2017-2018年版 自動車用フィルム・シート市場の展望と戦略 ~塗装代替、軽量化の一歩先へ~

環境規制・低燃費、自動運転を軸にして自動車産業と自動車技術が大きく変わろうとしています。自動車の世界ではこれまで、xEV化に伴う車体・部材の軽量化やCO2、VOC削減のための塗装レス化に向けた研究開発が進み、内外装用加飾フィルムや窓用中間膜を始めとするフィルム・シートの需要拡大が期待されてきました。車体・部材の樹脂化やフィルムによる塗装代替の実現は依然として道半ばの状態ですが、加飾フィルムでは本物ライクな質感や成形性に加え反射防止・耐指紋などの表面特性付与、中間膜では遮音・遮熱性能に加えてHUD対応など、自動車用フィルム・シートに対するニーズも多様化、細分化する傾向にあります。加飾フィルムメーカーの中にはモルダーを買収し樹脂成形事業に参入する例も出てきました。従来からある「軽量化、塗装代替」から一歩進み、自動車のデザインや素材の変化に即応した製品開発をいかに進めていくかが問われています。

発刊日
2017/12/27
体裁
A4 / 159頁
資料コード
C59117300
PDFサイズ
7.8MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:自動車用フィルムメーカー、コンバーター、シートメーカー各社の現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、自動車用フィルム・シート市場における現状と今後の動向の把握を目的とする。
調査対象:内装用加飾フィルム(水圧転写フィルム、インモールド転写箔、INS用フィルム、三次元被覆工法用加飾フィルム)、外装用加飾フィルム、ウィンドウフィルム、合わせガラス中間膜
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用。
調査期間:2017年10月~2017年12月

資料ポイント
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  • ニーズはさらに細分化、その技術の活きる先が必ずある!
  • 速度、距離、安全、快適、環境対応に加え「コネクテッド」が次世代自動車の開発テーマに
  • 超小型モビリティが外装の塗装代替を促す、塗料レス以上の価値の実現を目指せ
  • 塗装とフィルムの併用を視野に入れた加飾フィルム開発が進展
  • 成形性、表面硬度、耐薬品性、耐候性などフィルムの性能面に加え、色、質感、光沢などの外観性をいかに塗料に合わせこむかが課題に
  • 電装部品化した内装加飾、自動運転の普及で再びインテリアへと回帰、車室内の居心地の良さ実現へ、新たな触感表現を可能にする表皮材の開発を!
  • ウィンドウフィルムではフロント及びフロントサイドガラスに貼付け可能な高透明遮熱グレードの需要が拡大
  • 中間膜ではHUD、樹脂グレージングなど次世代自動車を見据えた開発進む、遮音機能などを付与した機能膜は2017年には全体の30%を占める規模に

資料概要
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第1章 自動車用フィルム・シート市場の展望と戦略
第2章 自動車用フィルム・シート市場の動向
第3章 自動車用フィルム・シートメーカーの展望と戦略

リサーチ内容

■掲載内容

調査結果のポイント

第1章 自動車用フィルム・シート市場の展望と戦略

「塗装代替」「軽量化」の一歩先へ!
速度、距離、安全、快適、環境対応に加え「コネクテッド」が次世代自動車の開発テーマにより多くの情報が表示されるHUDの鮮明化に楔形中間膜が貢献
超小型モビリティが自動車外装の塗装代替を促す、塗料レス以上の価値の実現を目指せ
電装部品化した内装加飾、自動運転の普及で再びインテリアへと回帰
意匠性に加えリアルなテクスチャー表現が課題に
ニーズはさらに細分化、その技術の活きる先が必ずある!

