2017年版 量子技術市場の現状と展望
量子の世界は、極微の世界を支配する法則に基づいた世界であり、われわれが住む日常世界とは大きく様相が異なる。これまでは、理論物理学中心の世界だったが、半導体微細化が極限近くまで進む中、新たな技術の模索は量子の世界に向かっている。つまり、科学技術の進歩によって、量子の世界が、われわれの日常社会に身近なものになりつつある。なかでも、実用化が視野に入ってきたものを中心に以下6領域を調査対象とする。
量子通信に欠かせない量子暗号技術を中心とした「次世代暗号技術」(通信、放送、検索、コンテンツ配信、その他の5アプリケーション)。IBM、Intel、Google、MicrosoftなどITの巨人たちが膨大な経営資源を投入して必死の開発競争を繰り広げている「量子コンピューター」。実用化を目指した研究開発が加速している「量子センシング」(磁気、光学、その他の3用途)、「量子イメージング」(量子ビーム、光子の2カテゴリー)。量子技術を駆使した川下製品を支える基盤技術として「量子スピントロニクス」(不揮発メモリー、トランジスター、光メモリー、その他の4用途)と「量子情報デバイス」(エレクトロニクス、情報・通信ライフサイエンス、エネルギー、その他の5分野)を取り上げた。
また、日本は、つぎ込まれる資金と人材において、世界の先進国に比べて大きく遅れをとっていることが懸念されている。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査対象品目:量子コンピューター、量子スピントロニクス、量子センシング、量子イメージング、量子情報デバイス、次世代暗号技術
対象企業:電機メーカー、材料メーカー、大学、研究機関
調査方法:直接面談取材による
調査期間:2016年11月~2017年4月
定期刊行物「Yano E plus」での関連特集(2016年12月号~2017年5月号)をベースに編集、市場数値なども抜粋
第1章 量子コンピューター
第2章 量子スピントロニクス
第3章 量子センシング
第4章 量子イメージング
第5章 量子情報デバイス
第6章 次世代(量子)暗号技術
■掲載内容
調査結果のポイント
第1章 量子コンピューター
既に世界初製品はカナダ発でgoogleやNASAなどへ納品済
世界的なビッグネームが参戦する中、日本の基礎科学は花開くか
1.量子コンピューターとは
2.量子コンピューターの歴史
3.量子コンピューターの代表的方式
3-1.量子回路方式
3-2.イジングモデル型量子情報処理方式
(1)量子アニーリング
(2)コヒーレント・イジングマシン
4.量子コンピューターの市場規模予測
【図・表1.量子コンピューターの国内およびWW市場規模予測(金額:2015-2040年予測)】
5.量子コンピューターのワールドワイド研究開発動向
5-1.米国
5-2.カナダ
5-3.欧州
5-4.日本
6.量子コンピューターに関する個別研究機関動向
6-1.国立大学法人大阪大学
6-2.国立大学法人京都大学
6-3.学校法人慶應義塾大学
6-4.大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)
6-5.学校法人玉川学園/玉川大学
【図1.量子マイコンを組み込んだ量子レーダーカメラの模式図】
6-6.国立大学法人筑波大学
6-7.国立大学法人東京工業大学
【図2.巡回セールスマン問題の模式図】
6-8.国立大学法人東京大学
6-9.日本電信電話株式会社(NTT)
6-10.国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
6-11.国立研究開発法人理化学研究所
6-12.学校法人早稲田大学
【図3.クラスタ分析の概念図】
【図4.最適解を得る方法としての量子アニーリング】
7.量子コンピューターの課題と展望
第2章 量子スピントロニクス
物質の電気的性質と磁気的性質を量子力学的に制御する新しいサイエンス、日本の研究開発は世界をリード
1.スピントロニクスとは
2.量子スピントロニクスとは
3.量子スピントロニクスの用途分野
3-1.スピン不揮発メモリー
3-2.スピントランジスター
3-3.スピン光メモリー
3-4.量子コンピューター
4.量子スピントロニクスの市場規模予測
【図・表2.量子スピントロニクスの国内およびWW市場規模予測(金額:2020-2025年予測)】
【図・表3.量子スピントロニクスの用途分野別国内市場規模予測(金額:2020-2025年予測)】
5.量子スピントロニクスに関する国内の研究機関動向
5-1.国立大学法人茨城大学
【図5.スピンゼーベック効果を確認する実験設定】
