2022年版 植物工場の市場実態と将来展望
高齢化・後継者不足による農業人口の減少は、国内農業の喫緊の課題のひとつである。大規模経営での省力・低コスト生産体系の確立、民間の技術力やICT・ロボット・センサー技術、IOTなどの先端技術の活用が推進され、食品や中食、外食業などの様々な企業との連携を通じた6次産業化への転換が急務とされている。
こうした中、植物工場は、季節や天候に左右されずに安定生産が可能であり、単位面積あたりの高い生産性を実現できることから、異業種からの参入も多い。農林水産省の調べでは2022年2月時点で全国に190施設（人工光型）となり、2012年3月時点の106箇所と比較し、その数は約2倍にまで拡大してきている。
一方、生産業者においては、温湿度管理や作業管理のような「栽培技術の向上」、単価向上・安定的取引先の確保といった「取引関係の構築」など、経営に資する様々な課題が優先して解決すべき事項として取り上げられる等、植物工場は、本格的な産業形成に向けた途中の段階にあると考えられる。
本調査レポートでは、有力植物工場事業者・資材コンサルティング関連企業の取り組み状況を調査分析することで、こうした現状の課題や解決への方向性を明らかにし、今後の市場性を展望することを目的とする。
発刊日
2022/06/30
体裁
A4 / 391頁
資料コード
C64104600
PDFサイズ
22.9MB
PDFの基本仕様
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※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
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カテゴリ
調査資料詳細データ
調査概要
調査結果サマリー
資料ポイント
調査目的：当調査は、完全人工光型植物工場の運営事業者・プラントメーカーの事業戦略および取扱商品の動向を調査・分析し、植物工場市場の現状と今後の市場見通しを明らかにすることを目的とする。
調査対象事業・商品：
・完全人工光型植物工場での生産野菜
・完全人工光型植物工場の建屋および屋内関連資材
調査対象企業・団体：本事業に参入する企業および研究機関
調査方法：弊社専門研究員による直接面接取材及び電話、メール等による間接調査。アンケートによる電話調査
調査期間：2022年4月～2022年6月
植物工場市場に関する調査を実施（2022年）
2022年度の完全人工光型植物工場の運営市場規模は、生産者出荷金額ベースで前年度比126.0%の見込
～天候不順の激化により露地野菜の調達相場は乱高下、供給量・品質の安定した植物工場産野菜の需要が拡大～
- 日本国内有力企業（植物工場事業者、プラントメーカー・関連企業）の、現状の取り組みを紹介
- 植物工場の市場規模推移（事業者売上高・建設工事売上高）を2026年度まで明らかに
- 前回版との違い：コロナショックに際し、衛生面が担保された生産環境でますます注目を集める植物工場の動向を紹介
リサーチ内容
第１章 植物工場を取り巻く環境
1．植物工場の社会的ニーズ ～世界的なニーズ、日本国内のニーズともに高まる～
(1)植物工場の概要 ～季節や天候を問わず、野菜などの植物を計画的に安定生産～
(2)世界的なニーズ ～食料需要の増加、SDGs、食料安全保障などに寄与～
①世界人口の増加に伴う食料需要の増加 ～急激な人口増加を受け需要量急増～
②植物工場に関するSDGｓ（Sustainable Development Goals）ターゲット
～持続可能性に配慮した消費行動が一般化～
③新型コロナウイルス、ウクライナ侵攻で注目高まる植物工場
～食糧安全保障に期待大～
④農業大国アメリカで植物工場産野菜のニーズ拡大
～食の安心・安全と安定供給～
(3)日本国内のニーズ ～農業従事者の現状と生産の概要～
①日本の農業従事者の現状・食糧自給率推移
～農業就労人口が減少・高齢化、自給率は低下傾向で推移～
②露地野菜・施設園芸野菜の作付面積・出荷量 ～増加傾向で推移～
2．植物工場事業への新規参入、新工場建設の動向 ～工場数は10年間で約2倍に～
(1)稼働状況 ～大規模植物工場が全国各地で稼働～
①完全人工光型植物工場の施設数推移（2012年～2022年）
②日産1万株以上の主要な大規模植物工場事例
(2)今後の主な植物工場計画 ～葉物野菜のほかイチゴやホウレンソウの計画も～
(3)新設計画事例紹介 ～脱炭素や省エネの取り組みも～
①TSUNAGU Community Farm（中部電力・日本エスコン・スプレッドが出資）
