韓国・非ITO系透明導電性フィルム市場の最新動向
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
(1)調査主旨と方法
韓国の非ITO 系透明導電性フィルムメーカー、材料メーカーの事業展開と最新動向を調査するとともに、研究機関の研究開発動向を明らかにする。本調査では弊社専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用した。
(2)調査期間
2015年9月1日~2015年10月30日
(3)企画・制作
インダストリアルテクノロジーユニット 素材産業グループ
韓国の非ITO 系透明導電性フィルム市場の最新動向
独自用途の積み重ねこそが韓国・非ITO フィルムメーカーの活路となる
1.市場動向
1-1.韓国のITOフィルム市場動向
Samsungの端末事業の不振が
韓国TPメーカー及びITOフィルムメーカーの戦略に打撃
【図1.韓国企業におけるサンドイッチ現象】
1-2.韓国の非ITOフィルム市場動向
視認性・光学特性などの問題が徐々に改善に向かう
大型サイズ用TP向けでの採用拡大を図る動きが活発化
1-2-1.メタルメッシュフィルム
韓国のメタルメッシュフィルムメーカーの多くが2014年より量産を開始
PCモニター、All in One PC、ノートPC用TP向けに採用
1-2-2.銀ナノワイヤーフィルム(AgNWフィルム)
ヘイズの低減・低抵抗化を両立させる手法の開発が進む
LGE以外の量産もスタート
1-2-3.カーボンナノチューブフィルム(CNTフィルム)
CNTとAgNWを混合したハイブリッドタイプの開発が活発
抵抗値のコントロールによりTP用途のほか、透明発熱体用途でも可能性あり
1-2-4.PEDOT:PSSフィルム
PEDOT:PSSならではの柔軟性と表面平滑性が特長
低抵抗化とブルーカラーが課題、一部のメーカーではAgNWのドーパント導入も
1-2-5.グラフェン
Roll to Roll 転写方式でのグラフェンフィルム生産技術が開発、
材料の量産、透過性・導電性・耐久性などがネック、実用化は2020年前後を予測
1-3.非ITOフィルムのポジショニング(世界)
ITO フィルムと「共存」・「棲み分け」できる分野をいくつ構築できるかがカギ
【図2.ITO及び非ITOフィルム(メタルメッシュ・AgNW)における主要マーケットの変動】
非ITOフィルム市場は創成期の段階、誰もがマーケットリーダーになり得るチャンスあり
【表1.韓国・非ITO フィルムメーカー生産体制】
2.企業動向
2-1.NAWOO TECH CO., LTD.(ナウテック)
海外向けにTP用ITOフィルム販売が堅調
車載TP用ITOフィルムの新規市場開拓に取り組む
中国向けを中心にITOフィルムを販売、2012年より年間45~50万㎡の販売量をキープ
【表2.NAWOO TECH ITOフィルム生産拠点と能力】
【表3.NAWOO TECH ITOフィルム販売量推移】
2015年より日本向けに車載TP用ITOフィルム供給開始、2016年から本格的な販売へ
2-2.COSMO AM&T CO., LTD.(コスモ新素材株式会社)
フィルム加工技術を活かし、AgNWフィルムの低抵抗化・高透過率を実現
2014年末より40万㎡/月のキャパでAgNWフィルムのパイロット量産を開始
2016年より50㎛品を、さらに23㎛品も開発中
【表4.コスモ新素材非ITO系透明伝導性フィルム生産拠点と能力】
【表5.コスモ新素材AgNWフィルム主要スペック】
抵抗値23Ω/□、透過率92.8%、ヘイズ0.64%のAgNWフィルムが量産可能に
【表6.コスモ新素材AgNWフィルム主要スペック】
タッチパネル向けと発熱体向けを主軸した展開に取り組む
自動車内装材、ウィンドウ用発熱体及び変色フィルムなど、
自動車部品向けでの採用に期待
【表7.コスモ新素材における用途開発ロードマップ】
2-3.Carestream Advanced Materials
2014年4四半期よりAgナノワイヤ-フィルム「FLEXX」の量産開始
AgNWインキからフィルムへのコーティングまで一貫生産体制を構築
2016年初頭に50μm品の量産開始
【表8.ケアストリームAgNWフィルム生産拠点と能力】
AgNWのファイン化とバインダー調整により透過率とヘイズ問題を改善
【表9.ケアストリームAgNWフィルム「FLEXX」の主要スペック】
2016年からのスマートフォン向けでの採用本格化を目指す
【表10.ケアストリームAgNWフィルム生産量推移】
2-4.SANGBO Corp.
CNT透明電極に特化した体制で海外での拡販に取り組む
CNTタッチセンサーが家電のタッチキーとスマートフォンタッチパネルに採用
【表11.SANGBOのCNTタッチセンサーのスペック表】
【図3.SANGBOのCNTタッチセンサー各種】
「無エッチングAgNW・CNTハイブリッド型透明電極フィルム」で
低抵抗化・高透過率・ヘイズ改善・低コスト化を実現
【表12.SANGBOのハイブリッド型タッチセンサーの主要特性】
【図4.無エッチングパターニングのプロセス】
2-5.TOP NANOSYS
ハイブリッド型透明電極フィルムによるITO代替を目指す
2015年上期にCNTとAgNW混合のハイブリッド型透明電極フィルム
「TopTrans™」を上市
従来の非ITO透明電極フィルムと比べ、優れた特性と低コストの優位性を訴求
【表13.透明電極フィルムにおける素材別性能比較】
【表14.「TOP TransTM」シリーズのスペック表】
2-6.DONGJIN SEMICHEM CO., LTD.
AgNWとPEDOT:PSSを用い、非ITO透明導電性フィルムを展開
AgNW+PEDOTハイブリッド型で50Ω/□、透過率90%、ヘイズ1.0以下を実現
【表15.DONGJIN SEMICHEM透明導電性フィルム生産拠点と能力】
2-7.MExplorer Co., Ltd
独自のグラフェン製造方法により、安価で高品質のグラフェンを供給
グラファイトパウダーと水などを原料とし、
短時間で高純度グラフェン生産を可能に
酸処理をしないグラフェンを水分散させ、ペーストと接着剤製品を開発
【表16.MExplorerグラフェン製品の主要スペック】
【図5.G-paste(グラフェン水分散ペースト)の透過電子顕微鏡写真】
2-8.KOREA INSTITUTE OF MACHINERY&MATERIALS(韓国機械研究院)
R to Rl 転写方式によるグラフェン透明導電性フィルム生産を可能に
ローラー荷重と張力をコントロールし、グラフェン層破損を抑制
幅500mm、厚み18μmのグラフェン透明導電性フィルムを2m/分のスピードで生産
【表17.韓国機械研究院 Roll to Roll 生産設備の概要】
【図6.Roll to Roll 転写によるグラフェン透明導電性フィルムの生産プロセス】
材料の量産化がネック、実用化は2020年以降を予想
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。