2020年度版 自動車・エレクトロニクス関連フィルム・シート市場の動向と展望 ~フィルム関連レポート総集編~
本レポートは、2020年度に発刊した弊社レポートの中から、自動車用加飾フィルム、車載ディスプレイ用機能性フィルム、車載ディスプレイ前面板、低誘電フィルム、Foldable端末カバー、MLCCリリースフィルム、CNFフィルムについての内容を抜粋し再編集しております。設備増強、販売見込みなどについては基本的に発刊時の状況のままと致しましたが、自動車内装用加飾フィルム、自動車外装用加飾フィルム、自動車内外装加飾用フィルム原反については市場規模などの算出が2019年末時点であったため、新型コロナウイルス感染症流行の影響を加味し、改めて推計致しました。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:国内外の自動車及びエレクトロニクス関連フィルム・シートメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、ワールドワイドの高機能フィルム市場における現状と今後の動向の把握を目的とする
調査対象
自動車内装用加飾フィルム(水圧転写フィルム、インモールド転写箔、INS 用フィルム、オーバーレイ成形用フィルム)
自動車外装用加飾フィルム(ブラックアウトフィルム、ルーフ用、パーツ用)
自動車用加飾フィルム原反、車載ディスプレイ前面板、車載用機能性フィルム
Foldable 端末用カバーフィルム、低誘電フィルム、MLCC リリースフィルム、CNF フィルム
調査期間:2019年11月~2020年11月
FCCL用PIフィルム世界市場に関する調査を実施(2020年)
2020年におけるFCCL用PIフィルムのメーカー世界出荷量は5,570tの見込
~サブ6帯域対応は量産開始し、ミリ波対応グレードのサンプルワークが進む~
●2020年のフィルム・シート需要は自動車用、エレクトロニクス用で明暗分かれる
●5G、CASEに加えSDGsの観点からの提案など、コロナ後の市場で勝ち抜くための需要探索と情報発信を!
- 自動車内装加飾:CASE対応、内装電装化、環境対応へのニーズが拡大
- 自動車外装加飾:電波透過性に続く「フィルム加飾の必然性」の提案を!
- 自動車加飾原反:表面硬度と成形性の両立、耐候性、耐薬品性の向上など用途と成形方法に最適化したグレード開発が進む
- 車載前面板:ガラスカバーはトップ2社が曲面対応を武器に市場を掌握。樹脂カバーはシート材が成長の一方、シームレス化で射出成形品も注目される
- 車載用光学フィルム:曲面・リワーク対応のモスアイ型フィルムの提案が活発化
- Foldableカバー:SECがUTG採用も透明PIフィルムは50万㎡/年規模に拡大
- 低誘電フィルム:MPI、LCPに加えPPS、さらにはPENも参戦へ
- MLCCリリースフィルム:2020年はコロナ禍の中でも活況を呈し大幅成長
- CNF:絶縁材料、生分解性デバイス、樹脂グレージングなどの用途開発が進展
※本レポートは矢野経済研究所が発刊した以下のレポートから自動車・エレクトロニクス関連の内容を抜粋・再編集したものです。
2019-2020年版 自動車用加飾フィルム市場の展望と戦略
2020年版セルロースナノファイバー市場の展望と戦略
2020年版車載ディスプレイ部材市場の展望と戦略
新版 高機能フィルム市場の展望と戦略2020
第1章 自動車・エレクトロニクス関連フィルム・シート市場の動向と展望
第2章 自動車関連フィルム・シート市場の動向
第3章 エレクトロニクス関連フィルム市場の動向
調査結果のポイント
第1章 自動車・エレクトロニクス関連フィルム・シート市場の動向と展望
アフターコロナの市場で勝ち抜くための需要探索と情報発信を!
2020年、フィルム・シート需要は自動車用、エレクトロニクス用で明暗
性能に加え価格や使い勝手など独自の価値の訴求がコロナ後の需要拡大につながる
(図)自動車内装用加飾フィルム市場規模推移(面積ベース)
(図)MLCCリリースフィルム市場規模推移
(図)FCCL用PIフィルム市場規模推移
自動車用フィルムはCASE、SDGsの観点からの提案を!