～「テクノファーム袋井」で日産10トンのレタスを生産～
②ブロックファーム合同会社
～菱電商事、ファームシップの合弁会社がホウレンソウの大量生産に取り組む～
(4)植物工場における法規制 ～一部用途で植物工場の建設緩和～
(5)植物工場建設の際、利用可能な主な助成制度
～新規事業に対する手厚い負担も～
(6)認証制度
～植物工場にJAS 品質管理を認証、GLOBAL G.A.Pの認証取得が加速～
(7)コンビニエンスストア・外食で拡大する業務用需要
①セブン&アイ・ホールディングス
～「相模原ベジタブルプラント」がASIAGAP取得、持続可能な調達を加速～
②ファミリーマート ～サステナビリティ重要課題への取り組みを推進～
③スーパーやレストランで「店産店消」の需要が好調
～施設内で栽培した新鮮な野菜を提供～
④植物工場産野菜の利便性が外食産業でも好評
～メニューへの導入活発化～
(8)農福連携 ～障がい者雇用の創出で関心を集める植物工場～
①農福連携が注目される背景 ～障がい者の法定雇用率引き上げ～
②主な農福連携事例一覧 ～植物工場事業を通じて、障がい者支援等の取組み～
③事例１ スパイスキューブ株式会社の取り組み ～地産地消型モデルを推奨～
④事例２ 株式会社スクールファーム河辺の取り組み
～植物工場産タラノメは柔らかく苦みが少ないと好評～
(9)特定非営利活動法人 植物工場研究会の取り組み
～植物工場施設の運営管理を支援、学術と産業界の連携促進に注力～
第２章 有力植物工場運営事業者の動向
1．栽培品目の動向 ～有望な新品目～
(1)現状の栽培品目動向 ～完全人工光型ではレタス類が最多～
(2)イチゴ ～技術革新が進み植物工場で季節を問わず安定的に生産可能～
①イチゴの栽培面積・出荷量（2016～2020年）
②イチゴの月別入荷量・平均価格・産地別取扱実績（2021年度）
③イチゴの輸出数量と輸出国別割合（2017～2021年度）
④イチゴの輸入数量と輸入国別割合（2017～2021年度）
⑤植物工場のイチゴ参入事業者事例～日清紡、NTT西日本、MD-Farm、スプレッドなど～
(3)ホウレンソウ
①冷凍ホウレンソウ輸入（数量）推移（2017～2021年度）
②ホウレンソウ（用途別出荷量）推移（2016～2020年）
③植物工場のホウレンソウ参入事業者事例 ～ブロックファーム、日本山村硝子～
(4)エディブルフラワー ～見た目で目を引く存在として近年注目を集める～
①なばな・食用ゆり・食用ぎく 出荷量推移（全体・生食用・加工用）（2010～2018年）
②食用ぎくの月別入荷量・平均価格・産地別取扱実績（2021年度）
③植物工場のエディブルフラワー参入事業者事例～dot scienceが丸和製作所と生産～
(5)ワサビ ～栽培面積・生産量の減少により植物工場産に注目が集まる～
①ワサビの栽培面積・生産量推移（2006～2020年）
②植物工場のワサビ参入事業者事例
2．カット野菜等の消費動向 ～生活の変化によって高まるカット野菜需要～
3．植物工場計画中止事例
4．植物工場成功事例 ～黒字転換に成功した運営事業者のビジネスモデル～
(1)スプレッド ～関西発で国内最大級の植物工場を運営～
①売上推移と展開工場の概要
②導入店舗数（地域別・導入企業別）
③自動化・リサイクル技術を導入し、運営コスト削減を実現「テクノファームけいはんな」
④今後の方向性 ～自社生産以外にもパートナーシップ事業に注力～
(2)木田屋商店 ～初期投資を抑え大規模生産の立ち上げに成功。アライアンスを拡大～
①売上推移と展開工場の概要
②露地野菜並みの小売価格を実現
③助成制度を利用しイニシャルコスト削減
④ランニングコスト削減
⑤混載やアライアンス先との共同輸送で物流コスト削減
⑥海外展開
(3)バイテックベジタブルファクトリー～全国展開することで供給不可リスクを回避～
5．植物工場野菜における販売動向
(1)主要企業の販売動向一覧（2021年度）
(2)植物工場産野菜（リーフレタス）の店頭価格の変化
(3)コンビニのサンドイッチやサラダ惣菜など業務用需要が伸長
(4)主要企業の販売動向
6．国内の植物工場事業者の海外展開動向 ～国内事業者へは各国からの問い合わせも～
7．海外における主な植物工場事業者の動向
(1)植物工場事業者の動向 ～巨額な資金を集める植物工場事業～
(2)海外の植物工場注目参入事業者（25社）～世界各地のスタートアップ企業が生産～
1.AEROFARMS（アメリカ）
2.ALGA FARM（韓国）
3.Badia Farms（アラブ首長国連邦）
4.Bowery Farming（アメリカ）
5.Crop One（アメリカ）
