2015年版 偏光板及び部材フィルム市場 Annual Report
国内外の偏光板メーカー及びその部材メーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、ワールドワイドの偏光板市場における現状と今後の動向の把握を目的とする。
調査資料詳細データ
調査目的:国内外の偏光板メーカー及びその部材メーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、ワールドワイドの偏光板市場における現状と今後の動向の把握を目的とする。
調査対象:偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA 保護フィルムメーカー、表面処理フィルムメーカー
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用
調査期間:2015年1月~2015年4月
UHD TV向け需要を背景に高成長が続く
G8.5本格稼働する中国マーケットの攻略が成長の鍵を握る
- 「1億㎡市場」獲得に向け、偏光板メーカーが中国で新増設ラッシュ
南京拠点が好調なLGCに加え、SDCを味方につけたサムスンSDIも参戦 - 偏光板トップの座は日東電工からLG化学へ、日東電工は「iPhone6」で
高利益確保も面積ベースでSDC TV向けのシェアダウンが響く - 大型用COPフィルムの生産能力は9,500万㎡/年、従来比3,000万㎡/年増へ
日本ゼオンの「低透湿」に対し、コニカが「改良版N-TAC」の投入で反撃 - 垂直統合を強みにCOP/PETペアで勢いをみせるSDI、PET系が再注目
- 2014年度の位相差フィルム市場でPMMA系の浸透率は約15%
大手3社のPMMAフィルム内製化に対し、IPSに徹する富士フイルムは
「内製フィルム以上の価格競争力」、「ポストZ‐TAC」で防戦 - PMMA系で大倉工業が外販開始、シェア拡大はLGD向け「PMMA4枚使い:
位相差(大倉)/保護用(東友)ペア」の販売に乗り出す東友の出荷次第 - 日東電工の技術力をもってしても苦戦するRF(Retardation Free)Pol.
2015年こそ、量産化なるか?
第1章:偏光板及び部材フィルム市場の動向
第2章:偏光板及び部材フィルムメーカーの展望と戦略
■掲載内容
調査結果のポイント
第1章:偏光板及び部材フィルム市場の動向
1.偏光板
2014年度の偏光板市場は絶好調、前年度実績を大きく上回る二桁成長を達成
主役は45”以上UHD TV向けによる面積拡大
(表)LCDタイプ別偏光板市場規模推移(2013年~2016年度予測)
(表)TFT用偏光板市場規模推移(2013年~2016年度予測)
(表)TV向け偏光板市場規模推移(2013年~2016年度予測)
ガリバー日東電工がシェアダウン、巻き返しのキーは再参戦するSDC TV市場向け出荷量
SDCを味方につけたサムスンSDIが急成長
(図)TFT向け偏光板市場のメーカーシェア(2014年度)
(図)TFT向け偏光板市場のメーカーシェア(2015、2016年度予測)
2014年12月をもって「補助金政策」を廃止するも、「偏光板部材に関する関税導入」を検討
「1億㎡マーケット」を獲るべく、偏光板メーカーの中国での増設ラッシュが相次ぐ
(表)中国におけるLCD部材に関する関税政策の現況
(表)偏光板メーカーの中国における新規増設計画一覧
日本ゼオンの新規ライン稼働により、位相差側でCOP系の使用比率がアップ
さらなる「低透湿」を求めたCOP/PETペアの使用量が急増
(図)SDC TV向け 偏光板の材料構成及び使用比率(面積ベース)
(図)台湾AUO、Innolux TV向け偏光板の材料構成及び使用比率(面積ベース)
Z-TACの価格低下にも関わらず、PMMA系比率を高めるLG化学
「PMMA4枚使い」に関して日東、LGCがトーンダウンするなか、東友が本格販売に乗り出す
(図)LGD TV向け 偏光板の材料構成及び使用比率(面積ベース)
UV接着ラインなくしてCOP系偏光板市場に参入できず
(表)偏光板メーカーにおけるUVライン保有状態(2015年Q2)
2014年に中国に搬入された新規Roll to Panel設備では日東電工が一歩リード
2015年内にはBOE向けにLG化学、住友化学のRTPライン導入が確定
(表)偏光板メーカーのRTPによる新規設置の導入状況(2014~2015年)
(表)偏光板メーカーのパネル工場内でのRoll to Panelによる後加工状況
薄型化を求めるiPhone6向けに「5μm のPVA Coating」が本格採用
最先端技術を追求してきた日東電工でも、IPS TV向け「RF Pol.」の開発には苦戦が続く
(図)PVA Coating プロセス(推定)
(表)PVA Coating 搭載モデル
(表)RF(Retadation Free)Pol. 開発状況
2014年は価格交渉が折り合わず、最大の物量を裁くSDC TV向け出荷調整に入るも、
二桁台のディスカウント率を提示し再参戦する日東電工によりシェア争いが激化
(表)SDCにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)SDCにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
