2012年版 3Dスキャナ市場の現状と展望
本調査レポートでは3Dスキャナの製品タイプを短距離と長距離の2つに分類、原則的に短距離は1m以下、長距離は2km以下の計測範囲とした。また需要分野は工業系用途と非工業系用途、土木・建設系用途の3分野に分類。工業系用途は検査や評価など、非工業系用途は医療や美容など、土木・建設系用途はダムや橋梁などを主要アプリケーションとした。参入企業各社のシェア推移や製品タイプ別、需要分野別それぞれの市場規模推移(2010年度~2015年度予測)加え、カテゴリ毎の特徴(棲み分け)や今後のトレンドなどにも言及した。
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調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- ソフトウェアによる後加工・後処理の「自動化」技術に期待
- 数量ベースで7割以上を占める「工業系用途」は10μm以下の精度が主流、もう1ケタ上の精度向上が普及への鍵
- 医療や3Dコンテンツなど「非工業系用途」の構成比が2年間で10ポイント上昇
ボディ/フェイススキャナの普及に加え、デジタルアーカイブも追い風に - 短距離3Dスキャナ市場はユーザー自身が用途を開発、市場では好循環に
製品単価は1,875万円のハイエンドから46万円のローエンドまで多種多様
低価格製品の販売が促進、この先数年で一気にコモディティ化の流れが - 長距離3Dスキャナ市場は土木・建設系用途の底堅いリプレース需要がベース
BIMを活用した建築分野などの有望アプリケーションに注力
技術やマーケットの誕生から10年程度、問われる今後の成長戦略
■本資料の概要
第1章:3Dスキャナ市場の現状と展望
第2章:個別企業の動向と展望
■掲載内容
第1章:3Dスキャナ市場の現状と展望
1.3Dスキャナ市場の現状と展望
ソフトウェアによる後加工・後処理の「自動化」技術に期待
「プラント計測」では短距離、長距離の両方からのアプローチで競争が激化
工業系用途は短距離製品と長距離製品の両方がラインナップ
(表)需要分野別製品タイプ一覧
3Dスキャナ市場は2015年度予測で2,100台/9,800百万円
各年(2010年度~2015年度)を通して数量・金額ともにほぼ二桁以上の成長
(表)3Dスキャナの種類別市場規模推移と予測
(図)3Dスキャナの市場規模推移と予測
「2km以下」カテゴリはノイズ低減機能などの高機能製品の開発・販売に注力すべき
(図)種類別の特徴(棲み分け)と今後のトレンド
(表)3Dスキャナの種類別一覧と展開需要分野
(表)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(表)3Dスキャナの種類別平均単価推移
(図)3Dスキャナの種類別平均単価推移
非工業系用途の構成比が2年間で10ポイント上昇
ボディ/フェイススキャナの普及に加え、デジタルアーカイブにも期待
(表)3Dスキャナの需要分野別市場規模推移
(図)3Dスキャナの需要分野別市場規模推移
「工業系用途」は10μm以下の精度が主流、もう1ケタ上の精度向上が普及への鍵
(表)需要分野別の特徴(棲み分け)と今後のトレンド
2.短距離3Dスキャナ市場の動向
ユーザー自身が用途を開発、市場での好循環に期待
製品単価は1,875万円のハイエンドから46万円のローエンドまで多種多様
2012年度は1,164台/6,630百万円(前年度比133.6%/121.3%)を見込む
低価格製品の販売が促進、この先数年で一気にコモディティ化の流れが
(表)短距離3Dスキャナの市場規模推移
(図)短距離3Dスキャナの市場規模推移
参入企業シェア第1位は、数量ベースがコニカミノルタオプティクス、
金額ベースが丸紅情報システムズ
(表)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
製品単価は1,875万円~46万円と非常に幅広いラインナップ
(表)短距離3Dスキャナの主要企業別製品平均単価(2011年度)
(表)短距離3Dスキャナ参入企業の生産体制と直間比率一覧
短距離3Dスキャナは工業系用途がメイン、あらゆる製造業の品質と性能を陰で支える
(図)スペースビジョンのヒューマンメトリクスビジネスモデル
3.長距離3Dスキャナ市場の動向
後処理・後加工ソフトウェアの機能向上(自動化)に期待
土木・建設系用途の底堅いリプレース需要に支えられながら推移
2012年度は86台/841百万円(前年度比124.6%/127.2%)を見込む
プラント内計測、BIMを活用した建築分野などの有望アプリケーションに期待
(表)長距離3Dスキャナの市場規模推移
(図)長距離3Dスキャナの市場規模推移