6.80 Acres Farms（アメリカ）
7.Farm 8（韓国）
8.Firmmit（韓国）
9.Freight Farms（アメリカ）
10.Green Sense Farms（アメリカ）
11.Growing Underground（イギリス）
12.infarm - Indoor Urban Farming B.V. （オランダ）
13.Jones Food Company（イギリス）
14.LettUs Grow（イギリス）
15.NextOn（韓国）
16.N.THING（韓国）
17.Oishii Farm（アメリカ）
18.Pink Farms（ブラジル）
19.Plenty（アメリカ）
20.SANANBIO-Fujian Sanan Sino-Science Photobiotech Co.,Ltd.（中国）
21.SATIVUS TECH CORP（イスラエル）
22.Sustenir（シンガポール）
23.Tower Farm（フランス）
24.Urban Crop Solutions（ベルギー）
25.Vertical roots（アメリカ）
8．主要な海外の植物工場事業者一覧表
第３章 有力植物工場資材・プラントメーカーの動向
1．植物工場関連資材・システム市場の動向
(1)植物工場プラントにおける導入フロー
(2)省エネ・低コスト資材
(3)環境制御システム
(4)植物用LED照明
2．自動化システム市場の動向
(1)自動化システムが求められている背景
(2)自動化システムの導入効果
(3)主要参入企業
(4)注目参入企業
①キヤノン電子
②FAMS（ファムス）
③HarvestX（ハーベストエックス）
3．資材・コンサルティング事業者における標準化の動向
4．資材・コンサルティング事業者における海外展開の動向
第４章 植物工場運営事業者へのアンケート調査
1．アンケート回収結果
2．回答企業属性
3．直近の決算（営業利益ベース）
4．事業が安定化するまでの年数
5．生産コスト上昇による経営への影響
6．生産コスト上昇の具体的な影響
(1)生産コスト上昇が経営に与えた影響
(2)生産コスト上昇について具体的な対策
7．導入している植物育成用光源
8．今後の経営（生産規模）拡大の意向
9．その他、植物工場に関する自由意見
＜完全人工光型植物工場 アンケート個別調査票＞（62社）
1）（株）旭物産
2）（株）エフ＆エフ
4）（株）クリエイト光
7）（株）ミスズライフ
14）（有）中川産業
15）（株）KiMiDoRi
16）（株）NOUMANN
17）（株）Shune365
18）（株）YASAI
19）（株）アップルファーム
24）（株）ぐしけん
37）（株）晃商
41）（株）土屋特殊農機具製作所
42）（株）東部環境
43）（株）那賀ベジタブル
44）（株）夢ファーム有漢
45）（株）木田屋商店
47）（有）アーバンファーム
48）（有）アーバンファーム
56）ELFIE GREEN（株）
65）あずまー植物工場（株）
66）彩菜生活合同会社
68）いちごカンパニー（株）
69）エスペックミック（株）
73）（株）A-Plus
74）（株）Misumi
76）（株）オーレック
77）（株）パスカル
78）（株）モレラ
85）（株）西渕スレート工業所
88）（株）平尾工務店
90）（株）フレデリッシュ
91）（株）ベジノーバ
92）（株）丸和製作所
97）グローアンドグロー（株）
100）タイヨー電子（株）
101）デリシャス・クック（株）
102）特定非営利活動法人ワン・ファーム・ランド
103）特定非営利活動法人ソーシャルハウス
109）ヒューマンライフケア（株）
110）フタバ食品（株）
111）プライムデリカ（株）
112）南大東村役場
117）（株）ユニファーム
119）愛ファクトリー（株）
120）旭テクノプラント（株）
134）協栄興業（株）
135）恒次工業（株）
137）三菱ガス化学（株）
138）四国計測工業（株）
139）社会福祉法人 旭川光風会
140）社会福祉法人 南陽園
146）就労継続支援B型事業所グリーンカフェ
147）小橋電機（株）
150）上板町 技の館
153）東海西濃運輸（株）アグリカルチャー事業部
156）日清紡ホールディングス（株）
157）日清紡ホールディングス（株）
159）日本ガス（株）
160）日本山村硝子（株）関西本社
169）豊田鉄工（株）
171）名水美人ファクトリー（株）
第５章 植物工場の将来展望
1．植物工場レタス類の市場規模推移・運営事業者（金額ベース）
＜2018～2026年度予測＞
2．植物工場レタス類の市場規模推移・運営事業者（重量ベース）