LGD TV向けで揺るがないLG化学に対し「2枚TACペア」でシェアを奪いにいくサンリッツ
「PMMA4枚使い」でIPS TV市場での販売拡大を図る東友ファインケム
(表)LGDにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)LGDにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
「COP/TACペア」でAUO、Innolux 45”以上TV向けを手掛ける住華が好調
UV接着ラインが稼働する2015年Q2からはAUO向けBMCのシェア回復となる見込み
(表)AUOにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)AUOにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
(表)Innoluxにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)Innoluxにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
(表)台湾・その他パネルメーカーにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
中国陣営向けでは中国前工程、新規RTPでLG化学が強みをみせる
LGC・南京拠点はフル稼働状態、新規ラインが稼働する2016年以降は中国市場で存在感を増す
(表)BOEにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)BOEにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
輸入関税への回避策や中国政府からの補助金の受給を目的にSAPOのシェアを高めたCSOT
補助金政策が廃止された2015年以降はシェア変動の可能性も
(表)CSOTにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)CSOTにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年~2016年予測)
(表)中国・その他パネルメーカーにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)Sharp、Panasonicにおける偏光板メーカーシェア(金額ベース)
(表)Sharpにおける用途別偏光板メーカーシェア(2014年)
(表)2014年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量
(表)2015年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量(見込み)
(表)2016年度における偏光板メーカー別LCDモード別生産量(予測)
(表)世界主要偏光板メーカーの生産能力推移および能力シェア
(図)世界主要偏光板メーカーの生産能力推移および能力シェア
2.位相差フィルム
(1)大型分野
・大型TN-TFT用
スタンダード品でのWVレス傾向が続くも、ハイエンド向けニーズは根強い
(表)大型TFT-TNにおける「WV」の販売量推移
・大型VA用
2014年はSDC向けを優先し、台湾陣営の45”以上TV向けはCOPからN-TACに切り替え
COPフィルムの供給不足がコニカに特需をもたらす
(図)大型TFT-VA向けにおけるメーカーシェア(2014~2015年度)
(表)大型TFT-VAにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
大型用COPフィルムの生産能力は9,500万㎡/年までに
2015年よりコニカは「ポストN-TAC」で巻き返しを図る
・大型IPS用
PMMAフィルムの使用比率高めるLG化学により、富士フイルムの伸び悩みが予想される
2015年からPMMA系で大倉工業が本格参戦、シェア拡大は東友ファインケムの出荷拡大次第
(図)大型TFT-IPS向けにおけるメーカーシェア(2014~2015年度)
(表)大型TFT-IPSにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
(表)PMMAフィルムの生産能力概要
(図)大型IPS位相差向けPMMAフィルムのサプライチェーン(2015年Q1時点)
(図)大型VA位相差向けCOPフィルムのサプライチェーン(2015年Q1時点)
(表)大型分野におけるLCDモード別位相差フィルムの販売量推移
(表)大型分野における位相差フィルムメーカー別販売量推移
(表)大型分野における位相差フィルム材料別需要量推移
(2)中小型分野
・ECB・中小型TN-TFT
ECBで残っているのは「iPod nano」のみ、2015年には商品が一巡し消滅へ
中小型向けに薄型品の40μmのWVが搭載
(表)中小型TFT-TNにおける「WV」の販売量推移
・中小型VA
中小型VAはIPSモードのスマホが登場した2010年頃を境に減少傾向が続く
日東電工-日本ゼオンが独占供給
