2024年度版 環境対応素材関連市場の現状と展望 ~環境対応素材関連レポート総集編~
2024年の環境対応素材の動向をこの1冊に集約。
調査資料詳細データ
資料ポイント
収益優先の中、ユーザー各社の環境対応はややトーンダウン
サステナブルを稼ぐ力にいかにつなげていけるかが問われる
- 【CNF】これからの10年がボリュームゾーンを築くための第二創業期
- 【自動車内装用加飾フィルム】加飾にとどまらない機能付与ニーズが市場に追い風
- 【自動車外装用加飾フィルム】塗装代替イーズを背景に外装部位への採用が本格化
- 【ペロブスカイト太陽電池】GW級の発電量確保は2040年前後に?既存の太陽電池や海外勢とは
“戦わない戦略”に日本の勝ち筋あり - 【環境対応容器】ブランドオーナー、流通の収益確保が優先される中、容器へのサステナブル材料の
使用は「無理のない範囲」に後退 - 【F to Fリサイクル】ユーザー工程内からの回収~リサイクルの取組みがスタート
- 【PETボトルリサイクル】2023年度のB to Bリサイクル量21.5万tに対し主要リサイクラー
3社のrPET供給能力は34.5万t/年に達する
- 前回版との違い:
※本レポートは弊社が発刊した以下のレポートから化石由来原料代替・GHG排出抑制、リサイクル関連の内容を抜粋・再編集したものです。
・2024年版セルロースナノファイバー市場の展望と戦略(2024年3月発刊)
・2024年版高機能フィルム市場の展望と戦略(2024年7月発刊)
・2024年版自動車用フィルム・シート市場の展望と戦略(2024年9月発刊)
・2024年版ペロブスカイト太陽電池・部材市場の展望と戦略(2024年10月発刊)
・2024年版PAN系炭素繊維・複合材料市場の展望と戦略(2024年10月発刊)
・2024年版容器市場の展望と戦略(2024年12月発刊)
リサーチ内容
2025年2月4日更新
※掲載予定内容、発刊予定日等に一部変更が生じる場合がございます。
■掲載予定内容
第1章 環境対応素材関連市場の現状と展望
収益優先の中、ユーザー各社の環境対応はややトーンダウン
サステナブルを稼ぐ力にいかにつなげていけるかが問われる
第2章 環境対応素材の動向
1.セルロースナノファイバー(CNF)セルロースファイバー(MFC/CeF)
これからの10年がボリュームゾーンを築くための第二創業期
1-1. CNF
2024年のCNF・MFC・CeF合計のアウトプット量は生産キャパの10%前後の水準
機能性添加剤向けは高付加価値製品として一定のポジションを確立
(表)CNFの世界市場規模予測(固形分)
(図)CNFの世界市場規模予測
(図・表)CNF生産キャパ推移
(図)CNF生産キャパに対する稼働状況
(表)CNFと競合材料との価格比較
(図)CNF用途別市場規模推移(固形分換算)重量ベース
(図)CNF用途別市場規模推移(金額ベース)
(図)CNF強化樹脂市場規模推移(重量ベース)
1-1-1. 機能性添加剤
チキソ性、増粘効果、分散安定性、乳化安定性など、CNFの特性への理解が進み食品、化粧品、
塗料、セラミックなど幅広い産業で採用が拡大
(表)機能性添加剤用途でのCNF活用例
パウダータイプに比べ再分散しやすく使い勝手の良い高濃度CNFのニーズが拡大
1-1-2. 樹脂複合化(構造材)
伸びきり鎖結晶構造に由来する力学特性を併せ持ち
環境対応と性能を両立する構造材として幅広い分野での需要拡大に期待
(表)CNFとGF、鉄の特性比較
京都プロセスは水上バイクでの採用でモビリティ部品での採用実績を確保
耐衝撃性の改善とさらなるコストダウンが課題に
自動車部材向けに耐衝撃性向上に向けた開発が継続
PLAへのCNF配合による衝撃強度アップ効果が注目される
天然ゴム、CFRPなど熱可塑性樹脂以外の用途でのCNF複合化ニーズも拡大