第2章 自動車関連フィルム・シート市場の動向
1.自動車内装用加飾フィルムの動向
CASE対応、内装電装化、環境対応へのニーズが拡大
機能性と車内快適性の両立を実現するソリューション提案が課題に
主要4地域の自動車生産台数に占める加飾率は2022年に約36%に達する見込み
欧、米、日の市場成熟の一方で中国の成長が市場を牽引
(図・表)主要地域の自動車生産台数における内装加飾の採用動向
(図・表)主要地域別自動車生産台数に占める内装加飾の動向
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2017年)
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2018年)
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2019年)
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2020年見込み)
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2021年予測)
(表)主要地域における内装加飾工法別採用動向(2022年予測)
(表)自動車内装用加飾 市場規模推移(台数ベース)
(表)自動車内装用加飾フィルム 市場規模推移(面積ベース)
1.水圧転写
環境対応を背景とした加飾のドライプロセス化や
コックピット周辺の電装化で逆風
(図・表)水圧転写フィルム市場規模推移
(図・表)自動車用水圧転写フィルム 地域別市場規模推移
(表)水圧転写フィルム 参入メーカー各社の販売量及びシェア推移
(表)主要自動車メーカーの水圧転写採用状況
2.成形同時加飾
(図)インモールド転写のプロセス
(図)INSのプロセス
2‐1.インモールド転写箔
2019年までは欧州、中国を中心に
350万㎡前後の市場規模で安定的に推移
2020年は大幅減少も自動車生産台数復活と共に持ち直す無込み
(図・表)インモールド転写箔市場規模推移
(図・表)インモールド転写箔 主要地域別市場規模推移
オーバーレイ成形の例③浅野研究所:TFH
(表)インモールド転写箔 主要メーカー別販売量推移
2‐2.INS用フィルム
形状自由度の高さと表面機能付与が評価され安定成長続く
車載ディスプレイの大型化で電装用の需要が急拡大
(図・表)自動車内装用INS加飾フィルム市場規模推移
(図・表)自動車用INS加飾フィルム 主要地域別市場規模推移
(図)加飾台数に占めるINS採用比率の推移(地域別)
(図)加飾台数に占めるINS採用比率推移(主要4地域合計)
デコレーション用中心のDNP、NISSHAが
CASE対応ソリューションの提案で巻き返し図る
共和レザーも光透過による「ハイテク感のある意匠」をEV車向けにアピール
(図・表)自動車用INS加飾フィルム(デコレーション)
主要メーカー別販売量推移
(図)DNP「シームレスデザインを実現できる次世代加飾パネル」
(図)NISSHA IME(In-mold Electronics)
電装用ではディスプレイ関連フィルム・シートで実績のあるコンバーターに強み
(図・表)自動車用INS加飾フィルム(電装用)
主要メーカー別販売量推移
3.オーバーレイ成形
加飾台数に占める採用率は1%台で頭打ちに、凹型対応、触感付与など
オーバーレイ成形ならではの提案に加え
転写などコストダウンへの提案で需要を掴め
(図)オーバーレイ成形の例① 布施真空:TOM
(図)オーバーレイ成形の例② ナビタスニイズ:NATS転写
(図)オーバーレイ成形の例③ 浅野研究所:TFH
(図)自動車加飾台数に占める子法別比較
(図・表)オーバーレイ成形用加飾フィルム市場規模推移
高い成形性を持つプレキュアHCフィルム、高触感フィルムなど
オーバーレイ成形をターゲットとしたフィルム開発が進展
(図・表)オーバーレイ成形用加飾フィルム 主要地域別市場規模推移
(表)3次元加飾工法の比較
(表)自動車メーカーの内装加飾採用状況
2.自動車外装用加飾フィルム市場の動向
電波透過性に続く「フィルム加飾の必然性」の提案を!
