調査結果のポイント
1.市場動向
2.次世代電池プレーヤーの取り組み
3.展望と課題
第1章 酸化物系全固体LIB
酸化物系固体電解質は液系LIBや次世代電池向け材料供給も照準に
一方、半固体電池で市場投入を急ぐ動きが活発化
1.はじめに
1-1.酸化物系全固LIBの動向
1-2.レドックスフロー電池の特徴
2.酸化物系全固体LIBの市場見通し
2-1.日本における動向
2-2.韓国における動向
2-3.その他動向
2-4.酸化物系全固体LIBの市場規模予測
【図・表1. 酸化物系全固体LIBのWW市場規模推移・予測】
【図・表2. 酸化物系全固体LIBのタイプ別市場規模予測(金額:2030、2035年予測)】
3.注目企業・研究機関の取り組み
FDK株式会社
全固体電池、ニッケル亜鉛電池、共に次の生産フェーズへの移行を推進
【表1. FDK ニッケル亜鉛電池 基本仕様】
【表2. FDK 酸化物系全固体電池 製品特性】
【表3. FDK 充電回路内蔵 全固体電池モジュール(参考品) 製品特性】
株式会社オハラ
酸化物系ガラスセラミックス固体電解質の本格量産に向けた動き加速
LIB正極材の添加剤、次世代電池セパ向けに2つのソリューションを推進
【図. LICGCTM焼結体-01のイオン伝導度(AG-01との比較】
日本特殊陶業株式会社
長期ビジョンでのLLZの多面的展開を推進
【表1. 日本特殊陶業 酸化物系全固体電池 参考スペック】
【表2. 日本特殊陶業LLZ-Mg,Srの特性】
【表3. 日本特殊陶業LLZ-Mg,Sr 形態別 材料サンプルラインナップ】
【表4. 日本特殊陶業 リチウムイオンキャパシタ 製品特性】
第2章 硫化物系全固体LIB/高分子系全固体LIB
車載用で注目度上昇の硫化物系、足元は小型・小容量タイプ市場から始動
高分子系は次世代品の開発フェーズへ
1.はじめに
1-1.硫化物系全固体LIBが持つポテンシャル
1-2.硫化物系固体電解質の動向、高分子系固体電解質の動向
【図1. 全固体電池の構成模式図】
①硫化物系固体電解質
②高分子系固体電解質
2.硫化物系全固体LIB/高分子系全固体LIBの市場見通し
2-1.日本における動向
2-2.韓国における動向
2-3.その他動向
2-4.硫化物系全固体LIB/高分子系全固体LIBの市場規模予測
【図・表1. 硫化物系全固体LIB/高分子系全固体LIBのWW市場規模推移・予測】
【図・表2. 2030年、2035年 硫化物系全固体LIB/
高分子系全固体LIB 市場規模予測における用途分類大別】
3.注目企業・研究機関の取り組み
マクセル株式会社
FA向けを皮切りに硫化物系全固体電池の量産で先行
全固体電池だからこそ実現可能な更なる用途展開を推進
【図表. マクセル全固体電池 PSB401010H(8.0mAh)】
日立造船株式会社
加圧・成膜・粉体加工の独自技術の組合せに強み
宇宙空間での実証に続き、初の商業ベース受注を獲得
【表. 日立造船 「AS-LiB®」ラインナップ】
出光興産株式会社
量産化に向けた実証を着実に推進
トヨタ自動車との協業により車載用ターゲットの取り組みが更に進展
株式会社大阪ソーダ
特殊ゴム事業の独自技術を武器に電池材料を展開、液系LIBから全固体LIBまで
幅広く材料提案、研究開発を展開
株式会社LGエナジーソリューション(LG Energy Solution,Ltd.)
高分子系全固体電池を皮切りに、リチウム硫黄電池、硫化物系全固体電池の
製品化・生産開始を2030年までに目指す
【図1. LGエナジーソリューションの全固体電池開発ロードマップ】
【図2. LGES-UCSDが共同開発した全固体電池の構造】
【図3. LGES-KAISTが共同開発したリチウム金属電池の構造】
サムスンSDI株式会社(Samsung SDI Co.,Ltd.)
