期待高まるカーボンファーミング・環境再生型農業の動向と将来展望

日本の年平均気温は、100年あたり1.30℃の割合で上昇しており、2024年夏の日本の平均気温は、観測史上1位の高温となった。顕著な高温は日本だけでなく世界規模で起きており、国連環境計画(UNEP)の最新の排出ギャップ報告書は、「現行の政策」のままなら世界の平均気温は今世紀中に最大3.1度上昇する可能性があると示唆している。
農林水産業は気候変動の影響受けやすく、高温による品質低下などが既に発生しており、降雨量の増加等により、災害の激甚化の傾向にあるところ、被害が深刻化している。日本のGHG排出量(2022年度)は11億3,500万tで、この内、農林水産分野は4,790万tの全排出量の4.2%を占めている。農業分野からの排出について、水田、家畜の消化管内発酵、家畜排せつ物管理等によるメタンの排出等が主な要因となっている。
このため、農業分野での温室効果ガス削減は急務である。大気中のCO2を土壌に取り込み、土壌の質を向上させ温室効果ガスの排出削減を目指すカーボンファーミングやバイオ炭をはじめ、農地の土壌を健康に保ち、自然環境の回復につなげることを目指す環境再生型農業(リジェネラティブ農業)が注目を浴びている。国内・海外におけるカーボンファーミング・環境再生型農業の取組みや、農業・酪農分野におけるJ-クレジットの動向を調査することで、今後のカーボンファーミング・環境再生型農業の展望することを目的として実施する。

発刊日
2024/10/31
体裁
A4 / 313頁
資料コード
C66106300
PDFサイズ
41.4MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的: 国内・海外におけるカーボンファーミング・環境再生型農業の取組みや、農業分野における J-クレジットの動向を調査することで、今後のカーボンファーミング・環境再生型農業の展望することを目的として実施した。
調査対象製品
・バイオ炭
・水田クレジット(水稲中干し延長、AWD 等)
・酪農クレジット(消化管内発酵対策、家畜排せつ物管理対策、等)
・環境再生型農業
調査対象先
・カーボンクレジット参入企業・団体
・全国の JA(水稲分野:64 件、酪農分野:20 件)
・その他大学、関連官公庁・協会
調査項目:目次参照
調査期間:2024年5月~2024年10月
調査方法:弊社専門研究員による直接面接取材と電話取材を実施

資料ポイント
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  • 日本国内、海外のカーボンファーミング、バイオ炭、酪農クレジットの動向を掲載
  • 水稲主要地域のJAに、水田中干し延長の可能性、J-クレジットの利用意向・バイオ炭のアンケート調査を実施
  • 北海道内JAに、酪農におけるメタン削減対策やJ-クレジットの利用意向のアンケート調査を実施

リサーチ内容

第Ⅰ章 温室効果ガス削減に向けた取組動向

1.日本における農業分野の温室効果ガス削減の取組み
  (1)地球温暖化による農作物への影響
  (2)農林水産省における温室効果ガス削減の取組み
  (3)J-クレジットの動向
2.海外における農業分野の温室効果ガス削減の取組み
  (1)世界における温室効果ガス排出量
  (2)メタンガスの排出量
  (3)アメリカにおける農業分野の温室効果ガス対策
  (4)EUにおける農業分野の温室効果ガス対策
  (5)酪農畜産大国ニュージーランドにおける農業分野の温室効果ガス対策