(表)中小型TFT-VAにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
・中小型IPS(iPhone、iPadシリーズ)
「iPhone6」向けは PVA Coating技術で一歩リードした日東電工が単独サプライヤー
「5μmPVAコート/COP2枚」の構造が採用され、日本ゼオンの中小型IPS向け出荷量が急増
(表)iPhoneシリーズで使用される偏光板材料と厚みの推移
(表)中小型TFT-IPSにおけるメーカー別位相差フィルム販売量推移
(表)「iPhoneシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカー及び材料構成
(表)「iPadシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカー及び材料構成
・OLED用(Galaxyシリーズ)
iPhoneクラスのコントラストを追求するGalaxy向けに日本ゼオンの「COP2枚使い」が復活
大型TV向けのみならず、中小型でもCOPフィルムの好調が続く
(表)「Galaxyシリーズ」における偏光板・位相差フィルムメーカーシェア
(表)中小型AM-OLED用位相差フィルム販売量推移
(表)中小型分野における位相差フィルムモード別需要量推移
(表)中小型分野における位相差フィルム材料別需要量推移
(表)位相差フィルム(大型+中小型)市場規模及び材料別需要量推移と予測
3.PVA保護フィルム(保護側)
2014年実績でTV向け「PMMA4枚使い」は一部に留まる結果に
PVA保護側でのPMMAニーズはややトーンダウン
(図)PVA保護フィルム(保護側)の市場のメーカーシェア(2014~2015年度)
(表)PVA保護フィルム(保護側)の市場規模及びメーカー販売量推移(シェア)
(表)PVA保護フィルム(保護側)の市場規模及びメーカー販売量推移(前年度比)
内製PMMAフィルム以上のコストメリットを求められるZ-TACの値下げが本格化
COPの競合材料であるN-TACには波及せず
(表)TAC系および競合フィルムの厚み別平均価格動向(2015年Q1)
サムスンSDIに加え、CMMTからの本格採用こそがPET系市場の成長の鍵を握る
(図)PET系偏光板の材料構成
(図)PVA保護用 PETフィルムのサプライチェーン(2015年Q1時点)
(表)主要偏光板メーカーにおけるP-TACフィルムサプライヤーシェア(2014~2015年)
(表)PVA保護フィルムと位相差フィルムの材料別需要量推移と予測
(表)材料別需要量推移と予測(PVA保護フィルム+位相差フィルム)
(図)材料別需要量推移と予測(PVA保護フィルム+位相差フィルム)※前年度比
(図)材料別需要量推移と予測(PVA保護フィルム+位相差フィルム)※構成比
4.表面処理フィルム
LG化学のFPRライン活用により、AG・LR市場が拡大に転じる
(表)LCD偏光板におけるタイプ別需要推移(2014~2016年予測)
(表)LCD偏光板の表面処理におけるアプリケーション別採用動向(2015年Q2)
・AG市場
(表)偏光板用AGフィルム市場規模(2014~2016年度予測)
・AG・LR市場
(表)偏光板用AG・LRフィルム市場規模(2014~2016年度予測)
・クリアLR
(表)偏光板用クリアLRフィルム市場規模(2014~2016年度予測)
・CHC市場
(表)偏光板用CHCフィルム市場規模(2014~2016年度予測)
・ドライARフィルム市場
(表)偏光板用ドライARフィルム市場規模(2014~2016年度予測)
第2章:偏光板及び部材フィルムメーカーの展望と戦略
LG Chem,Ltd
南京拠点はほぼフル稼働状態、南京・第3ラインは2016年Q1より稼働開始
「COP/TACペア」でVA陣営最大手のSDC TV向け新規出荷がスタート
中国・南京の第1、第2ラインのスピードアップにより、トータル生産能力を増強
地産地消のメリットを活かし、中国市場向け販売をさらに強化
位相差としてのPMMAフィルムの使用比率を大幅にアップ
2014年のPMMA4枚使いの実績はほぼゼロ、保護用でのPMMAフィルム使用は未知数
明基材料股份有限公司(BenQ Materials Corporation)
2015年Q2からUV接着ラインを稼働
COPフィルムを採用し、AUO 45”以上のTV向け市場に本格参戦
SAMSUNG SDI CO.,LTD.(サムスンSDI株式会社)
2014年下半期からSDC VD事業部向け「COP/PETペア」が急増
サムスン電子~SDC~SDIの垂直統合が追い風
株式会社サンリッツ
IPS陣営の最大手LGD向け販売量が急拡大
2015年におけるLGD内でのTV向けシェア20%を目指す
奇美材料科技股份有限公司(Chi Mei Materials Technology Corporation)
中国でのシェア拡大のキーとなる昆山拠点は2016年Q1から本格稼動
50″クラスInnolux TV向けに、PVA保護用でPETフィルムを使用
力特光電科技股份有限公司(OPTIMAX TECHNOLOGY CORPORATION)
SAPOを通しCSOT TV向け偏光板を展開
量的には少ないが、車載などのニッチマーケットも視野に
深圳市盛波光電科技有限公司(SHENZHEN SAPO PHOTOELECTRIC CO.,LTD.)