2023年より自動車OEM向けに硫化物系全固体電池のサンプル評価を開始
2024年には事業化推進チームを新設
【図1. Samsung SDIの全固体電池セルデザイン及び材料】
【図2. ハイニッケルLIB搭載の車と全固体電池を搭載した車の重量・車内空間の比較】
【図3. Samsung SDIの車載用セルプロモーションターゲットの区分】
SK on株式会社(SK on Co.,Ltd.)
硫化物系全固体、高分子系と酸化物系のハイブリッド型等の開発を推進
【図1. SK onのハイニッケル技術ロードマップ】
【図2. SK onの全固体電池開発ロードマップ】
第3章 ナトリウム二次電池
NAS電池が市場を牽引、NIBはLi価格下落の影響を受け、
市場の立ち上がり時期は後ろ倒しの向き動向
1.はじめに
1-1.ナトリウムの性質
【表.二次電池材料としてのリチウムとナトリウムの比較】
1-2.ナトリウム二次電池の種類と注目動向
(1)NAS電池(ナトリウム・硫黄電池)
【図.NAS電池の動作原理】
【図.NAS電池の構造(左:単電池/中:システム/右:モジュール)】
(2)ナトリウム・塩化ニッケル電池
【図.ナトリウム・塩化ニッケル電池の構造(左:単電池/右:モジュール)】
(3)ナトリウムイオン電池
①正極材料
②負極材料
③電解質
1-3.ナトリウム二次電池の市場規模予測
【図・表.ナトリウム二次電池のWW市場規模推移・予測】
【表.欧米におけるナトリウムイオン電池企業例】
日本ガイシ株式会社
再エネ拡大に貢献する長周期用途のナトリウム硫黄電池メーカー
【図.NAS電池の構成】
【図.NAS電池コンテナ仕様】
東京理科大学 理学部応用化学科(駒場研究室)
高容量負極材ハードカーボンを開発に成功し、LFP系LIBに匹敵する
エネルギー密度を達成
【図.HC-Zn負極材料を用いて開発したナトリウムイオン電池の放電容量】
中科海鈉科技有限責任公司(HiNa Battery)
世界初GWh規模のNIB量産体制を構築
小型EV向けNIBを中国自動車OEMと共同開発
【表.HiNa Battery ナトリウムイオン電池ラインナップ】
【表.「E10X」モデル搭載のナトリウムイオン電池セル・パック仕様】
第4章 レドックスフロー電池
再エネ拡大に伴う長時間運用ESSニーズ向けで需要増
新たな電解液開発が今後の競争力強化のカギ
1.はじめに
1-1.レドックスフロー電池とは
【図.RF電池の構成】
【表.RF電池のセル構成部材】
【図.VRF電池の構造と動作原理】
1-2.レドックスフロー電池の特徴
(表.RF電池の主な特徴(導入メリット))
【図.RF電池の設計の自由度(高出力型~大容量型)】
【図・表.RF電池の製造コスト構造】
1-3.RF電池の技術開発動向
【図.RF電池の流路構造と電解液流動)】
【図.鉄フロー電池の動作原理及びセルユニット・パワーモジュール】
【図.LEシステムのバナジウム回収/電解液製造プロジェクト】
1-4.RF電池の市場動向
(1)カーボンニュートラルに向け、各国が再エネ導入を推進
(2)再エネ導入増に伴う長時間型蓄電池の必要性
1-5.RF電池の市場見通し
【図・表.RF電池のWW市場規模推移・予測】
住友電気工業株式会社
LDESでより高い導入効果を発揮、米国市場への参入は秒読みに
【図.VRF電池搭載ESSのイメージ】
【表.VRF電池搭載コンテナ型ESS製品の使用】
株式会社LEシステム
独自のバナジウム電解液製造フローを活かし、本格的な量産を進める
【図.LEシステムのVRB電解液製造フロー】
第5章 金属空気電池
実商化への道のりは使用金属材料により多種多様
電池特性向上のLi空気、再注目のFe空気等で新展開
1.はじめに
2.金属空気電池とは
【図.一般の電池(左)と金属空気電池(右)の概念図】
【表.金属空気電池の主な負極金属とその特性】
3.金属空気電池のタイプ別の概況
3-1.空気亜鉛電池
【図.ボタン型空気亜鉛一次電池の基本構造】
3-2.マグネシウム空気電池
3-3.アルミニウム空気電池
3-4.水素/空気二次電池(HAB)
【図.水素/空気二次電池の電池反応】