自動運転・EV化が注目される中、塗装代替の開発優先順位は一時低下
SDGs対応や温暖化対策進展で塗装工程でのCO2排出削減効果の訴求に期待
(図・表)自動車外装用フィルム 部位別需要動向推移
ブラックアウトフィルムの需要は自動車生産台数にリンクした動き
ルーフ用ではさらなる工程効率化につながる
ドライプロセスの開発で拡大に期待
(図・表)ブラックアウトフィルム 需要動向推移
(図・表)ルーフ用加飾フィルム 需要動向推移
電波透過ニーズの拡大でメッキ代替の金属調加飾フィルムが急成長
(図・表)外装パーツ用加飾フィルム需要動向推移
3.自動車内外装加飾フィルム原反市場の動向
表面硬度と成形性の両立、耐候性、耐薬品性の向上など
用途と成形方法に最適化したグレード開発が進む
(表)自動車内外装加飾原反市場規模
1.PMMAフィルム
内装デコレーション部品向けのスタンダード
高光沢とグラビア印刷対応で高レベルの意匠表現を実現
2.PC系フィルム
衝突安全性の高さで電装部品向けの需要を確保
耐擦傷性を付与したPC/PMMA共押出品が拡大
3.PETフィルム
電波透過・光透過ニーズに対応する金属フリーの
「PICASUS®」が内装、外装で実績確保
4.PPフィルム
軽量化とリサイクル性向上を武器にPPフィルム「ピュアサーモ®」が
積極的な提案活動を実施
4.車載用前面板市場
2020年の市場規模は大幅マイナスも
2021年は新たなディスプレイ搭載拡大によるV字回復に期待
ガラス:樹脂の比率は2019年以降、概ね6:4で安定
(図・表)車載用前面板市場規模
(表)車載ディスプレイ及びTP用ガラスカバータイプ別市場規模推移
(図)車載用前面板市場規模
車載ディスプレイカバーではAGC、コーニングの2強が市場を掌握
AGCが世界初の曲面ガラス量産化でリードも、
コーニングが室温での曲げ加工を武器に猛追
(表)車載ディスプレイ及びTP用ガラスカバーの製造プロセス別メーカー一覧表
樹脂シートカバー(表面処理済)では樹脂から一貫生産体制の三菱ガス化学と
スパッタAR技術を持つMSKの2強体制に
(表)車載ディスプレイ及びTP用樹脂カバーの製造プロセス別メーカー一覧表
(表)車載ディスプレイ及びTP用樹脂シート(AR、AG、AFR等HC加工済)
メーカー別出荷量推移
車載用プラスチックシートは
クラレ、住化アクリル販売、帝人の日系3社が押さえる
大型化、ダイレクトボンディング化で2種3層品、厚肉品の需要が拡大
(表)車載ディスプレイ及びTP用樹脂シート(原板) メーカー別出荷量推移
曲面化とシームレス化で成形カバーも注目される
(表)車載用成形品(カーナビなどの電装品向け)メーカー一覧
(表)車載用カバー価格比較(2020年春時点)
5.車載用光学フィルム市場
運転安全性確保のため反射防止、防眩、防汚などの機能を付与する
光学フィルムの重要性が増す
曲面やリワークに対応するモスアイ型反射防止フィルムの提案が活発化
(図)デクセリアルズの反射防止フィルム製品構造
第3章 エレクトロニクス関連フィルム市場の動向
1.Foldable端末用カバーフィルム
サイズ・形状の多様化でFoldable市場は本格形成期へ
SEC、Huaweiに続きMotorolaが参入
2020年の市場規模は260万台、2021年には1,000万台に迫る勢い
(表)Foldable端末製品一覧
(図)Foldableスマートフォン市場規模予測
Foldable端末最大手のSECはカバー材料を
フィルムからUltra Thin Glass(UTG)に変更
現在はSCHOTTのみ参入もガラスメーカー各社の開発動向が注目される
(図)Fodableスマートフォンカバー用 PIフィルム市場規模予測
(表)Foldableスマートフォンカバーの構成
