2020-2021年版 リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望 ~正極材編~
本レポートは2020年の10月発刊「2020年版 リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望~1st Half Report~」以降、2020年10月~2021年5月までの追加調査(コロナウイルスによる経済への影響、新たに発表された各国の環境政策動向、等)を踏まえた完全版レポートになります。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:日本および韓国、中国、欧州の有力リチウムイオン電池(以下LiB)用正極材11社の現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、更に周辺調査を加えることで世界LiB用正極材市場の現状と今後の動向を把握することを目的とする。
調査対象:日系正極材メーカー3社、韓国正極材メーカー2社、中国正極材メーカー4社、欧州正極材メーカー2社
調査方法:専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用
調査期間:2020年10月~2021年5月
- 2020-2021年版ではコロナ禍でも成長続く車載用LiB市場、民生小型LiB市場の動向を踏まえ、日系、韓国、中国の正極材メーカーの取り組み状況、正極材のトレンド等に注目
- 正極材市場価格動向を掲載
- タイプ別(民生小型セル/中大型セル)正極材市場規模(2016~2025年予測)を算出
- 世界主要正極材メーカー生産能力一覧を掲載(2016~2021年計画)
- 世界主要正極材メーカー各社の動向を掲載
- 民生小型セル市場(2016~2025年予測、アプリケーション別、セルタイプ別/2017~2020年メーカーシェア)、車載用セル市場(2016~2025年予測、2030年予測、セルタイプ別/2017~2020年メーカーシェア)の情報も併せて収録
第1章 民生小型LiB市場の現状と将来展望
1.民生小型LiB アプリケーション別市場動向
2020年はセル数ベースで前年比約110%推移
(図・表)民生小型LiB アプリケーション別 出荷推移(電池容量)
(図・表)民生小型LiB アプリケーション別 出荷推移(セル数)
(図・表)民生小型LiB アプリケーション別 出荷推移(出荷金額:ドル)
2021年も成長維持が予測されるも、
ノートPC、スマホは半導体等の部材供給状況に懸念
(図)民生小型LiB市場 2020年(セル数ベース:単位千セル)その他内訳
ノートPC向けセルは従来の円筒形からラミセルへのシフトが加速
2. 民生小型LiB セルタイプ別市場動向
円筒形セルのラミセル超えは2023年を予測
(図・表)民生小型LiB 形状タイプ別 出荷推移(電池容量)
(図・表)民生小型LiB 形状タイプ別 出荷推移(セル数)
(図・表)民生小型LiB 形状タイプ別 出荷推移(出荷金額:ドル)
3. 民生小型LiBメーカーシェア推移
トップシェア維持のSamsung SDI、追い上げるATL
シェア変動の背景には各社の戦略変更も
(表)民生小型LiB メーカーシェア推移(電池容量)
(表)民生小型LiB メーカーシェア推移(セル数)
(表)民生小型LiB メーカーシェア推移(出荷金額:ドル)
第2章 車載用LiB市場の現状と将来展望
1. 車載用LiB市場動向
2020年の車載用電池市場(NiMH、LiB)は前年比120%台で推移
(図・表)車載用電池(Ni-MH・LiB)市場規模推移
(市場予測 容量ベース:CY2016~CY2025、CY2030)
(図・表)車載用電池(Ni-MH・LiB)市場規模推移
(市場予測 金額ベース:CY2016~CY2025、CY2030)
2. 電池形状別車載用LiB市場動向
2020年、円筒角ラミ比率は2:5:3、今後はラミ比率が上昇の可能性
(表)市場ベース予測:世界車載用LiB形状別(円筒形・角形・ラミネート形)
市場規模推移(容量:CY2016~CY2025、CY2030)
(図)市場ベース予測:世界車載用LiB形状別市場規模推移
(容量:CY2016~CY2025、CY2030)
3. 車載用LiB市場メーカーシェア動向
独走を続けるCATLの一方で、前年割れ推移が目立つ中国勢
韓国3社は2020年大幅成長
(図・表)世界車載用LiB市場メーカーシェア推移(CY2017~CY2020)
第3章 リチウムイオン電池正極材市場の現状と将来展望
1.正極材市場の現状と将来展望