3-5.リチウム空気電池
3-6.鉄空気電池
4.金属空気電池の市場見通し
【図・表.金属空気電池のWW市場規模推移・予測(金額:2022-2030年予測)】
【図・表.金属空気電池の二次電池WW市場割合(金額:2022年)】
【図・表.金属空気電池の二次電池WW市場割合(金額:2030年予測)】
【図・表.金属空気二次電池WW市場の内訳(金額:2030年予測)】
5.注目企業・研究機関の取り組み
ファルタ・マイクロバッテリー・ジャパン株式会社 / VARTA AG
マイクロバッテリー事業は亜鉛空気一次電池とリチウムイオン二次電池の
両輪で事業展開
【図.(左)コイン型リチウムイオン電池「CoinPower」 (右)蓄電池(ESS)】
【図.VARTA製空気亜鉛一次電池「Power One」VARTA AG資料より抜粋】
藤倉コンポジット株式会社
非常用電源以外への用途拡大、センサー向けを主に開発を推進
【図.空気マグネシウム一次電池「Watt Satt」】
【図.藤倉コンポジットが開発を進めるバッテリーレス漏液検知システム】
国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)
世界初の500Wh/kg級LABを開発、HAPSなど移動体用途への展開を推進
【図.NIMSが開発した多孔性カーボン電極】
【図.充放電後の負極の断面SEM増 左:保護膜なし 右:保護膜あり】
【図.NIMS独自のハイスループット電池評価システム】
第6章 有機二次電池
「資源・環境課題への対応」、「軽量」等を強みにポスト
リチウムイオン電池として航空・宇宙系特殊用途での用途展開が有望
1.はじめに
1-1.有機活物質の充放電メカニズム
【図.ラジカルポリマー(TEMPO置換)正極のロッキングチェア型電池】
1-2.有機活物質は高分子系と低分子系に大別される
(1)高分子系
【図.TEMPOの構造式と充放電反応モデル】
(2)低分子系
【図.DS-MOFの構造】
1-3.有機二次電池の市場見通し
【図・表.有機二次電池のWW市場化見通し(金額ベース:2022-2030年予測)】
2.注目企業・研究機関の取り組み
国立研究開発法人産業技術総合研究所
分子応用エネルギーデバイス研究グループ
酸化還元性を示すキノン類をベースに軽量性を重視した有機二次電池を開発
HAPSなどの移動体用途への展開を期待
【図.(左)ナフタザリンLi塩 (右)縮合されたナフタザリン二量体Li塩】
【図.AQアミドトリマーが加水分解で低分子化する反応式と、質量分析計による解析】
関西学院大学 ナノ蓄電エネルギー材料科学研究室
有機金属構造体(MOF)を用いた高容量有機二次電池を開発、ナトリウム系の
有機二次電池も開発視野に
【図.CPL-4正極におけるナトリウムイオン電池の模式図】
愛知工業大学 工学部応用化学科
有機中性ラジカル(TOT)を独自開発、極めて高い電気伝導性を活かし、
レドックスフロー電池活物質への展開も視野に
【図7.(左) H3TOTの分子構造 (右) H3TOT一次元カラム構造】
第7章 多価二次電池
長期展望での実用化を見据え、マグネシウム二次電池を中心に
材料探索の基礎研究開発を継続
1.はじめに
1-1.多価金属は容量密度が非常に大きい
【表.主な金属元素のイオンの価数】
【表.各種の金属の蓄電池負極としての特性】
1-2.挿入・離脱反応と溶解析出反応
【図.インターカレーション反応のイメージ図】
2.主要電池の開発動向
2-1.マグネシウム二次電池の現状
2-2.アルミニウム二次電池の現状
2-3.カルシウム二次電池の現状
【図.開発した水素クラスター錯体水素化物のカルシウム電解質とその伝導率】
3.多価二次電池の市場見通し
【図・表.多価二次電池のWW市場化見通し(金額ベース:2022-2030年予測)】
4.注目企業・研究機関の取り組み
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
Mg金属溶解・析出に好適な電解質の新規合成法を開発
【図.新規開発したフッ化アルコキシボレート系Mg塩の合成反応】