1-1-3. その他
新たな用途でのCNF活用に向けた研究開発も注目される
1-2. MFC/CeF
1-2-1. 機能性添加剤
シングルナノサイズのCNFではオーバースペックになる用途でMFCの採用が進展
1-2-2. 樹脂複合化(構造材)
バイオマス度向上、CO2排出削減を目的にCeFを高配合した複合樹脂の採用が拡大
(表)CeF複合樹脂の採用例
2.自動車内装用加飾フィルム
加飾にとどまらない機能付与ニーズが市場拡大に追い風
(表)主なフィルム加飾工法 分類
(表)フィルム加飾工法 工法別トレンド
(図・表)主要地域における自動車内装用加飾フィルム 市場規模推移
(表)主要地域における自動車内装用加飾フィルム 市場規模推移(地域別)
(表)自動車メーカーの内装加飾採用状況
2-1. 水圧転写フィルム
水圧転写市場は、排水処理やVOC排出に対する規制強化等を背景に縮小傾向
一方、規制強化を背景に中国からの生産シフトが進み、インドや東南アジア地域では微増
(図)水圧転写 プロセス
(表)自動車用水圧転写フィルム 市場規模推移
(図・表)自動車用水圧転写フィルム 地域別市場規模推移
(表)自動車用水圧転写フィルム メーカーシェア推移
2-2. インモールド転写箔(フィルム)
IMRは半導体不足による減産や金利上昇による需要低迷から直近2年連続で前年割れ
2024年以降はマイナス要因が緩和され、横ばい~微増程度での推移が見込まれる
(図)インモールド転写 プロセス
(表)インモールド転写箔(フィルム) 市場規模推移
(図・表)インモールド転写箔(フィルム) 主要地域別市場規模推移
(表)インモールド転写箔(フィルム) メーカーシェア推移
2-3. インサート成形用フィルム
自動車の電装化進展を背景に
電装部品向けINS用フィルムの市場規模は年率6~9%程度の高成長
(図)インサート成形 プロセス
(表)インサート成形用フィルム 市場規模推移
(図・表)インサート成形用フィルム 主要地域別市場規模推移
加飾部品向けに展開するDNP、NISSHAなどは横ばい~微増
電装部品向けが中心となるマクダーミッド、MGCなどは電装化ニーズを取り込み高成長
(表)インサート成形用フィルム メーカーシェア推移
(表)インサート成形用フィルム(加飾部品向け) メーカーシェア推移
(表)インサート成形用フィルム(加飾部品向け) メーカーシェア推移
軽量化、部品への機能付与などのニーズを受けて、IMEのニーズが拡大
2-4. オーバーレイ成形用フィルム
自動車用内装部材ではコスト重視の傾向から採用ペースは緩やか
一方、塗装代替ニーズの拡大等から2026年頃より外装大型部品向けでの本格採用が開始見込み
(表)オーバーレイ成形用フィルム 市場規模推移
(図・表)オーバーレイ成形用フィルム 主要地域別市場規模推移
(表)オーバーレイ成形用フィルム メーカーシェア推移
3.自動車外装用加飾フィルム
塗装代替ニーズを背景に外装部位へのフィルム採用が本格化
2023年1月、マツダはコンパクトカー「MAZDA2」の大幅な商品改良を発表
ルーフフィルムの採用により塗装・乾燥工程を半減し、CO2の大幅な削減を実現
(表)自動車外装用加飾フィルム 採用部位・ターゲット
(図・表)自動車外装用加飾フィルム 市場規模推移
3-1. ボディ用
2026年~2030年にかけて大型外装部品におけるフィルム加飾が本格化
DNPの外装ルーフフィルムが2トーンカラーのコンパクトカーに採用
(表)自動車外装用加飾フィルム(ボディ用) 市場規模推移
3-2. パーツ用
パーツ向けでは金属調加飾フィルムが市場をけん引
金属調以外の領域では、アイカ工業やNISSHAが外装加飾フィルムを展開
(表)自動車外装用加飾フィルム(パーツ用) 市場規模推移
4.ペロブスカイト太陽電池・部材市場の展望と戦略
GW級の発電量確保は2040年前後に?
