2015年版 自動車用樹脂市場の需要予測
自動車メーカー各社はCO2排出量削減(燃費向上)を達成するため、車体軽量化に取り組んでいる。軽量化の一手法として部品の樹脂化が進展している。主要自動車メーカー、樹脂材料メーカー、モルダー等へヒアリングを行うことで、車載分野での現状の樹脂化動向の把握をワールドワイドで捉え、各部品での技術的課題や各社の改善に向けた取り組みを明らかにする。
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調査資料詳細データ
調査対象材料:PP、PA、ABS、PE、PC、POM、PBT、PPS、変性PPE の自動車用に使用されている熱
可塑性樹脂
調査対象企業:自動車メーカー、樹脂メーカー、研究開発機関等
調査対象範囲:ワールドワイド(本調査の市場規模は全て世界市場ベースでの算出である)
調査方法:専門調査員による直接面接取材をベースに文献調査を併用
調査期間:2015年6月~2015年8月
大型テーマでの樹脂化は一段落、10年後を見据えた開発を
- 2014年の自動車用樹脂市場は802万t、樹脂化率上昇は踊り場状態に
自動車台数の増加に伴い2025年の樹脂需要は1,085万tへ拡大 - 新規採用には複雑形状成形や、部品一体化による部品点数・組立工数の削減等の「軽量化+α」のメリットの訴求により新規用途を見いだせ
- PP:内装品ではABSやPC/ABSからPPへ需要がシフト、外板部材では、バックドア及びフェンダー等での需要創出につなげ
- PA:「ポストインマニ」としてオイルパンの樹脂化に期待、シリンダーヘッドカバーでの樹脂化率向上でPA66出荷増加
- ABS:内装ではPPと競合するも需要は緩やかに増加
- PE:燃料タンクの樹脂化率の上昇がPE需要を牽引
- PC:ヘッドランプレンズ需要量が約半分を占める。内装材での採用増へ
- POM:燃料用途が30%、クリップで20%弱、内装関連・ギアやカム、軸受け等の駆動関連部品で主に採用
- PBT:ワイヤーハーネスコネクター需要が40~50%を占める。電装化の進展に伴う電装品でのPBT使用増に期待
- 変性PPE:外板向け需要は低迷気味。電装品、HEVでの電池単セルケース、EVでの電池固定フレーム向け需要増加に期待
- PPS:イグニッションコイル需要にプラスしてセンサーやECUケース等の電装品向け拡大
第1章 自動車用樹脂市場の需要予測
第2章 自動車用樹脂別市場動向
第3章 自動車部位別採用動向
第4章 メーカー・商社動向
■掲載内容
第1章 自動車用樹脂市場の需要予測
大型テーマでの樹脂化は一段落、10年後を見据えた開発を!
2014年の自動車用樹脂市場は802万t、樹脂化率上昇は踊り場状態に
自動車台数の増加に伴い2025年の樹脂需要は1,085万tへ拡大
部品の薄肉・小型化、EVでの部品点数削減がもたらす樹脂への影響は軽微に留まる見通し
新規採用には複雑形状成形や、部品一体化による部品点数・組立工数の削減等の
「軽量化+α」のメリットの訴求により新規用途を見いだせ!
第2章 自動車用樹脂別市場動向
2-1 自動車における樹脂化への期待
2-1-1 環境規制の強化
燃費支配要因の40%が車体重量、100kgの軽量化は約1km/Lの燃費性能向上に繋がる
2-1-2 自動車用材料概要
2-2 各樹脂の詳細
2-2-1.ポリプロピレン(PP)
内装品ではABSやPC/ABSからPPへ需要がシフト
外板部材では、バックドア及びフェンダー等での需要増加に期待
2-2-2.ポリアミド(PA)
「ポストインマニ」としてオイルパンの樹脂化に期待
シリンダーヘッドカバーでの樹脂化率向上でPA66需要増加
2-2-3.ABS
内装ではPPと競合するも需要は緩やかに増加
2-2-4.ポリエチレン(PE)
HEVやEV比率の高まりを受けるものの、燃料タンクの樹脂化率の上昇がPE需要を牽引
2-2-5.ポリカーボネート(PC)
ヘッドランプレンズ需要量が約半分を占める
内装材での需要増加に期待
2-2-6.ポリアセタール(POM)
燃料用途が30%、クリップで20%弱、
その他内装関連・ギアやカム、軸受け等の駆動関連部品で主に採用
2-2-7.ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ワイヤーハーネスコネクター需要が40~50%を占める
電装化の進展に伴う電装品でのPBT需要増加に期待
2-2-8.変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)
外板向け需要は低迷気味 電装品での需要増加、
HEVでの電池単セルケース、EVでの電池固定フレーム需要増加に期待
2-2-9.ポリフェニレンサルファイド(PPS)
イグニッションコイル需要にプラスしてセンサーやECUケース等の電装品需要増加に期待
第3章 自動車部位別採用動向
3-1 構造材
3-2 ボディ外板
(1)フェンダー
(2)ドア外板