第2章 自動車用フィルム・シート市場の動向

1.自動車内装用加飾フィルムの動向
  意匠性だけでなくフィルムの性能訴求で新たな需要の取り込みを
  自動車生産台数、加飾率とも中国が市場を牽引、環境規制強化で塗装・メッキ代替進む
  採用部位や目的に合わせて工法をきめ細かく使い分ける方向へ
  (図・表)主要地域の自動車生産台数における内装加飾の採用動向
  (表)主要地域別自動車生産台数に占める内装加飾の動向(2016年)
  (表)主要地域別自動車生産台数に占める内装加飾の動向(2017年見込み)
  (表)主要地域別自動車生産台数に占める内装加飾の動向(2020年予測)
  (表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2016年)
  (表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2017年見込み)
  (表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2020年予測)
  自動車のIT化により内装はインテリアから電装品へとシフト
  デザインだけでなく反射防止、AGなど光学関連部材としての性能付与が必須に
 1.水圧転写
    環境対応によるドライプロセス化が注目される中、転写フィルムの需要は安定
    (表)主要自動車メーカーの水圧転写採用状況
    (表)水圧転写フィルム市場規模推移
    (表)自動車用水圧転写フィルム 地域別市場規模推移
    (表)水圧転写フィルム 参入メーカー各社の販売量及びシェア推移
 2.成形同時加飾
    (図)インモールド転写のプロセス
    (図)INSのプロセス
    インモールド転写は欧州、中国を中心に普及
    加飾台数に占める構成比は30%、転写箔は450万㎡前後の市場を形成
    (表)インモールド転写箔 主要地域別市場規模推移
    (表)インモールド転写箔市場規模推移
    (表)インモールド転写箔 主要メーカー別販売量推移
    内装部品の電装化進展でINSの採用拡大に期待
    ディスプレイ関連フィルムで実績のあるコンバーターに強み
    (表)自動車用INS加飾フィルム 主要地域別市場規模推移
    (表)自動車用INS加飾フィルム市場規模推移
    (表)自動車用INS加飾フィルム(汎用)参入メーカーの実績及びシェア推移(面積ベース)
    (表)自動車用INS加飾フィルム(電装用)参入メーカーの実績及びシェア推移(面積ベース)
 3.三次元被覆工法
    大手自動車メーカーの世界戦略車に採用、テクスチャー表現、凹型形状への加飾など
    被覆工法ならではのメリット訴求でジワジワと成長
    (図)真空・圧空圧着成形の例①(布施真空TOM成形)
    (図)真空・圧空圧着成形の例②(ナビタスNATS空気転写)
    (表)三次元被覆工法用加飾フィルム市場規模推移
    車室内の居心地の良さ実現へ、新たな触感表現を可能にする表皮材の開発を!
    (表)三次元被覆工法用加飾フィルム 主要地域別市場規模推移
    (表)3次元加飾工法の比較
    (表)自動車メーカーの内装加飾採用状況
2.自動車外装用加飾フィルム市場の動向
  塗装とフィルム加飾の併用を視野に入れた開発が進展
  成形性、表面硬度、耐薬品性、耐候性などフィルムの性能面に加え
  色、質感、光沢などの外観性を塗料に合わせこむ方向での開発が課題に
  ボディ加飾ではツートンカラールーフに続く採用の早期実現が待たれる
  共和レザー「Dラッピング」、布施真空「Neo-TOM」など加飾工法の開発も進む
  (表)自動車外装用フィルム・シート 市場規模推移(面積ベース)
  衝突回避システムの普及で金属・メッキパーツ代替の金属調加飾フィルムが成長
  ウレタン系ペイントプロテクションフィルム、リンテックの新規参入で国内市場拡大に弾み
3.自動車用ウィンドウフィルム市場の動向
  フロント及びフロントサイドガラスに貼り付け可能な高透明遮熱グレードが拡大
  トップのリンテックが80%以上のシェアを占める寡占資料
  (図・表)自動車用ウィンドウフィルム市場規模推移(国内+輸出分)
  (表)日本国内における自動車用ウィンドウフィルムシェア推移
4.自動車用合せガラス中間膜市場の動向
  HUD、樹脂グレージングなど次世代自動車を見据えた開発進む
  2018年初頭には積水化学・メキシコ、クラレ・蔚山で増設ラインが相次いで稼働
  (表)PVB樹脂・フィルム 主要メーカー生産拠点一覧
  中間膜市場規模は自動車生産台数の伸びをやや上回るペースで成長
  遮音機能などを付与した機能膜は2017年には全体の30%を占める規模に
  (表)自動車用合せガラス中間市場規模推移
  (表)合せガラス中間膜 地域別販売量 重量ベース(2017年見込み)
  (表)合せガラス中間膜 地域別販売量 面積ベース(2017年見込み)
  (表)自動車用合せガラス中間膜メーカーシェア推移(重量ベース)
  (表)自動車用合せガラス中間膜メーカーシェア推移(面積ベース)
  (図)自動車用中間膜市場規模に占める機能膜の比率
  運転の安全性向上を実現するHUDの普及に伴い楔形中間膜が急成長
  (図)HUDの方式
  (図)一般的なWS方式HUDの構造
  (表)HUD出荷台数推移
  (図)HUD用中間膜市場規模推移
  (表)主なHUD搭載車車種
  ベンチャーメーカーでフロント窓に樹脂グレージングが採用される
  自動車窓の樹脂化にいかに対応するかが中長期的な課題に