＜2018～2026年度予測＞
3．レタス類の業種別需要動向（スーパー、コンビニエンスストア、外食、中食、その他）
4．完全人工光型植物工場レタス類の需要シェア（2021年度）
5．主要植物工場運営事業者のレタス関連売上高構成比（2021年度）
6．植物工場野菜の流通フロー
(1)市販向け（小売）
(2)業務用（コンビニエンスストア、外食、中食など）
(3)今後の有望品目 植物工場事業者におけるイチゴ・ホウレンソウ生産量の推移（生産者出荷ベース）
＜2018～2026年度予測＞
7．植物工場・建設工事市場＜ストックベース（建屋＋屋内関連資材）＞
＜2018～2026年度予測＞
8．植物工場の今後の方向性
第６章 有力参入企業の個別動向（32社）
＜植物工場運営事業者＞（14社）
アグリト株式会社
～「美浜から美野菜」を出荷、栽培試験の実施でより高性能な植物工場を目指す～
株式会社伊東屋
～都心のビルで葉物野菜の生産から消費まで管理～
Infarm - Indoor Urban Farming Japan株式会社
～欧州発のインストア型スマート野菜栽培ユニットを日本国内で展開～
MGCファーミックス株式会社
～完全人工光型植物工場でレタスなどの大規模生産に取り組む～
MD-Farm株式会社
～「連続開花」を実現した栽培技術などで閉鎖型植物工場でのイチゴ生産をけん引～
株式会社木田屋商店
～植物工場で全国規模のアライアンスを拡大、中国でも需要開拓に取り組む～
近鉄不動産株式会社
～「近鉄ふぁーむ花吉野」において糖度を高めたトマトや水耕栽培レタスを生産～
株式会社ＫＮＧファーム
～かん水フルボ酸を使用した植物工場レタスの栽培を実施～
株式会社スプレッド（アースサイドグループ）
～次世代型植物工場が稼働開始、人工光型植物工場のさらなる可能性を追求～
dot science株式会社
～世界初、完全閉鎖型植物工場で通年出荷ができる食用バラの栽培に成功～
株式会社NEXTAGE
～ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ。ワサビの自動栽培ソリューションを開発～
有限会社 新日邦808FACTORY
～テレビCMによる植物工場野菜のプロモーションが話題に～
株式会社フレデリッシュ
～水力発電使用の「ゼロカーボン・レタス」で、環境への貢献を目指す～
MIRAI 株式会社
～国内・海外へ設備・技術・運営支援を実施。人的資源の拡充を進める～
＜プラントメーカー・関連企業＞（18社）
エスペックミック株式会社
～完全閉鎖型植物工場「Farm & Factory TAMURA」に自動化植物工場を納入～
株式会社大橋製作所
～匠の技術と先端技術の融合により、技術革新へ挑戦～
キヤノン電子株式会社
～プリンターの生産機器で培ったロボット技術を活用、植物工場の全自動化へ注力～
株式会社クレオテクノロジー
～新型水光栽培™システム AN™で低コスト植物工場システムを実現～
シグニファイジャパン合同会社
～LED照明は省エネ化を推進、2022年は高軒高ハウス向けモデルを投入～
シンフォニアテクノロジー株式会社
～イチゴなど高価格帯の作物に注目した植物工場の設備を販売～
大成建設株式会社
～大規模工事のいらない放射式植物栽培ユニットを展開～
大和ハウス工業株式会社
～大規模な事業化への対応も可能な植物工場システムを販売～
東洋紡エンジニアリング株式会社
～“持続可能な植物工場の提供”をコンセプトに植物工場をトータルデザイン～
トヨタ紡織株式会社
～月のリズムを用いて植物工場の生産性向上に貢献～
HarvestX株式会社
～高精度なイチゴ授粉ロボットで、収量アップとハチ不要の栽培方法の確立へ～
株式会社ファームシップ
～最先端技術を活用し、生産と流通の最適化で農と食の未来を創造～
プランツラボラトリー株式会社
～屋内農場システム「PUTFARM」で店産店消を実現。東北電力と資本業務提携しSDGsに寄与～
株式会社プランテックス
～密閉方式の栽培装置を開発、大手スーパーとの事業提携により量産工場立上へ～
株式会社ベジ・ファクトリー（大気社グループ）
～自社工場の運営を開始し、自ら植物工場野菜の需要を掘り起こす～
三菱ケミカル アクア・ソリューションズ株式会社
～新型水光栽培システムにより低生菌・大玉の生産システムを実現～
株式会社森久エンジニアリング
～第2工場増設の篠山工場：MJベジタブル1号がフル稼働・全量出荷～
日本アドバンストアグリ株式会社
～3波長型ワイドバンドLEDを主力に展開、大規模施設向けの認知度拡大を図る～
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