び使用比率
LGD IPSではZ-TACが60%までに低下、単価下げで比率維持を図る
「低透湿」への要求は薄れ気味、4枚PMMAの使用はTACとのコスト比較で決定
(図)LGD TV向け 偏光板の材料構成及び使用比率
薄型化技術の先頭に立つのは5μmPVAの日東電工
(図)iPhone6の偏光板材料工程
(図)PVA Coatingプロセス(推定)
シャープ、パナソニック液晶ディスプレイ向けでは日系が強みをみせる
シャープ・堺のキャパは埋まってない状態、南京での生産分を本体に切り替える考えも
(表)シャープにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)シャープのTV向けパネルにおける生産拠点別偏光板メーカーシェア(2013年)
(表)シャープのTV向けパネルにおける生産拠点別偏光板メーカーシェア(2014年見込み)
(表)シャープのTV向けパネルにおける生産拠点別偏光板メーカーシェア(2015年予測)
(表)パナソニック液晶ディスプレイにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
韓国では日東電工、LG化学、東友ファインケムの3強体制
サムスン電子を見方につけた第一毛織のシェアアップとなるか
(表)SDCにおける用途別偏光板メーカーシェア(2013年)
(表)SDCにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年見込み)
(表)SDCにおける用途別偏光板メーカーシェア(2015年予測)
(表)LGDにおける用途別偏光板メーカーシェア(2013年)
(表)LGDにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年見込み)
(表)LGDにおける用途別偏光板メーカーシェア(2015年予測)
(表)韓国LCDパネルメーカーにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
Innolux向けRTP設備としてCMMTが2ラインを確保
MNTのウェイトが高く中小型向けで出遅れたのが響く台湾陣営
(表)AUOにおける用途別偏光板メーカーシェア(2013年)
(表)AUOにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年見込み)
(表)AUOにおける用途別偏光板メーカーシェア(2015年予測)
(表)Innoluxにおける用途別偏光板メーカーシェア(2013年)
(表)Innoluxにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年見込み)
(表)Innoluxにおける用途別偏光板メーカーシェア(2015年予測)
(表)台湾有力LCDパネルメーカーにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
LGCの中国前工程、新規RTPの日東電工、BOEのサムスン電子向けを狙う第一毛織
急成長をみせるBOEと、CSOT向けでの3社のシェア争いが本格化
(表)中国主力LCDパネルメーカーにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
モノクロSTN→TFTへの流れが加速
3Dメガネ用ではメガネメーカーの在庫用が動いているのみ
(表)STN偏光板メーカーの用途別内訳
(表)2013年における映画館用3Dメガネのサプライチェーン
(表)2014年における映画館用3Dメガネのサプライチェーン
(表)2013年におけるTV用3Dメガネのサプライチェーン
(表)2014年におけるTV用3Dメガネのサプライチェーン
(表)国偏光板メーカーのモード別売上構成比(2013年)
(表)中国偏光板メーカーのモード別売上構成比(2014年見込み)
(表)中国偏光板メーカーの生産能力推移
(表)中国偏光板メーカーの資材調達先
(表)2013年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量
(表)2014年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量(見込み)
(表)2015年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量(予測)
(表)世界主要偏光板メーカーの生産能力推移および能力シェア
(図)世界主要偏光板メーカーの生産能力および能力シェア
(表)偏光板メーカーの年度別売上高推移(偏光板関連事業)
(図)偏光板メーカーの年度別売上高推移(偏光板関連事業)
2.位相差フィルム
(1)大型分野
・大型TN-TFT用
WVの脅威はMNTのIPS化よりスタンダード品でのWVレス傾向
TNタイプのSmartPhoneやTabletへの採用が本格化
(表)大型分野における「WV」の販売量推移
・大型VA用
2015年以降はTotal Capa.9,500万㎡/年でCOP不足が一気に解消
苦戦するコニカ、2014年は持ちこたえるものの巻き返しの打開策は未知数?