【図6.マルチフェロイクスにおいて円偏光レーザーによりスピン流を生成する実験設定】
5-2.国立大学法人大阪大学
5-3.国立大学法人京都大学
5-4.学校法人慶應義塾大学
5-5.国立研究開発法人産業技術総合研究所
【図7.エピタキシャルMTJ素子集積化プロセスの模式図】
【図8.MgO-MTJ素子によるマイクロ波発振器の模式図】
5-6.国立大学法人筑波大学
5-7.大学共同利用機関法人自然科学研究機構 分子科学研究所
5-8.株式会社東芝
5-9.国立大学法人東京工業大学
【図9.円偏光した光の放出と検出を行なうスピンフォトニックデバイスの模式図】
5-10.国立大学法人東京大学
5-11.国立大学法人東北大学
5-12.国立大学法人名古屋大学
5-13.国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
5-14.日本電信電話株式会社(NTT)
5-15.株式会社日立製作所
5-16.国立大学法人広島大学
5-17.国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
5-18.国立大学法人北海道大学
5-19.国立研究開発法人理化学研究所
5-20.学校法人早稲田大学
6.量子スピントロニクスの展望
第3章 量子センシング
量子エンタングルメントやトンネル効果など特異な量子的性質を利用感度や分解能の点で古典的計測を凌駕
1.量子科学技術に本腰を入れ始めた文部科学省
2.量子センシングとその意義
3.量子センシングの応用分野
3-1.磁気センサー
3-2.量子カスケードレーザー
3-3.量子エンタングルメント顕微鏡
3-4.量子慣性センサー
3-5.光格子時計
3-6.量子コンパス
3-7.量子レーダー
4.量子センシングの市場規模予測
【図・表4.量子センシングの国内およびWW市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
【図・表5.量子センシングの用途分野別国内市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
5.量子センシングに関する国内の研究機関動向
5-1.国立大学法人大阪大学
5-2.学校法人慶應義塾大学
【図10.NV中心の配向分布を示すマッピング像】
5-3.国立研究開発法人産業技術総合研究所
5-4.住友電気工業株式会社
5-5.国立大学法人電気通信大学
5-6.国立大学法人東京工業大学
【図11.ダイヤモンド量子センサーの性能と応用の可能性を示した模式図】
【図12.集光効率向上の為ボトムアッププロセスで形成したマイクロ構造模式図】
5-7.国立大学法人東京大学/国立研究開発法人理化学研究所
【図13.光格子時計の原理を示した模式図】
【図14.光格子時計のネットワーク概念を示した模式図】
5-8.国立大学法人東北大学
5-9.日本電信電話株式会社(NTT)
5-10.国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
6.量子センシングの展望
第4章 量子イメージング
古典光を用いたイメージングに比べ優れた解像度が魅力
多方面への活用が期待される
1.量子イメージングとは
2.量子イメージングの種類
2-1.光子イメージング
(1)量子エンタングルメントイメージング
(2)量子ゴーストイメージング
2-2.量子ビームイメージング
(1)中性子イメージング
(2)テラヘルツ分光イメージング
3.量子イメージングの応用分野
3-1.ライフサイエンス
3-2.材料科学
3-3.宇宙科学
3-4.工業
4.量子イメージングの市場規模予測
【図・表6.量子イメージングの国内およびWW市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
【図・表7.量子イメージングのカテゴリー別国内市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
5.量子イメージングに関わる国内の研究機関動向
5-1.学校法人慶應義塾大学
5-2.大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)
【図15.SOI量子イメージング検出器の構造】
【図16.SOI検出器によるイメージング事例(魚)】
5-3.コニカミノルタ株式会社
5-4.国立研究開発法人産業技術総合研究所
5-5.シグマアルドリッチジャパン合同会社
5-6.国立大学法人電気通信大学