国立大学法人東北大学 金属材料研究所
資源戦略の観点で有用なカルシウム二次電池に着目、
独自開発の水素クラスター電解液をベースに電極材料の開発を推進
【図.水素クラスター電解液(DME/THF混合溶媒)を用いた
カルシウム二次電池の充放電特性 】
【図.コベライト炭素複合体正極を用いたコインセルでの充放電特性 】
大阪公立大学
アルミニウム二次電池の大幅な高性能化の実現へ、
新規電解液のメカニズム解明と新たな電極反応により正極開発を進める
【図.CuCl2電極を使用したアルミニウム電池の充放電曲線】
第8章 Li-S電池
「軽量特性」に強み、サイクル寿命の進展で、長期的な市場創出に向け前進
1.はじめに
2.Li-S電池の概要
2-1.Li-S電池とは
【図.Li-S電池の原理図】
2-2.硫黄系正極材の容量は現行LiB正極材を凌駕
【表.硫黄と現行LiBの主要正極材の理論容量・電圧】
【図.リチウム硫黄電池の重量エネルギー密度のポテンシャル】
2-3.Li-S電池の電極反応と改良課題
【表.Li-S電池の改良課題】
2-4.国内外のLi-S電池研究開発動向
【図.VS4(金属多硫化物)正極の8Ah級セル(左)とその充放電曲線】
【図.ALCA-SPRINGが掲げるリチウム硫黄電池開発コンセプト】
3.Li-S電池の市場見通し
【図・表.Li-S電池の初期世界市場の見通し(金額:2022-2030年予測)】
4.関連企業・研究機関の取り組み
株式会社ADEKA
高容量Li-S電池を開発、SPANの量産体制構築も推進
【図.SPANの合成スキーム】
【図.(左) SPAN正極と現行正極材の充放電曲線、
(右).SPAN正極とLi金属負極を用いたコインセルでのサイクル特性の比較】
冨士色素株式会社/GSアライアンス株式会社
Li-S電池の量産体制構築フェーズへ突入、欧州展開も視野に
【図.同社が開発したリチウム硫黄電池の充放電曲線】
【図.ブラックマスより直接作製した正極材を用いたリチウムイオン電池】
住友ゴム工業株式会社
タイヤゴム生産ノウハウをベースに独自の硫黄正極材を開発
【図.住友ゴムが開発した硫黄系正極材のテンダーX線ナノスコープによる
化学結合状態可視化イメージ】
国立大学法人横浜国立大学大学院工学研究院(獨古・上野研究室)
独自開発イオン液体で多硫化リチウムの溶出抑制、サイクル特性改善に前進
【図.溶媒和イオン液体のLi2S8溶解度(右)と同液体電解質のLi-S電池の充放電特性】
関西大学 化学生命工学部 電気化学研究室 (石川正司教授 研究室)
独自のミクロ多孔性カーボンを開発、多硫化リチウムの溶出を大幅改善
東京都市大学 理工学部応用化学科 高分子・バイオ化学研究室(機能性高分子)
ポリマー系硫黄正極を開発、硫化物系固体電解質への応用も視野に開発推進
【図.ポリ硫化炭素の化学構造と加圧成形サンプル】
【図.導電性硫黄正極の開発:全固体系LiB】
第9章 新原理/新型電池
前進する新原理/新型電池、一部既に商用化も、状況は千差万別
1.はじめに
1-1.新原理電池
【図.開発するフッ化物電池の概念図】
1-2.新型リチウムイオン電池
1-3.新原理/新型LiBの市場化見通し
【図・表.新原理電池/新型LiBのWW市場化見通し(金額ベース:2022-2030年予測)】
2.注目企業・研究機関の最新動向
CONNEXX SYSTEMS(コネックスシステムズ)株式会社
複数の新型電池を開発し、ESSやAGV向けへ用途展開、リチウム空気電池を
上回る高エネルギー密度電池も
【図.(左)BLPシリーズ:73.7kWh (右)LUVISシリーズ:61.4kWh】
【図.SHUTTLE Battery 充放電反応概念図】
京セラ株式会社
クレイ型LIBの量産開始 デュアル電解液型セルの開発も視野に更なる用途展開へ推進
【図.(左)クレイ型LiBのスタックセル (右)クレイ型LiB搭載のEnerezza蓄電池ユニット】
【図.クレイ型LiBの電極構造】
株式会社クオルテック
世界最高レベルの広電位窓水系電解液を実現、水系電気二重層キャパシタ開発を目指す
【図.(左)活性炭比率と重量エネルギー密度 (右)各温度域における充放電曲線】