2014年はCSOT TV向けで約10%シェアを獲得
新規ラインの稼働は1年遅れの2016Q4となる見込み
深圳市三利譜光電科技股份有限公司(Shenzhen Sunnypol Optoelectronics Co.,Ltd)
BOE中小型向け市場に参入するも、大型向けでの実績は伸びず
合肥・新規ラインの稼働後はBOE TV向け本格参戦なるか
株式会社ポラテクノ
車載用ではPM-VAで一歩リードし、さらなるポジション確立へ
プロジェクター用偏光板は需要、価格ともにダウンも90%前後のシェアを確保
佛山偉達光電材料有限公司(WINDA Opto-Electronics Co.,LTD.)
STN→TFTの変化に対応すべく、TFT技術確立を急ぐ
富士フイルム株式会社
改良版のポストZ-TACの市場投入でIPS用でのトップシェアを守る
PMMA4枚使いは一部に留まり、P-TACの販売量に打撃なし
Z-TACの薄型化が進行、2015年はほぼ100% 40μm製品となる見込み
「パネルの薄型化による反り」の改善に寄与
PMMAフィルムへの対抗策は、収縮性などを改善した「ポストZ-TAC」
勢いをみせるCOPの影響は受けずインチ拡大が進む日・台・中向け「Vタック」の販売が好調
2014年春からTNタイプのSmartPhoneやTablet向けに40μmのWV採用がスタート
日本ゼオン株式会社
新ラインの前倒し稼働で2015年に向けた大型VA位相差の販売拡大を強化
High-End SmartPhone向けでもCOPフィルムの好調が続く
VA位相差用のフル稼働が続くなか、2015年2月に新規ラインの前倒し稼働がスタート
需給バランスの問題を解決し、2015年はさらなる販売拡大を目指す
「iPhone6/6Plus」にCOPフィルムが採用され、中小型向け出荷量に大きく貢献
「GalaxyS5」に続き「GalaxyS6/S6 Edge」にもCOP2枚の使用が確定
JX日鉱日石エネルギー株式会社
2014年以降「NVフィルム」の販売量は減少傾向
大倉工業株式会社
偏光板大手3社の内製市場となったPMMAフィルム市場へ参入すべく
自社ブランドとしてPMMAフィルムの製造・販売に踏み切る
Hyosung Corporation(暁星株式会社)
VA TV向け「位相差・P-TACのセット販売」でTACフィルム事業の拡大を図る
達輝光電股份有限公司(TAC Bright Optronics Corporation)
2015年Q2には超広幅の第2ラインを稼働開始
台湾顧客向けを中心に販売拡大を図る
東洋紡株式会社
TV向けトップと4枚目でPVA保護フィルム市場でのプレゼンスを高める
2015年以降「COP/PETペア」で最高品位TV向けシェア拡大が予想
SK Innovation co.,LTD.
2014年7月からはTV向けP-TACの販売が本格化
凸版印刷株式会社
インチ拡大するTV向けAG販売量が増加傾向
UHD TV向けにクリアLRの採用拡大に期待
日本製紙株式会社
CHC市場のトップメーカー
中小型向け需要拡大のため、COPなどの新規材料向け塗工技術の確立に専念
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