ブロックチェーンを活用した次世代モビリティ産業の将来像 -MOBI/サステナビリティ/データ共有
EV自動車の中でもEVバッテリーは、複数のレアメタルが使われているものの、鉱山での採掘が難しく、都市鉱山よりレアメタルを回収、再利用する動きが活発化している。特にSDGsを背景に欧州委員会のバッテリー規則やバッテリーパスポートの導入が迫るなか、EVバッテリーに係る鉱山からの採掘から製造、販売、リユース、リサイクルに至るまでの一貫した流れをトレースする手段としてブロックチェーンの活用に注目が集まっている。実際にMOBIをはじめとした動きも出てきている。
特にEVバッテリーはOEMにとって大きな差別化要因となるため、従来、バッテリーの使用履歴などのデータはOEMを中心としたクローズドなSCMのなかでのみ取扱われてきた。しかしながら、ブロックチェーンを活用することで、データのオープン化が可能となるため、劣化診断や寿命診断などについて、より高精度な予測の実現が期待されている。
劣化診断や寿命診断は中古車の査定やBaaSなど各種サービスにも影響を与える可能性があるなど、ブロックチェーンによるデータのオープン化はモビリティ産業にとって大きな影響を及ぼすことが期待される。
本レポートでは、EVバッテリーを巡るデータの動きについて、現状の動向と合わせてブロックチェーンを活用した際のデータの流れに係る仮説を提示することを試みた。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:本レポートでは、EV 自動車を対象に MOBI(Mobility Open Blockchain Initiative)の動向を踏まえて、ブロックチェーンの活用先を検討したうえで、活用先候補である EV バッテリーを巡る現状およびブロックチェーンを適用した際の将来像について仮説を示すことを目的としている。
調査対象:MOBI参画企業 4社 + MOBIに参画していない企業 4社 = 合計8社
調査方法:弊社研究員による直接面談取材、文献調査など
調査期間:2022年11月~2023年3月
EV自動車におけるブロックチェーン活用の範囲:
EV自動車は、大きく「電池と車載充電器などの車載電池システム(バッテリー)」、「モーターとモーターの制御装置で構成されるパワーユニット」、「動力を車輪に伝達するドライブトレーン」から構成される。
この3つのうち、特にバッテリーには数種類のレアメタルが含まれる。こうしたレアメタルは、輸入に頼らざるを得ないうえに、政情不安を抱える国があり、供給の不確実性にさらされている。そこで「都市鉱山」と呼ばれる廃棄された電子機器からレアメタルを回収、再利用に繋げる動きが積極化してきている。
本稿では、EV自動車のうち、バッテリーに焦点を絞ったうえで、レアメタルについて鉱山からの採掘から製造、販売、リユース、リサイクルに至るまでの一貫した流れをトレースするための手段として、ブロックチェーンの活用が適していると考えられている。
車載用EVバッテリーにおけるブロックチェーン活用可能性に関する調査を実施(2023年)
車載用バッテリーを巡るデータのオープン化についてブロックチェーンを活用した際の仮説を提示
- EVバッテリーのトレースにおいてブロックチェーンを活用した際のデータ流通に関する仮説
- EVバッテリーに係る従来のクローズドなデータの流通状況
- MOBIに関する動向および取材先におけるMOBIへの加盟の狙い
- MOBI加盟企業およびEVバッテリーを巡る周辺企業に取材、企業個票として掲載
調査結果のポイント
第1章 EVバッテリーを巡る現状と課題
第2章 MOBIの役割と現状
第3章 EV車におけるブロックチェーン活用可能性
第4章 個別企業の実態
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