第Ⅱ章 カーボンファーミング・環境再生型農業の取組動向

1.国内におけるカーボンファーミングに取組む企業
  (1)株式会社TOWING
    ~高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を展開、
    サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会の実現を目指す~
  (2)Green Carbon株式会社
    ~水田クレジットを支援、国内最大規模の「稲作コンソーシアム」を運営~
  (3)株式会社フェイガー
    ~農業由来カーボンクレジットの生成を通じ、
    「世界をもっとサステナブルに。社会にもっとフェアネスを」目指す~
  (4)株式会社ファームノートデーリィプラットフォーム
    ~「人が幸せ、牛も幸せな牧場をひろげる」を目標に、
    酪農のカーボンニュートラルを推進~
  (5)その他、カーボンファーミング・環境再生型農業を展開している企業・団体
    ①バイオ炭 ~丸紅、キリンホールディングス等がバイオ炭の参入~
    ②水田中干し延長 ~クボタ、三菱商事、NTTコミュニケーションズ等が展開~
    ③酪農クレジット ~味の素、明治グループ等が酪農クレジットを展開~
2.国内における環境再生型農業の動向
  (1)環境再生型農業とは
  (2)有機農業と環境再生型農業(自然農法)との比較
  (3)国内における環境再生型農業の取組動向
3.スマート農業を利用したカーボンファーミング・環境再生型農業の取組み
  ~スマート農業技術を利用し、信頼性高く、高品質なカーボンクレジットを生成~
4.海外におけるカーボンファーミング・環境再生型農業の取組み
  (1)カーボンファーミング・環境再生型農業
    ~バイエルなどの大手アグリビジネスや、
    三井物産等が環境再生型農業に参入~
  (2)バイオ炭
    ~マイクロソフト、バイオ炭に過去最大規模契約、
    EUでも最大級のバイオ炭プラントが稼働~
  (3)酪農クレジット
    ~牛のゲップにより排出されるメタン削減効果が高い
    「カゲキノリ」の商業化が進む~
5.環境配慮型農産物・畜産物における実需者の取組み
  (1)農水省 環境負荷低減の取組「見える化」ラベルを開始
  (2)国内・海外における環境配慮型農産物・畜産物の実需者の取組み
6.環境配慮型農産物における消費者調査
  (1)政府における世論調査
  (2)弊社調査におけるサステナブルフードの購入利用実態
    ①有機JAS認証の野菜に関する消費者調査
    ~有機JAS認証の野菜の認知状況~
    ~有機JAS認証の野菜の購入状況~
    ~有機JAS認証の野菜の許容価格~
    ② 植物由来代替肉(大豆ミートなど)に関する消費者調査
    ~植物由来代替肉(大豆ミートなど)の認知状況~
    ~植物由来代替肉(大豆ミートなど)」の購入・喫食状況~
    ~植物由来代替肉(大豆ミートなど)」の許容価格~
    ③アニマルウェルフェア畜産物に関する消費者調査
    ~アニマルウェルフェア畜産物の認知状況~
    ~アニマルウェルフェア畜産物の購入状況~
    ~アニマルウェルフェア畜産物の購入意向~
    ④MSC/ASC/MEL認証水産物関する消費者調査
    ~MSC/ASC/MEL認証水産物の認知状況~
    ~MSC/ASC/MEL認証水産物の購入状況~

第Ⅲ章 JAにおけるJ-クレジットの利用意向アンケート調査

■水稲分野におけるカーボンファーミングアンケート調査
 
1.JA(水稲)におけるカーボンファーミング アンケート回収結果
2.水稲の中干し期間延長による温室効果ガス削減効果の認知度
3.水稲の中干し期間延長によるJ-クレジット制度の認知度
4.J-クレジットを実施している上での課題(水稲の中干し延長に取組んでいるJA)
5.水稲中干し延長(J-クレジット)に取組む上での障害になること(全てのJA対象)
6.地域全体で水稲中干し7日間延長の可能性
7.地域で水稲中干し7日間延長の可能性の回答理由
8.水稲向けJ-クレジット(中干し延長)の利用意向
9.水稲向けJ-クレジット(中干し延長)の利用意向の回答理由
10.バイオ炭の水稲担当者の認知度
11.バイオ炭を利用する上での課題
12.バイオ炭によるJ-クレジット制度の認知度
13.稲の籾殻処理方法
14.今後のバイオ炭の利用意向
15.今後のバイオ炭の利用意向のその理由
16.バイオ炭が普及するために必要なこと
17.水稲におけるJ-クレジット(水稲の中干し延長・バイオ炭)についての自由回答
 
<水稲(64JA) アンケート個別調査票>
□JAきたそらち
□JAしずない
□JAたきかわ
□JA道央
□JA当麻
□JAひがしかわ
□JAぴっぷ町
□JAびばい
□JAつがるにしきた
□JAいわて中央
□JAいわて平泉
□JA江刺
□JAあまるめ
□JAそでうら
□JAやまがた
□JA山形おきたま
□JA茨城むつみ
□JA新ひたち野
□JAなすの
□JAさいかつ
□JA埼玉みずほ
□JAほくさい
□JAちば東葛
□JAとうかつ中央 馬橋支店
□JA魚沼 あぐりセンター
□JAえちご上越
□JAえちご中越
□JA新潟かがやき
□JAなのはな
□JAなんと
□JA氷見市
□JA志賀
□JAとうと 経済センター
□JAめぐみの
□JAあいち知多
□JA愛知西
□JA愛知東
□JA西三河
□JA津安芸
□JAみえなか
□JA北びわこ
□JA湖東
□JA京都市
□JA京都にのくに
□JA大阪南
□JAハリマ
□JA紀北かわかみ
□JAながみね
□JA鳥取いなば 湖東支店
□JA岡山
□JA広島市
□JA山口県
□JA東とくしま
□JAえひめ中央
□JAえひめ南
□JA高知市
□JAくるめ
□JAにじ
□JA福岡大城
□JA壱岐市
□JA下郷
□JAみやざき えびの市地区本部
□JA北さつま
□JA南さつま
 