(表)大型VA-LCDにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
・大型IPS用
東洋鋼鈑がさらに生産体制を強化、PMMAの使用比率を高める日東電工
一方でLGCはZ-TACとの価格比較で判断
(表)大型IPS-LCDにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
内製マーケットであるPMMAフィルム市場にも、ついに新規参入メーカーが登場か
(図)偏光板用PMMAフィルムのサプライチェーン(2014年Q1時点)
(表)大型VA-LCDの偏光板メーカーと使用される位相差フィルム(2013~2014年)
(表)IPS-LCDの偏光板メーカーと使用される位相差フィルム(2013~2014年)
(表)大型分野におけるLCDモード別位相差フィルムの販売量推移
(表)大型分野における位相差フィルムメーカー別販売量推移
(表)大型分野における位相差フィルム材料別需要量推移
(2)中小型分野
・中小型IPS(iPhone、iPadシリーズ)
5μmPVA Coatingにより「iPhone6」はさらなる薄型化へ
(表)中小型IPS-LCDにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
(表)中小型IPS-LCD(10インチ以下)における
偏光板メーカーの位相差フィルムメーカーシェア(2012~2013年)
(表)中小型IPS-LCD(10インチ以下)における
偏光板メーカーの位相差フィルムメーカーシェア(2014年予測)
(表)「iPhoneシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカー及び材料構成
(表)iPhoneシリーズで使用される偏光板材料と厚みの推移
新型iPad、iPad miniは日東電工100%、iPhone6と同じ材料構成となるか
(表)「iPadシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカー及び部材
・ECB・中小型TN-TFT
ECBで残っているのは「iPod nano」のみ、2014年には消滅へ
中小型VAは日東電工-日本ゼオンが独占供給
・中小型VA
(表)中小型VA-LCDにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
(表)中小型VA-LCD(10インチ以下)における
偏光板メーカーの位相差フィルムメーカーシェア(2013~2014年見込み)
・OLED用(Galaxyシリーズ)
GalaxyS5が目指すのは、iPhoneクラスのリアルブラック
日本ゼオンのCOP2枚使いが復活
GalaxyS5、Galaxy Tab向け偏光板は東友一色に、日東の巻き返しは?
COPの対抗馬は日東の「AMOND」、帝人「RM」の改良版に加え、液晶塗布型が登場
(表)「Galaxyシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカーシェア
(表)AM-OLED用位相差フィルム販売量推移
(表)OLED向け偏光板と位相差フィルムの参入状況
・中小型STN(3Dメガネを含む)
STN、3Dメガネ向けはマイナス成長が続く見込み
(表)中小型STN-LCDにおける位相差フィルムメーカーの販売量推移
(表)中小型STN-LCD(10インチ以下)における
偏光板メーカーの位相差フィルムメーカーシェア(2013年)
(表)中小型STN-LCD(10インチ以下)における
偏光板メーカーの位相差フィルムメーカーシェア(2014年見込み)
(表)3Dメガネ用位相差フィルム販売量推移
(表)3Dメガネ向け偏光板メーカーにおける位相差フィルムメーカーシェア(2013年)
(表)3Dメガネ向け偏光板メーカーにおける位相差フィルムメーカーシェア(2014年見込み)
(表)中小型分野における位相差フィルムモード別需要量推移
(表)中小型分野における位相差フィルム材料別需要量推移
(表)位相差フィルム(大型+中小型)市場規模及び材料別需要量推移と予測
3.PVA保護フィルム
COPやPMMA系位相差フィルムの拡大により
PVA保護フィルムとしてのPMMAニーズはややトーンダウン
(表)PVA保護フィルムの市場規模及びメーカー販売量推移
(図)PVA保護フィルムの販売量推移
TACとPMMA系の使用比率はコスト競争世界に直面
TAC陣営の値下げがスタート
(表)TAC系および競合フィルムの厚み別平均価格動向(2014年Q1)
PET偏光板は第一毛織が先行
台湾ユーザーからの採用に加え、垂直統合化によるSDC向け販売が成長の鍵を握る
(表)コスモシャイン 超複屈折タイプ(SRF)
(表)主要偏光板メーカーにおけるプレーンTACフィルムサプライヤーシェア(2013~2014年)
(表)PVA保護フィルムと位相差フィルムの材料別需要量推移と予測
(表)材料別需要量推移と予測(PVA保護フィルム+位相差フィルム)
(図)PVA保護フィルムと位相差フィルムの材料別需要量推移と予測
(図)PVA保護フィルムと位相差フィルムの材料別需要量推移と予測
(表)TFT用TACフィルム生産能力・生産量・稼働率推移
(表)新規TACフィルムメーカーの概要
第2章:偏光板・位相差フィルムメーカーの展望と戦略
LG Chem,Ltd
中国での前工程に一早く対応、関税の影響は中国拠点の稼働率アップで軽減
PMMA:TAC系の比率は総合的なコストメリットで決定していく考え
中国・南京の第1ラインの稼働率は約70%、第2ラインは5月から稼動開始
地産地消のメリットを活かし、中国市場向け販売をさらに強化
2013年にPMMAフィルムの設備投資を実施、生産能力は生産幅2,300㎜で4,000万㎡/年へ
明基材料股份有限公司 (BenQ Materials Corporation)
大口顧客であるAUOに加え、IPS陣営の中国大手BOE向け販売拡大を図る
奇美材料科技股份有限公司 (Chi Mei Materials Technology Corporation)
中国・江蘇省に前工程生産ライン2本、後工程生産ライン1本を設置する予定
2016年Q1からの本格稼動で中国市場でのプレゼンスを高める
主力用途であるMNT向け出荷量は減少気味、一方でTVやTablet、SmartPhone向けが堅調
MNTではWVレスタイプのオーダーが増加
株式会社サンリッツ
2013年をもってSDC向けTV用販売を中止、新規の大口顧客はIPS陣営のLGD
利益確保に向けボリュームの大型から薄型技術を活かした中小型に戦略転換
第一毛織株式会社 (CHEIL INDUSTRIES CO.,LTD.)
