2018年版 オーガニック食品市場の現状と将来展望
消費者の健康志向と食の安全性に対する意識が高まるなか、オーガニック食品市場がにわかに脚光を浴びている。
欧米では各々、数兆円規模のマーケットが形成され、現在も右肩上がりの成長が続いているが、日本ではこれまで、一部の消費者の需要を満たすため、限られた生産者や小売業者が対応するにとどまっており、有機農業の生産面積は農業全体の1%にも満たないのが現状である。
ところが、これまで「安全・安心」と信じられてきた国産農産物や加工食品の安全性が脅かされる事件や事故が多発し、食のグローバル化が進展するなかで、有機農業や有機(オーガニック)食品に対する見方が変化しつつある。
農林水産省では、2000年から有機JAS規格を設け、認定事業者によって格付の表示(有機JASマーク)が付された有機農産物や加工食品でなければ、「有機」や「オーガニック」とは表示できなくなった。また、2017年のJAS制度改正では、JASを活用した輸出力の強化と規格の国際化を謳っており、国際取引における高付加価値農産物や加工食品の需要は、今後益々高まると予想される。
そこで、本調査レポートでは、オーガニック食品(農産物及び加工食品)の需要動向や市場特性、現状の課題等を明らかにするとともに、今後の方向性についてまとめ、市場性を展望した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査対象:オーガニック食品関連市場に参入する企業のほか、需要家として、オーガニック食品を取り扱う小売業者やオーガニック食品を利用する中食・外食業者を調査対象とした。
調査方法:参入企業に対しては、弊社専門研究員による直接面談調査を主体に、電話及びアンケート調査を併用した。また、事業者を対象としたテレマーケティング(アンケート)調査を実施した。
調査期間:2018年5月~2018年9月
- 日本におけるオーガニック食品(農産物+加工食品)の市場規模を算出
- オリ・パラ開催でオーガニック食品の認知向上に期待
- オーガニック食品の輸出&利用動向に注目
- 有機農業の振興は地域で連携・ネットワーク化がカギ
- オーガニック加工食品では農産加工品と酒類が伸長
- 実需者の25%はオーガニック食品の取扱(使用)を「増やす」意向
- オーガニック食品市場に参入する有力21社の取り組みを詳細に
第Ⅰ章 オーガニック食品に関する行政動向とトピックス
第Ⅱ章 オーガニック農産物の市場動向
第Ⅲ章 オーガニック加工食品の市場動向
第Ⅳ章 オーガニック食品の需要動向(需要家調査)
第Ⅴ章 参入企業の個別動向(21社)
第Ⅰ章 オーガニック食品に関する行政動向とトピックス
1.オーガニック食品に関する行政動向
(1)オーガニック(有機)食品の検査認証制度
①制度創設の経緯
②制度の仕組み
(2)オーガニック(有機)食品の日本農林規格
①有機農産物の日本農林規格
②有機加工食品の日本農林規格
(3)オーガニック(有機)食品の輸出入について
(4)日本における有機ほ場及び有機農産物について
(5)オーガニック(有機)食品に関する2018年度予算の概要
2.オーガニック食品に関するトピックス
(1)オーガニック食品の市場規模推移とカテゴリ別構成比(2017年)
(2)オーガニック食品の需要家調査結果概要
(3)オーガニック食品の利用動向
~レストラン&カフェ、コンビニから“オーガニック”を当たり前に~
(4)オーガニック食品の輸出動向
~日本オリジナルの食品開発で差別化を~
第Ⅱ章 オーガニック農産物の市場動向
1.オーガニック農産物の生産・加工業者動向
(1)参入経緯と有機JAS規格に関する取り組み
(2)商品動向
(3)営業・販売動向とユーザーニーズ
2.オーガニック農産物の流通業者動向
(1)参入経緯
(2)商品動向と有機JAS規格に関する取り組み
(3)営業・販売動向とユーザーニーズ
3.オーガニック農産物の市場概況(市場規模推移と予測)
4.現状の課題・問題点
5.今後の事業の方向性と市場拡大に向けた取り組み
第Ⅲ章 オーガニック加工食品の市場動向
1.オーガニック加工食品の市場概況とメーカー動向
(1)市場規模推移
(2)カテゴリ別の動向
①酒類
②飲料
③畜産加工品
④農産加工品
⑤麺類
⑥調味料類
⑦冷凍食品
⑧その他
2.オーガニック加工食品の流通業者動向
3.現状の課題・問題点
4.市場予測と将来展望
第Ⅳ章 オーガニック食品の需要動向(需要家調査)
1.調査概要
調査期間
調査内容(設問)
回答属性
2.調査結果
オーガニック食品(農産物、加工食品等)の取り扱い/使用状況
(1)オーガニック食品の取り扱い/使用業者
①食品全体に占めるオーガニック食品の割合
②オーガニック食品の近年の傾向
③主なオーガニック食品の種類
④主なオーガニック食品の国内産/海外産の割合
⑤オーガニック食品を取り扱い/使用する上での課題・問題点
(2)全事業者
①オーガニック食品を取り扱い/使用する、取り扱わない/使用しない理由
②オーガニック食品の今後の取り扱い/使用意向
③オーガニック食品に関する意見
第Ⅴ章 参入企業の個別動向(21社)
オーサワジャパン
~マクロビオティックの普及啓発に取り組む~
金沢大地
~2018年秋、レストラン併設の醸造所をオープン 消費者視点での商品開発を強化~
クレヨンハウス
~これまで培ってきたノウハウを活かして、オーガニックレストランの普及に尽力~
坂ノ途中
~農薬や化学肥料に依存しない新規就農を支援 “百年先も続く、農業を。”~
桜井食品
~有機農産物を使用した麺類や小麦粉の製造販売を国内外で展開~
サラダコスモ
~国内オーガニック野菜の認知度アップに向けてPR強化に取り組む ~
自然農法販売協同機構
~無農薬栽培の先駆者として本質的な有機農産物市場の成長に貢献~
創健社
~「ジロロモーニ」をはじめとしたオーガニック食品を展開~
TANABE FARM
~有機農業での創業から半世紀を迎え、新たなスタートを切る~
ハルカインターナショナル
~有機JAS認証キノコから砂漠緑地化へ壮大なスケールのビジネスに挑む~
ビオセボン・ジャポン
~2016年に市場参入~
ビオ・マーケット
~オーガニック野菜を食卓に届けて30年 「ビオ・マルシェの宅配」~
光食品
~有機ソースのパイオニア 国産原料・無添加にこだわって海外展開を加速~
ひかり味噌
~好調な販売が続く国内オーガニック味噌市場のトップランナー~
久松農園
~鮮度・旬・美味しい品種にこだわり、BtoCの直販モデルを構築~
ポランオーガニックフーズデリバリ
~オーガニック&ナチュラル食品の会員制宅配サービス「ポラン広場の宅配」を運営~
マヴィ
~日本初のオーガニックワイン専門店~
ミトク
~2017年発売の「ベビービオ」ベビースムージーの販売好調~
むそう商事
~輸出をはじめオーガニック事業は拡大~
ライフコーポレーション
~オーガニックをもっと身近に 新業態「ビオラル」が提案する新しいスーパーの形~
楽天
~CSAとITを組み合わせた契約栽培サービス「Rakuten Ragri(ラグリ)」がスタート~
関連セミナー
2018年12月7日 開催セミナー『日本で“オーガニック”を当たり前にするために』のアーカイブを視聴できます。(有料)
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