(表)Foldable端末のカバー用PIフィルムメーカーのHC処理状況
(表)透明PIフィルム 価格動向
(表)透明PIフィルム 主要メーカー各社の生産体制
アラミドフィルム、ウレタンフィルム、耐屈曲性PETフィルムなど
Foldableカバーでの採用を目指した新たなフィルムが続々登場
(表)Foldable端末カバー材料の特性比較
2.低誘電フィルム
MPI、LCPに加えPPS、さらにはPENも参戦
2021年以降のスマートフォンは5G対応がスタンダードに
(表)5Gスマートフォン出荷動向
5GでもPI使用のニーズに応えるMPI、
2019年はポリマー改質によるサブ6対応が進展
2020年にはフッ素複合化によるミリ波対応グレードも登場
(表)FPC基板材料 特性比較
LCPは超低吸水による環境を問わない伝送信頼性に自信
PPS、PENなどを新たな低誘電基板材料として提案する動きも
PIフィルムメーカー各社が5G対応グレードをラインナップ
サブ6対応は量産も始まり、ミリ波対応グレードのサンプルワークが進む
(表)PIフィルム 主要アプリケーション別市場規模推移(重量ベース)
(表)PIフィルム 主要アプリケーション別市場規模推移(面積ベース)
(表)主要PIフィルムメーカー 販売量推移(重量ベース)
(表)主要PIフィルムメーカー 販売量推移(面積ベース)
(表)PIメーカー各社の低誘電グレード
(表)PIフィルム主要メーカー各社の生産体制
クラレ、村田製作所、住友化学に次いで
デンカが5G基板向けLCPフィルムに参入
(表)LCPフィルム 主要メーカーの動向
3.MLCCリリースフィルム
2020年の市場規模は20億㎡に達する見込み
2019年の大幅減から一転、2020年はコロナ禍の中でも
需要は活況を呈し大幅成長へ
(図・表)MLCC用リリースフィルム市場規模推移
2020年以降の市場拡大で
2017~2018の需給逼迫を受け実施された
各社のライン増設・能力増強が真価を発揮
(表)主要MLCCリリースフィルムメーカー各社の生産体制
(表)主要MLCCリリースフィルムメーカー各社の能力増強
原反PETフィルムは東レグループが50%を超えるシェアを確保
2位の東洋紡グループはボリュームゾーン~ハイエンドまで
全方位展開で20%前後のシェアに
(図・表)MLCCC用リリースフィルム原反(PETフィルム)市場規模推移
(図・表)MLCC用リリースフィルム原反(PETフィルム)メーカー別販売量推移
高付加価値のハイエンド品とローエンドグレードは価格に約2倍の開き
高レベルの表面改質コーティング技術を持つリンテックは収益性で強み見せる
(表)MLCC用リリースフィルム価格動向
専業コンバーター、原反メーカーの加工事業がそれぞれ得意分野を活かして展開
(図・表)MLCC用リリースフィルム メーカー別販売量推移
(表)主要MLCCリリースフィルムメーカーの原反調達体制
(図・表)セラミックコンデンサー主要メーカーにおける
リリースフィルムメーカーシェア(2018年)
(図・表)セラミックコンデンサー主要メーカーにおける
リリースフィルムメーカーシェア(2019年)
(図・表)セラミックコンデンサー主要メーカーにおける
リリースフィルムメーカーシェア(2020年)
4.セルロースナノファイバーフィルム・シート
国の後押しによる開発は一段落、市販品への採用例も増加し
CNFは用途開発から需要拡大を探る時期へと移行
(図・表)CNF生産キャパ推移
絶縁材料、生分解性デバイスなどエレクトロニクス関連での用途開発が進展
王子HD、花王など化学的解繊で展開するCNFメーカーが
樹脂グレージング実現に向け透明樹脂との複合化に取り組む
(表)CNFの川下展開
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