【図17.量子エンタングルメントを用いたリソグラフィー実験の模式図】
5-7.国立大学法人東京工業大学
5-8.国立大学法人東北大学
5-9.国立大学法人名古屋大学
5-10.学校法人日本大学
5-11.パイオニア株式会社
【図18.テラヘルツ装置の原理(テラヘルツ時間領域分光法)】
【図19.テラヘルツスキャニング事例(塗膜厚膜測定結果)】
【図20.共鳴トンネルダイオードを用いたテラヘルツ装置の外観】
5-12.浜松ホトニクス株式会社
5-13.冨士色素株式会社
5-14.国立研究開発法人理化学研究所
5-15.国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
5-16.国立大学法人和歌山大学
6.量子イメージングの展望
第5章 量子情報デバイス
電子や光子を正確に制御・観測する技術がベース
その実現で川下である量子技術成果の開花へ
1.量子情報デバイスとは
2.量子情報デバイスの事例
2-1.量子ドットデバイス
2-2.量子ナノメカニカルデバイス
3.量子情報デバイスの応用分野
3-1.エレクトロニクス
3-2.情報通信
3-3.ライフサイエンス
3-4.エネルギー
4.量子情報デバイスの市場規模予測
【図・表8.量子情報デバイスの国内およびWW市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
【図・表9.量子情報デバイスの応用分野別国内市場規模予測(金額:2020-2040年予測)】
5.量子情報デバイスに関する国内の研究機関動向
5-1.国立大学法人大阪大学
5-2.国立研究開発法人産業技術総合研究所
5-3.国立大学法人東京工業大学
【図21.近接場テラヘルツ・イメージング素子の模式図】
【図22.シリコンプラズモニック構造の事例】
5-4.国立大学法人東京大学
【図23.電気-機械-光結合系の構造模式図】
5-5.国立大学法人東北大学
5-6.国立大学法人名古屋大学
5-7.日本電信電話株式会社(NTT)
5-8.国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
5-9.国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
5-10.国立大学法人北海道大学
5-11.国立研究開発法人理化学研究所/東京大学
【図24.スピンを用いた4ビット量子計算機の模式図】
【図25.開発したナノデバイスの概念図】
6.量子情報デバイスの展望
第6章 次世代(量子)暗号技術
注目されている量子暗号は世界中で開発競争が展開中
遅れをとっている日本の巻き返しを期待
1.なぜ、いま、暗号技術が注目されるのか?
2.次世代暗号の核となる量子暗号技術
3.量子暗号技術の典型的なプロトコル
3-1.BB84
3-2.E91
3-3.B92
3-4.BBM92
3-5.差動位相シフト(DPS:Differential Phase Shift)
3-6.Y-00
4.次世代暗号技術の海外動向
4-1.米国
4-2.欧州
4-3.中国
5.次世代暗号技術の市場規模
【図・表10.次世代暗号技術の国内およびWW市場規模予測(金額:2020-2030年予測)】
【図・表11.次世代暗号技術のアプリケーション別国内市場規模予測(金額:2020-2030年予測)】
6.次世代暗号技術にかかわる企業・団体の取組動向
6-1.沖電気工業株式会社
【図26.PPLN導波路を用いた量子もつれ光源発生の模式図】
6-2.国立大学法人九州大学
6-3.学校法人慶應義塾大学
【図27.CNTから単一光子が発生する状態を示す模式図】
【図28.架橋CNTのSEM写真】
6-4.国立研究開発法人産業技術総合研究所
6-5.国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
6-6.学校法人玉川学園
6-7.国立大学法人電気通信大学
【図29.ナノ光ファイバー共振器の概念図】
【図30.石原産業と電通大の共同開発によるナノ光ファイバー作成装置】
【図31.ナノファイバーブラッググレーティングのSEM写真】
6-8.国立大学法人東京工業大学
6-9.株式会社東芝
【図32.量子暗号通信システムの構成】
6-10.日本電気(NEC)株式会社
6-11.日本電信電話(NTT)株式会社
6-12.株式会社富士通研究所
6-13.国立大学法人北海道大学
6-14.三菱電機株式会社
7.暗号技術の進歩は人間とコンピューターの間に新たな溝をつくる!?
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