トップ維持のNCM、構成比上昇のLFP
1.正極材 全体市場動向
2020年、正極材市場規模は70万t超え
2021年Q1は中国で価格上昇の動き、今後は資源・正極材の需給バランス次第
(図・表)LiB正極材 世界市場規模 材料別推移(数量:2016年-2025年予測)
(図・表)LiB正極材 世界市場規模 材料別推移(金額:2016年-2025年予測)
(表)正極材 参考販売価格帯推移
2.セルサイズ別(民生用/中大型用)正極材市場動向
民生小型セル向け:車載メインの中大型セル向け比率は2020年時で25:75
2025年では中大型セル向けが8割超えを予測
(図・表)LiB正極材 セルサイズ別(民生小型セル/中大型セル)
世界市場規模推移(数量:2016年~2025年予測)
(図・表)LiB正極材 セルサイズ別(民生小型セル/中大型セル)
世界市場規模推移(金額:2016年~2025年予測)
3.主要正極材メーカーの生産能力推移
2020年の世界キャパは推計100万t超え/年まで拡大
(表)主要正極材メーカー 生産拠点・年間生産能力推移 一覧①~⑥
4.正極材市場 メーカーシェア推移
正極材全体トップシェアは厦钨新能源材料(XTC New Energy Materials)
住友金属鉱山、日亜化学工業が続く
(表)LiB正極材 メーカー別 世界市場規模 シェア推移 (数量:2016年-2020年)
(表)LiB正極材 メーカー別 世界市場規模 シェア推移 (金額:2016年-2020年)
5.国別 正極材シェア推移
LCO需要の伸び、LFP回帰の動きを含め、中国優位が継続
(図・表)正極材 世界市場規模 国別シェア推移(数量:2016年-2020年)
(図・表)正極材 世界市場規模 国別シェア推移(金額:2016年-2020年)
2.三元系正極材(NCM)市場
拡大基調の中に垣間見える今後の変化点
1.NCM全体市場動向
2020年で30万t超え、2025年には倍の規模を予測
(図・表)NCM 世界市場規模推移 (数量/金額:2016年―2025年予測)
今後、中長期視点での「LFP回帰」インパクトの可能性
セルメーカーとの連携強化の動きを含め、問われる自社の最適戦略
2.セルサイズ別(民生小型セル、中大型セル)NCM出荷動向
車載用セルを含む中大型セル向け成長率が
民生小型セル向け成長率を上回る状況を維持
(表)NCM セルサイズ別(民生小型/中大型)
世界市場規模推移(数量:2016年~2020年)
3.NCM市場メーカーシェア推移
引き続き日亜化学工業がトップシェア
(表)LiB正極材 三元系正極材(NCM)
世界市場規模 メーカーシェア推移(数量:2016年-2020年)
(表)LiB正極材 三元系正極材(NCM)
世界市場規模 メーカーシェア推移(金額:2016年-2020年)
(図)NCM メーカーシェア その他内訳(2020年)
4.主要NCMメーカーの生産能力推移
2021年以降も主要メーカーで能力増強が進む
(表)主要NCMメーカー 生産拠点・年間生産能力推移 一覧
Ecopro、POSCOはSamsung SDIと、新規参入のBTRは中韓セルメーカー共同で
正極材JVを設立、欧州ではBASF、ジョンソンマッセイの正極材拠点が胎動
5.NCM開発動向
2020年でNCM622+811の構成比は5割手前まで上昇
(図・表)NCM 市場 組成比別比率(2019年、2020年:出荷数量ベース)
ハイニッケル化仕切り直しの中国、ハイニッケル化加速の韓国
3.ニッケル酸リチウム(NCA)市場
ハイスペックが故の成長課題に直面
1.NCA 全体市場動向
2020年は成長率鈍化
(図・表)NCA 世界市場規模推移 (数量/金額:2016年 ― 2025年予測)
2.セルサイズ別(民生小型セル、中大型セル)NCA出荷動向
民生向けは成長率回復、車載用セル向けは前年割れで推移
(表)NCA セルサイズ別(民生小型/中大型)
世界市場規模推移(数量:2016年~2020年)
3.NCA市場メーカーシェア推移
主要メーカーは住友金属鉱山、エコプロの2社で変わらず
(表)LiB正極材料 ニッケル酸リチウム(NCA)
世界市場規模 メーカーシェア推移(数量:2016年-2020年)
(表)LiB正極材料 ニッケル酸リチウム(NCA)
世界市場規模 メーカーシェア推移(金額:2016年-2020年)
4.主要NCAメーカーの生産能力推移
NCAキャパ増強は需要動向に応じた手堅い動きに
(表)主要NCAメーカー 生産拠点・年間生産能力推移 一覧
4.コバルト酸リチウム(LCO)市場
スマホ頼みの停滞から一時脱却
1.LCO全体市場動向
2020年はコロナ禍でのリモート端末需要増が成長に寄与