既存の太陽電池や海外勢とは“戦わない戦略”に日本の勝ち筋あり
PSCによる発電量は2035年に240MW、2040年に1.5GWに達すると予測
拙速な拡大志向は価格競争=結晶Si太陽電池での失敗再来のリスクも
(表)太陽光発電の国内新規導入量とペロブスカイト太陽電池のシェア推移(予測値)
荷重制限、凹凸・曲面、垂直面、少量多品種などへの対応を可能にする
コンバーティング技術が海外勢とは一線を画した日本独自の高付加価値PSCを実現
現状のフィルム部材のコストとキャパがGW級の発電量確保のネックに
国主導の喚起策や官民の連携を進め、需要拡大のスパイラルを起こせ!
(図)太陽光発電新規導入量とペロブスカイト太陽電池のシェア推移(予測値)
:住宅用(10kW未満)
(図)太陽光発電新規導入量とペロブスカイト太陽電池のシェア推移(予測値)
:非住宅用(10kW以上)
(図)太陽光発電新規導入量とペロブスカイト太陽電池のシェア推移(予測値)
:合計
セル構造は平面ヘテロ結合方と逆構造型に集約される
(図)PSC セルの構造
フィルム型、ガラス型の「競合」ではなく「最適化」で
既存の太陽電池の代替ではないPSCならではの活用方法を模索
(表)PSCタイプ別特徴
光電変換効率を大きく引き上げるペロブスカイト層、電荷輸送層の材料開発が進展
ペロブスカイト層の脱鉛化は光電変換効率がネックに
鉛とスズの複合化やインクジェットによる「減鉛」化が進む
(表)主要大学による近年の主なペロブスカイト太陽電池研究
モジュールでの光電変換効率はガラス型で18%、フィルム型で16%まで向上
(表)ペロブスカイト太陽電池 主要企業一覧
(表)国内ペロブスカイト太陽電池主要メーカーの概要
5.PAN系炭素繊維
PAN系炭素繊維市場は国内メーカーが市場創出以降けん引
東レ、帝人、三菱ケミカルの3社で市場の過半数を占める
(図)PAN系炭素繊維製造工程
(表)炭素繊維の種類と用途
(表)力学特性別の分類
2024年のPAN系炭素繊維市場規模は104,400tと予測
アプリケーション別で見ても、ドローンや産業機器が堅調に伸びる
(図)PAN系炭素繊維市場規模推移
(表)メーカー別炭素繊維市場規模(2020年~2025年予測)
(図・表)アプリケーション別炭素繊維市場規模推移(2020年~2030年予測)
米国では防衛総省によるドローン政策や物流用途でドローン需要が急増
洋上風力戦略はあるが、2024年時点で10件のみの国プロ採択のため需要は見込みにくく
仏Airbusの新造機製造による炭素繊維の需要は増加する見込み
欧州で風力発電翼の長尺化における需要増はまだ時間が掛かるとみられる
韓国は長年水素に注力、水素シティなどを筆頭に圧力容器の需要がアジアで伸びる
東南アジアでは釣りや自転車といったスポーツ・レジャーが今まで以上に活況
日本も物流や観測用途向けにドローン需要が増加
高齢化社会をキーワードに医療機器分野での炭素繊維使用が期待される
中国は炭素繊維及びその複合材料を重要な戦略物資と位置付け、産業の発展に国を挙げて注力
(表)国内メーカーPAN系炭素繊維生産能力
(表)海外主要メーカー生産能力の一例
(表)代表的な中国CF メーカー生産体制等一覧
6.環境対応容器
ブランドオーナー、流通の収益確保が優先される中
容器へのサステナブル材料の使用は「無理のない範囲」へとトーンダウン
6-1. 紙カートン
学乳用カートンはストローレス化、バイオマス化などを通じた
環境教育支援ツールとしての役割も確立
(表)環境に配慮した学乳用紙カートン
(表)紙カートンメーカーによる学乳向け環境配慮カートン販売動向(2024年見込み)
プラボトル代替の紙カートン、TOPPAN「キューブパック」は塗料向けでの採用始まる
日本製紙「SPOPS®」は韓国コスメ市場での採用拡大に期待
パーソナルサイズでゲーブルトプ、ブリックタイプ以外の新形状容器の投入拡大
リキャップ機能、アセプ充填、固形分対応などで紙カートン飲料の新カテゴリー開発に貢献
(図)新形状容器 日本テトラパック
(図)新形状容器 大日本印刷(SIGシリーズ)
(図)新形状容器 日本製紙(NSATOM®)