サムスン電子~SDI・第一毛織の垂直統合でSDI向け販売が拡大か
PET偏光板は価格競争力を武器に中国ユーザーからの採用も決定
力特光電科技股份有限公司 (OPTIMAX TECHNOLOGY CORPORATION)
2013年にはCSOTやCEC-Panda大型TV用で一部採用
車載などのニッチマーケットも視野に
株式会社ポラテクノ
車載用でさらなるポジション確立へ、TN代替でPM-VA、
STN代替でIPS、これらに「Twister」をからめたハイブリッド戦略
車載用ではTN→Mono PM-VA、Mono STN→Mono IPSへの流れが加速化
サングラス向けは年率10%伸び
プロジェクター用有機偏光板は需要、価格ともにダウンも85~90%のシェア
無機偏光板「ProFluxTM」はシェア90%、新規採用も進む
深圳市盛波光電科技有限公司 (SHENZHEN SAPO PHOTOELECTRIC CO.,LTD.)
TCLによる株式取得で偏光板~パネル~セットまでの垂直統合構築へ
日東電工とのパートナー関係構築など、中国での存在感を増す
佛山偉達光電材料有限公司 (WINDA Opto-Electronics Co.,LTD.)
TFTに取って代わるSTN向け数量を守るべく、TFT技術確立に専念
大明素材 (DAE MYUNG MATERIALS Co.,Ltd)
2014年はSTNからTFTビジネスへの転回点
富士フイルム株式会社
MNTでのWV搭載率は下降局面へ、中国向け中小型で新規需要を取り組む
コストダウンを目的にZ-TACの薄型化が進行
2014年は製品シェアが逆転し40μm→80%:60μm→20%となる見込み
TNタイプのSmartPhoneやTablet向けに40μmのWV採用がスタート
WV-Bは台・日・中に採用され、韓国パネル向けで勢いをみせるCOPの影響はそれほど受けず
日本ゼオン株式会社
2015年4月以降、大型位相差フィルムの生産能力は9,500万㎡/年へ
GalaxyS5の位相差フィルムとしてCOP2枚使いが採用
VA大型向け販売量は生産キャパほぼフル稼働の6,000万㎡に
2014年もフル稼働状態が続く見込み
GalaxyS2以来「ZDシリーズ」が再びOLED用位相差フィルム市場に参戦
タッチパネル向けは安定、ITO付きλ/4位相差フィルムもラインナップ
JX日鉱日石エネルギー株式会社
厚さ1μの「新型NVフィルム」でハイエンドSmartPhone向けの採用に注力
暁星株式会社 (Hyosung Corporation)
2014年内には位相差フィルムの製造も可能な広幅ラインが稼動予定
新規顧客を攻略しTV向けP-TACの販売拡大を図る
SK Innovation co.,LTD.
2012年Q3よりサンプル出荷開始
新規顧客の確保に専念
参考データ
(表)日東電工 偏光板生産能力
(表)住友化学 偏光板生産能力
(表)コニカミノルタアドバンストレイヤー TACフィルム生産能力および生産量推移
(表)クラレPVAフィルムの生産能力推移
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