(図・表)LCO 世界市場規模推移 (数量/金額:2016年 ― 2025年予測)
2.セルサイズ別(民生小型セル、中大型セル)LCO出荷動向、LCO開発動向
4.45V対応LCOが増加傾向、今後は4.46~4.47Vへシフトの向き
(表)LCO セルサイズ別(民生小型/中大型)
世界市場規模推移(数量:2016年~2020年)
(表)主要LCOプレーヤーにおける高電圧対応LCO動向(2020年)
3.LCO市場メーカーシェア推移
厦钨新能源材料(XTC)がトップ独走
(表)LiB正極材 コバルト酸リチウム(LCO)
世界市場規模 メーカーシェア推移(数量:2016年-2020年)
(表)LiB正極材 コバルト酸リチウム(LCO)
世界市場規模 メーカーシェア推移(金額:2016年-2020年)
4.主要LCOメーカーの生産能力推移
能力増強は上位プレーヤーを中心にしらばく限定的な動きとなる可能性
(表)主要LCOメーカー 生産拠点・年間生産能力推移 一覧
5.リン酸鉄リチウム(LFP)市場
一時的な停滞から復権、今後、更なるプレゼンス上昇の可能性
1.LFP 全体市場動向
2018年の停滞を経て、2019年、2020年は再び成長基調へ
(図・表)LFP 世界市場規模推移 (数量/金額:2016年 - 2025年予測)
2.セルサイズ別(民生小型セル、中大型セル)LFP出荷動向、LFP開発動向
中大型セル向けで高成長続く
(表)LFP セルサイズ別(民生小型/中大型)
世界市場規模推移(数量:2016年~2020年)
3.主要LFPメーカー動向
トップシェアの德方纳米科技(Dynanonic)は提携先拡大を推進
(図)LFPメーカーシェア(2020年)
4.主要LFPメーカーの生産能力推移
中国にてLFP能増は再活性化の向き
中長期的には欧米における動向も注目ポイントの1つに
(表)主要LFPメーカー 生産拠点・年間生産能力推移 一覧
6.マンガン酸リチウム(LMO)市場
中国のミドル~ローエンド需要で拡大
1.LMO 全体市場動向
2021年は7万t規模を予測
(図・表)LMO 世界市場規模推移 (数量/金額:2016年~2025年予測)
2.セルサイズ別(民生小型セル、中大型セル)LMO出荷動向、LMO開発動向
民生小型ではパワー系セル向けに需要増、車載用では物流車向けがメイン
(表)LMO セルサイズ別(民生小型/中大型)
世界市場規模推移(数量:2016年~2020年)
3.主要正極材メーカーにおけるLMO動向
引き続き中国ローカルメーカーが主役
4.主要正極材メーカーにおけるLMO生産能力推移
日韓でLMO能力増強の動きは見られず、中国で拡大の向き
(表)主要正極材メーカーにおけるLMO生産拠点・年間生産能力推移 一覧
第4章 正極材メーカーの動向と戦略
厦钨新能源材料有限公司(XTC New Energy Materials)
民生と車載向けの両軸で更なる成長を目指す
1. 出荷動向
2019~2020年にかけてLCO出荷が好調
(表)厦钨新能源材料 XTC New Energy Materials 正極材 出荷数量推移
(表)厦钨新能源材料 XTC New Energy Materials 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
2020年は約6万t/年まで拡張、2021年~2022年も引き続き増強予定
(表)厦钨新能源材料(XTC New Energy Materials)正極材 生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
(図)厦钨新能源材料(XTC New Energy Materials)Hi-Ni正極材 開発ロードマップ
Umicore N.V
正極材採用トレンド変化を見据え、戦略修正を図る
1. 出荷動向
2019年よりNCM622の出荷比率が増加傾向
(表)Umicore 正極材 出荷数量推移
(表)Umicore 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
欧州新拠点を中心に能力増強を推進
2021~2022年で17万5,000t体制を計画
(表)Umicore 正極材 生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
Ni比率8以上のハイニッケル正極材へ重心をシフト
Freeport Cobaltの買収で正極材の一貫生産体制を更に強化
湖南杉杉能源科技股份有限公司 (Hunan Shanshan Advanced Materials Co., Ltd.)