■酪農分野におけるカーボンファーミングアンケート調査
 
18.JA(酪農)におけるカーボンファーミング アンケート回収結果
19.酪農分野における温室効果ガス(メタンガス)削減対策の実施の有無
20.温室効果ガス(メタンガス)削減の実施内容(対策を実施していると回答したJA)
21.温室効果ガス(メタンガス)削減対策を実施しない理由(対策を実施していないと回答したJA)
22.酪農分野によるJ-クレジット制度の認知度
23.今後の酪農向けJ-クレジットの利用意向
24.酪農向けJ-クレジットの利用意向の理由
25.温室効果ガス(メタンガス削減)対策が普及するために必要なこと
26.温室効果ガス(メタンガス削減)対策についての自由回答
 
<酪農(20JA) アンケート個別調査票>
□JAおとふけ
□JA帯広かわにし
□JAオホーツク網走
□JA上川中央
□JA清里町
□JAけねべつ
□JAさつない
□JAしれとこ斜里
□JA新すながわ 奈井江支所
□JAそらち南
□JA伊達市
□JA十勝清水町
□JAところ
□JA中札内村
□JA中標津
□JAながぬま
□JAひろお
□JA本別町
□JA幕別町
□JAめまんべつ

第Ⅳ章 カーボンファーミング 市場規模

1.バイオ炭 市場規模
  (1)バイオ炭とは
  (2)バイオ炭のメリット・デメリット
  (3)バイオ炭の課題を解決する「高機能バイオ炭」
    ①高機能バイオ炭の導入効果
    ②高機能バイオ炭の量産化が開始
  (4)バイオ炭 国内出荷量推移予測(2023年度~2030年度予測)
  (5)バイオ炭 CO2削減量(貯留量ベース)(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (6)バイオ炭 クレジット認証量(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (7)バイオ炭 クレジット市場規模(国内)(2023年度~2030年度予測)
    ①オフセット・プロバイダー→クレジット購入企業・団体ベース
    ②オフセット・プロバイダー→削減生産者・団体ベース
2.水稲中干し延長 市場規模
  (1)水稲中干し延長とは
  (2)中干し延長における課題
    ①中干しの延長により収量が低下する一方、品質が向上するケースも
    ②地域によって、J-クレジットの創出量が異なる
  (3)水稲からのメタン発生を抑制する方法論に、秋耕・乾田直播も検討すべき
  (4)水稲中干し延長 CO2削減量(貯留量ベース)(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (5)水稲中干し延長 クレジット認証量(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (6)水稲中干し延長 クレジット市場規模(国内)(2023年度~2030年度予測)
    ①オフセット・プロバイダー→クレジット購入企業・団体ベース
    ②オフセット・プロバイダー→削減生産者・団体ベース
3.酪農クレジット 市場規模
  (1)酪農分野における温室効果ガス削減対策
  (2)酪農生産者が温室効果ガス対策に取り組む上での課題
  (3)新技術の開発(ルーメン微生物の制御)
  (4)酪農CO2削減量(貯留量ベース)(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (5)酪農クレジット認証量(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (6)酪農クレジット市場規模(国内)(2023年度~2030年度予測)
    ①オフセット・プロバイダー→クレジット購入企業・団体ベース
    ②オフセット・プロバイダー→削減生産者・団体ベース
4.国内 カーボンファーミング 市場規模推移(2023年度~2030年度予測)
  (1)CO2削減量(貯留量ベース)(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (2)CO2クレジット認証量(国内)(2023年度~2030年度予測)
  (3)カーボンファーミングクレジット市場規模(国内)(2023年度~2030年度予測)
    ①オフセット・プロバイダー→クレジット購入企業・団体ベース
    ②オフセット・プロバイダー→削減生産者・団体ベース
5.海外におけるカーボンファーミング市場規模推移
  (1)バイオ炭
    ①バイオ炭 最大削減ポテンシャル
    ②バイオ炭 温室効果ガス削減可能量(2025年→2030年)
    ③バイオ炭 クレジット市場規模(2025年→2030年)
  (2)水田クレジット(中干し延長、AWD)
    ①世界における水稲面積
    ②間断灌漑技術(AWD)
    ~アジアモンスーン地域でメタンガス削減とコスト削減の両方を実現~
    ③水田クレジット(中干し延長、AWD) 最大削減ポテンシャル
    ④水田クレジット(中干し延長、AWD) 温室効果ガス削減可能量(2025年→2030年)
    ⑤水田クレジット(水稲中干し延長、AWD)市場規模(2025年→2030年)
  (3)酪農クレジット
    ①世界における牛の飼養頭数
    ②酪農クレジット 最大削減ポテンシャル
    ③酪農クレジット 温室効果ガス削減可能量(2025年→2030年)
    ④酪農 クレジット市場規模(2025年→2030年)

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