(図・表)口栓付き紙カートン市場規模推移
(図)新形状容器 TOPPAN(カートカン®)
6-2. 金属缶
アルミボトル缶はコーヒー飲料、果汁飲料、RTDでマイナス続くも
脱プラスチック、リシール性、保存性が評価されミネラルウォーターでの採用進む
(表)ボトル缶市場規模及びメーカー出荷量推移
缶のゲージダウンでは東洋製罐が陽圧缶で「最軽量」を実現
「何にでも、何度でもリサイクル可能」なサステナブル容器としてスチール缶をアピールする動きも
6-3. プラスチック軽量容器
(表)主要メーカー PP系バイオマスプラスチック容器
第3章 リサイクル関連市場の動向
1.Film to Filmリサイクル(MLCCリリースフィルム・ラベル台紙)
ユーザーの工程内から使用済フィルムを回収しリサイクルする取組みが始まる
スタートから2年経過のMLCCリリースフィルムリサイクルはスキーム完成に向け取組み進展
東レ、東洋紡の大手2社によるリサイクルPETフィルム生産も走り出す
(図)TDKによる使用済みMLCCリリースフィルムのマテリアルフロー
(図)村田製作所のMLCCリリースフィルムの水平リサイクル
(図)MLCCリリースフィルムサプライチェーン
(表)MLCCリリースフィルム リサイクルの流れ
ラベルセパレーターの廃棄ゼロ化と水平リサイクルを目指す資源循環プロジェクトは
35の企業・団体が参加、2024年4月には再資源化の量産拠点が稼働を開始
2.PETボトルリサイクル
全清飲目標は「2030年にボトルtoボトル比率50%達成」
ブランドオーナーにより進展状況に差が出る
2023年度のB to Bリサイクル量は21.5万t、大部分が主要ブランドオーナーで使用される
日本コカ・コーラ、サントリーは全清飲のB to B化目標を前倒しで達成
(表)主要ブランドオーナー等によるPETボトルのサステナブル化進捗状況
(表)ボトル用PET樹脂需要実績推移
(表)主要ブランドオーナー別PETボトル使用本数及び調達先
(図・表)使用済みPETボトルの循環型リサイクル ボトルtoボトル(B to B)
協栄産業グループ、FIGPに加えTRSがB to B用rPETの供給を本格化
3社によるrPET供給能力は345,000t/年に達する
(表)主要メーカーによる再生PET樹脂(B to B)の供給能力
(表)B to B リサイクルの主要企業(2024年末時点)
容リ法による指定PETボトル落札価格高騰でrPET価格も急上昇
企業、自治体とブランドオーナー、リサイクラーとの自主的な協定が拡大
(図・表)PETボトル有償分落札単価(円/t)
(表)PETボトル用樹脂価格
(表)使用済PETボトルからのB to Bの取組み例(2022年以降)
(表)使用済PETボトルからのB to Bの取組み例 自治体による取組み(2022年以降)
(表)主要ブランドオーナーのB to B取り組み状況
(図・表)PETボトル落札数量(t)
(図・表)指定PETボトル回収率推移
(図・表)国内再資源化と海外再資源化
(図・表)PETくず輸出量推移(2016~2024年)
(図・表)PETくず輸出量推移(2024年1~10月)
3.容器包装リサイクル
トレー、アルミ缶に加え、紙カートン、紙カップのリサイクルも進展
3-1. プラスチック軽量容器
プラスチック軽量容器リサイクルでは、PSP、PET系ともエフピコが一歩リード
3-2. 紙カートン・紙パック
「紙である」だけでは「サステナブル」とは言えずリサイクルなどを通じた環境価値の訴求が課題に
3-3. 紙カップ
工場損紙のリサイクルに加え、使用済紙カップの回収・リサイクルが始動
容器メーカーと製紙が水平リサイクル、アップサイクルに向け協業を開始
(表)製紙メーカーによる紙カップの回収・リサイクルへの取組み
3-4. アルミ缶
SOT缶胴にとどまらず、ボトル缶胴、SOT缶蓋、ボトル缶キャップへのリサイクル材採用進む
缶のゲージダウンでは東洋製罐が陽圧缶で「最軽量」を実現
(表)アルミ缶リサイクル推移
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