成長軌道へのシフトに向け前進
1. 出荷動向
2020年出荷数量は前年比120%台で推移
(表)湖南杉杉(ShanShan) 正極材 出荷数量推移
(表)湖南杉杉(ShanShan) 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
順次能増を実施し、2022年に計10万t/年超えの体制構築を目指す
(表)湖南杉杉(ShanShan) 正極材 生産拠点・生産能力推移
株式会社エコプロBM(EcoPro BM Co., Ltd.)
ハイニッケル正極を軸に、サプライチェーン川上への事業拡大も推進
LiBライフサイクル全般を手掛ける事業展開
(図)EcoProのバリューチェーン
1. 出荷動向
2020年出荷量は2018年比で2倍に拡大、2021年はNCMが伸張見込み
(表)エコプロ 正極材 出荷数量推移
(表)エコプロ 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
Samsung SDIとのJVを含め、2022年で10万t/年体制を計画
(表)エコプロ 正極材生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
北京当升材料科技股份有限公司(Beijing Easpring Material Technology Co., Ltd.)
車載用セル向けを軸に、中国の外へと供給エリアの拡大を推進
1. 出荷動向
2020年は海外向けNCM出荷が大幅増
(表)北京当升(Easpring)正極材 出荷数量推移
(表)北京当升(Easpring)正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
2023年で13~15万t/年までの能力拡張を計画
(表)北京当升(Easpring) 正極材 生産拠点・生産能力推移
(表)北京当升(Easpring) 前駆体 生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
NCM811、NCMAの開発を加速
北大先行科技産業有限公司(Pulead Technology Industry Co., Ltd.)
LFP回帰の波と共に再び成長路線へ
1. 出荷動向
2020年はLFP出荷を大きく伸ばす
(表)北大先行(Pulead)正極材 出荷数量推移
(表)北大先行(Pulead)正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
2022年を目途に生産能力の大幅増を計画
(表)北大先行(Pulead) 正極材 生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
圧着密度の向上を実現したLFP製品を主軸に展開
(表)北大先行(Pulead) LFP正極材 製品ラインナップ 代表例
株式会社L&F(L&F Co., Ltd.)
ハイニッケルNCM注力にシフト
1. 出荷動向
2021年以降、ハイニッケルNCMの出荷が拡大見込み
(表)L&F 正極材 出荷数量推移
(表)L&F 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
NCMAの生産体制構築を推進
(表)L&F 正極材 生産拠点・生産能力推移
株式会社田中化学研究所
xEV市場の次なる展開を見据えた事業展開を推進
1. 出荷動向
2019年の前年割れ推移に対し、2020年は車載向けを牽引役に出荷増へ
(表)田中化学研究所 前駆体 出荷数量推移
(表)田中化学研究所 正極材 出荷数量推移
(表)田中化学研究所 正極材 出荷金額推移
2. 生産拠点/生産能力動向
第三期分が完工し、2020年より5万t/年体制
(表)田中化学研究所 正極材生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
(図)田中化学研究所 正極材の技術開発の方向性
住友大阪セメント株式会社
LFPのカスタム対応力に強み
1. 出荷動向
2020年はコロナの影響を受け、前年割れ推移
ESS用セル向けは次なる展開を見据えた取り組みを推進
(表)住友大阪セメント LFP出荷量推移
2. 生産拠点/生産能力動向
(表)住友大阪セメント 正極材 生産拠点・生産能力推移
3. 研究開発動向/製品動向
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。