第3章 自動車用フィルム・シートメーカーの展望と戦略

スリーエム ジャパン株式会社
  自動車用加飾フィルムでは施工・システムまで踏み込んだ提案力に強み
  三次元成形加飾フィルム「3M™ インテリア・トリム・フィルム」では
  基材、インク、接着剤の組み合わせ最適化で深絞りや凹形などの複雑形状にも対応
  ブラックアウトフィルムは粘着層のエア抜きなど独自の接着・接合テクノロジーで差別化
  チッピング防止のプロテクションフィルムではポリウレタン基材フィルムなどを展開

DIC株式会社
  水圧転写フィルム「アクアトランサ」は安定的な需要を確保
  多様化するニーズのキャッチアップのためINS加飾フィルムにも参入
  住設・建材など新たな用途や新興国など新たなマーケットでの需要取り込みを図る
  ニーズ対応力強化のためINS加飾フィルムにも参入、サンプル供給を推進

株式会社千代田グラビヤ
  複雑形状、穴空き形状に追随する真空圧空転写フィルムを投入
  金属調外観とトリミングレスをアピールし拡販を推進

三菱ガス化学株式会社
  PC系「MRフィルム」、成形性、耐候性、耐薬品性に優れたグレード展開で
  電装系内装部材加飾としての需要が拡大
  耐擦傷性、耐候性を向上した「DF02PU」は外装部品向けでの採用拡大
  特殊HCで耐薬品性を高めた「MRF08U」は日焼け止め・虫よけ対策で高く評価される
  メッキ代替の蒸着フィルムや電装部品前面カバーには低温成形グレードを提案

マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン株式会社
  耐薬品、AGなどHC層の機能性を高めた加飾フィルムを展開
  AGグレードはデジタル計器の視認性や汚れの拭取りやすさが評価され欧米中心に採用される
  見た目や触感を改良したグレードの開発も進む

共和レザー株式会社
  「塗装代替」から「塗装と共存」へ、見た目・質感・性能を
  塗装に近づけた外装加飾フィルムの開発に注力
  2018年3月期には加飾フィルム売上高が車両用の5%前後まで成長する見込み
  内装加飾フィルムでは中国市場の開拓を積極的に推進
  外装加飾向けの独自工法「Dラッピング」では工数を大幅に削減した新プロセスを提案
  鏡面コーティング、チッピング防止、セルフクリーニングなど
  塗装との併用に耐える外観、性能のフィルム開発で外装加飾の早期実用化を目指す

出光ユニテック株式会社
  軽量化、リサイクル適正など、自動車メーカー各社の環境対応ニーズへの対応力で差別化
  低比重、リサイクル適正など「加飾」だけにとどまらないメリットを訴求
  成形性の高い原着メタリックに加え、アルミ蒸着による高輝度メタリックグレードを投入

Avecal Korea Co.,Ltd.
  価格と品質、顧客対応力を武器に、自動車用ラッピングフィルムとPPFの拡販に注力
  PVC、TPU、TP等の原反フィルム生産からフィルム加工までの一貫生産が強み
  2016年初頭にAvecalの日本法人を設立
  南米市場の拡大を見据え、テキサス州に新規工場建設を検討
  PVCとTPUの特徴を併せ持つTPフィルムを用いたPPFの提案に注力
  ラッピングフィルム及びPPF等の自動車用フィルムでは年率5%の販売量拡大を見込む