(3)バックドア(テールゲート)
3-3 外装
(1)バンパー
(2)フロントグリル(ラジエーターグリル)
(3)ボディ周辺部
(4)タイヤ周辺部
(5)エアロパーツ
(6)腐食防止部品
(7)ドア周辺部
(8)光学系部品
・ヘッドランプ(レンズ、エクステンション、リフレクター)
・ライトガイド
・テールランプ(ヘッドリアランプ)
(9)ガラス
3-4 内装
(1)インストルメントパネル/インストルメントパネル周辺 等
(2)機構部品・駆動系
(3)シート
(4)フロア周辺部品
(5)光学系部品
3-5 エンジンルーム内部品
(1)吸気系
・エアインテークパイプ(エアダクト、吸気ダクト)
・エアクリーナーケース
・スロットルボディ
・インテークマニホールド
(2)冷却系
・ラジエータータンク/ラジエータファン・ファンシュラウド
・フロントエンドモジュール/ラジエーターコアサポート
・ウォーターポンプ
・サーモスタット
・ウォーターインレット/アウトレット
・シリンダーヘッドカバー
・タイミングベルト/チェンカバー
・オイルパン
・オイルストレーナー
3-6 燃料系部品
(1)燃料注入ライン系/供給ライン系
・フューエルフィラーキャップ
・フューエルフィラーインレットホース
・インレットチェックバルブ
・燃料チューブ
・燃料フィルター
・フェーエルデリバリーパイプ
・フューエルインジェクター
(2)燃料貯蔵系
・燃料タンク
・燃料ポンプ
(3)その他(キャニスター)
3-7 電気・電子部品
(1)ワイヤーハーネス
(2)センサー
(3)スイッチ
(4)ECU
(5)モーター
(6)始動・充電系/点火系
(7)HEV・EV用
・電池
・インバーター-/コンバーター
第4章 メーカー・商社動向
株式会社プライムポリマー
日系OEMのトップシェアを維持する一方、欧米PPコンパウンド市場でのシェア拡大へ
高付加価値品の販売に注力、フェンダーのPP化に期待
日本ポリプロ株式会社
海外拠点拡充へ 新興国向け供給体制を整備、技術供与も積極的に推進
コンパウンドでは米・中両拠点を増強
メキシコに販社設立、生産拠点建設も検討
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
高機能グレード集中とグローバル展開加速で更なる成長を目指す
PCでは無塗装で内装需要も期待
樹脂グレージングのポイントはデザイン性、軽量化、低コスト化
燃料ポンプ採用増加に向けてPOMの更なる材料改良を行う
2015年4月にレーザー溶着用PBT樹脂「ノバデュラン®LWシリーズ」を開発
従来の接合法と比べて、設計自由度の向上、組み付け工数、部品点数の削減が可能に
東レ株式会社
アジア・アメリカ・新興国事業拡大(AE-Ⅱ)プロジェクト推進
数年後の樹脂製オイルパン採用に期待
ターボ化によるダクト関連のPA需要増加を見込む
ポリプラスチックス株式会社
POMを軸に海外展開を強化、更なる成長へ
金属代替は一巡するも、2015年の自動車向け販売量は80,000tを追求
中国等新興国での樹脂化、欧州系への拡販に注力
PBTは超高流動SFシリーズを開発、部品の小型化に対応
低ガス化は継続的なテーマ
中国等新興国でもPPS需要増加に期待、二次加工技術でもサービス提供
国内ではコスト削減 海外では能力増強・拠点拡充
旭化成ケミカルズ株式会社
生産(コンパウンド)、販売、テクニカルサービス体制を整備し、
グローバルな成長戦略を強化
欧米でのシリンダーヘッドカバー樹脂化に期待
変性PPEはEVやHEV関連のバッテリーケース等の電装系需要に期待
ランクセス株式会社
複合材料で軽量化提案を更に加速
オイルパンへのTEPEX®提案、縁石割れを解決
エンジンルーム内の温度上昇に対応
連続使用温度200℃以上の「XTS2」の製品化に成功、2015年以降の本格採用目指す
帝人株式会社
メガ化するTier1に対して自動車等の素材~加工で高付加価値ビジネスを提案
樹脂グレージング 2013年にNYタクシーパーテーション窓に採用
コスト問題をクリアし、2019年度までに年間売上高100億円を目指す
外装・外板用途で拡販を加速
内装でもPC需要増加、光学技術がポイントに
バイオPC 松山工場で年産3,000トン規模の量産体制構築を視野に入れる
DIC株式会社
日本・中国・アジアパシフィック・欧米の世界4極体制構築
全ての地域でPPSシェアトップを狙う
欧州PPS技術センター開設
欧州における新規需要獲得でシェアトップの座へ
稲畑産業株式会社
コンパウンド生産、営業拠点拡大、海外ネットワークから国内需要獲得
タイ工場の独自の施策ラインを導入、自社製造技術の蓄積を進める
双日プラネット株式会社
より一層のグローバル展開へ地場販社の買収などを含めたネットワークの拡大
森六ホールディングス株式会社
商社機能だけでなく、成形加工分野でもグローバル展開
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