株式会社セイコーアドバンス
  インサート成形用インキでは自動車内装をターゲットとした新製品を相次いで投入
  自動車コックピット周辺計器のデジタル化・電装化で成形カバーレンズが拡大
  ベゼル印刷や加飾に使用されるインサート成形用インキの需要拡大に期待
  PCフィルムとPC樹脂成形に対応する高耐熱インキ、立体感・奥行感表現が可能なインキなど
  付加価値を高めた新製品を投入、サンプル供給と提案営業を推進

日本化工塗料株式会社
  事業付加価値向上を図りフィルム用機能性コーティング剤に注力
  加飾成形用コーティング剤は、よりニーズに合致した製品開発を進める
  塗料大手の関西ペイントのネットワークを活用した開発・技術力に強み
  フィルム用コーティング剤「TOMAX」の提案営業に力を入れる
  成形加飾用コーティング剤では性能トレードオフ解消など課題解決型研究開発を推進
  真空蒸着用コート剤と合わせて自動車加飾向けの需要拡大を目指す

布施真空株式会社
  「3次元表面被覆工法」TOM工法による自動車加飾が始動 車室内スペース拡大、
  外装加飾のドライ化など新たなニーズに対応
  大手自動車メーカーの世界戦略車の内装にTOM工法が採用
  車室内スペースを広くとる凹型部材への加飾対応が評価される
  環境対応(VOC・CO2削減)、工程短縮など外装加飾のドライ化へのニーズをキャッチ
  フィルム被覆、塗装転写などNeo-TOMによる外装加飾の提案を推進

ナビタス株式会社
  独自の加飾プロセスNATSは自動車内装加飾をターゲットに積極展開
  触感を付与した転写など多様化するニーズに対応
  2016年~2017年にかけて自動車内装加飾でのNATS採用が進展
  転写箔メーカーと共同でシボ感のある転写を実現
  自動車内装加飾のトレンドに合わせたユーザー提案を推進

株式会社浅野研究所
  独自の熱成形技術の応用と提案で内外装加飾を始めとする自動車部品分野の実績を拡大
  独自のシート加熱システムにより高精度の位置合わせ成形に強み
  表面のテクスチャー表現や裏面巻き込み加飾も可能な減圧被覆成形にも対応

リンテック株式会社
  独自に蓄積してきたコーティング、粘着技術を駆使し高い透明性と遮熱性を併せ持つ
  ウィンドーフィルムを実現
  高級感のある濃色と良好な視界を両立した新規グレードや
  フロントガラス・フロントサイドガラスに使える高透明遮熱フィルムで差別化

スリーエム ジャパン株式会社(ウィンドウフィルム)
  透明性と遮熱性能を併せ持つグレード展開を進める
  フロントガラスに対応可能な高透明・高遮熱フィルム、超多層積層フィルムなど
  付加価値の高い領域での展開に強み

積水化学工業株式会社
  機能膜の生産能力増強、オランダの研究センター新設など多様化、高度化する
  市場ニーズへの対応力に強み
  メキシコ工場に遮音膜生産ラインを増設、機能膜への注力シフトで事業の高付加価値化を推進
  日本のR&Dセンターに加え欧州研究センターの設置で市場の最先端ニーズを取り込む
  中間膜販売量の約40%が機能膜に、HUD向けグレードが好調に成長

株式会社クラレ
  車体の軽量化、HUDの普及など自動車の変化・進化に対応した中間膜を開発
  アジア地区の自動車用中間膜需要拡大に対応し韓国・蔚山工場に自動車用の新規ラインを増設
  遮音膜、HUD用膜など機能性を付与した自動車用中間膜の生産・供給体制を強化
  ガラスの薄肉化=車体の軽量化を実現するアイオノマー中間膜「SentryGlas®」を投入
  HUD視認性向上グレード「TROSIFOL®Wedge」は今後の需要拡大に期待

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