数量ベース(2011年度)では上位3社で7割を超える寡占市場
(表)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
平均単価の価格幅は800万円~1,500万円だが、中心帯は1,000万円
(表)長距離3Dスキャナの主要企業別製品平均単価(2011年度)
(表)長距離3Dスキャナ参入企業の生産体制と直間比率一覧
長距離3Dスキャナは技術やマーケットの誕生から10年程度、今後の成長に期待
(表)測定原理別の特徴
(表)長距離3Dスキャナの需要分野と対象例
第2章:個別企業の動向と展望
パルステック工業株式会社
自動車、家電など製造業を中心とした顧客を軸に事業を安定
新規需要分野である医療分野への取り組みで市場を開拓
光ディスク開発用設備や生産用設備は業界最大手、同社製品が事実上の業界標準
ヘルスケア関連製品や3次元計測受託サービスなどの新事業領域を展開
同社の特許「FPC(Field Power Control)機能」を活用
対象物の素材や色などにも影響を受けず安定した計測結果を出せる
工業系用途(検査、評価等)で90%以上
2012年度は120台/400百万円の見込み、台数・金額ともに130%程度の成長率
商社や専門ディーラーなどの間接販売が80%程度
計測受託サービス事業で顧客とのコミュニケーションを強化、システム提案で勝負
丸紅情報システムズ株式会社
製造・流通・サービス・小売・金融など様々な業界の知見と高度な提案力
グローバルな視点から顧客の差別化に貢献する最先端技術が強み
GOM社は光学式3次元測定とデジタイジングのリーディングカンパニー
「ATOS」シリーズは世界累計4,000台以上(2011年1月時点)の販売実績
青色LEDを測定補助光の光源に活用した「ブルーライトテクノロジ」を搭載
1回の撮影で3回の測定処理を行う「トリプルスキャン」技術も活用
工業用途の中でも検査用途が好調
2012年度は100台/1,700百万円(前年度比125.0%/113.3%)を見込む
3Dスキャナは150社程度のアクティブ顧客が存在
自動車や家電などに加えタービンメーカー、航空機メーカー、医療分野などに期待
ローランド ディー.ジー.株式会社
リバースエンジニアリングは今後も根強い需要があると確信
3D入出力装置の双方展開で圧倒的な差別化を図る
「カラー」・「3D入出力装置」・「カッティングマシン」の3事業を展開
2012年度は生産効率向上とコストダウンによる効率運営で増収増益を見込む
1997年に3Dスキャナを発売開始、低価格と使い勝手が市場に評価
その後ラインアップを拡充、ホビーから企業の設計・デザイン用途まで幅広く導入が進む
2012年度は140台/200百万円(前年度比186.7%/186.9%)を見込む
短距離(1m以下)製品に特化、装置の中に対象物を納めるボックス型で使い勝手を重視
ソフトウェアのラインナップも充実
デュストリビュータ網の活用で国毎/地域毎の実情にきめ細かく対応
ラピッドフォーム・ジャパン株式会社
同社開発のソフトはあらゆるメーカーの3Dスキャナ(ハードウェア)に対応
代理店としてハードウェアの販売で相乗効果を高める
総販売代理店として「NextEngine」や「mantis vision」の3Dスキャナ製品も販売
「Rapidform XOR」のリバースエンジニアリングテクノロジは5つの米国特許などで保護
「NextEngine」製のハードウェア本体(定価498,000円)が受注好調
2012年度は100台/45百万円(前年度比142.9%/140.6%)を見込む
間接販売が90%、主要な3Dスキャナメーカーや商社が対応
今後は「自動化」と「カスタマイズ化」がキーワード
株式会社データ・デザイン
「3Dとデジタルを核とした業務革新」をテーマに、
世界の優れたツール、技術、情報を日本のモノづくり企業に提供
「軽量(携帯性)」「マーカー不要」「動いている対象物でもスキャン可能」「カラー3D」と
4拍子揃った「Artec EVA」は価格面(350万円から)でもアドバンテージ
メディカル・ヘルスケア分野の受注が好調
2012年度は80台/200百万円(前年度比123.1%/122.7%)を見込む
コモディティー化の目安は工業計測分野で200万円以下、メディカル分野で100万円以下
クレアフォームジャパン株式会社
2002年に測定サービスから事業をスタート
2016度の売上目標は120ミリオンカナダドル、2011年度の3倍強を目指す
現在までに85カ国で4,000台(2,500社以上)以上の測定器を導入
豊富な製品ラインナップが幅広いユーザー層を構築
高価格・高性能製品へのリプレース促進で全体平均単価の向上が目標
2012年度は60台/300百万円(前年度比150.0%/200.0%)を見込む
研究開発費は毎年売上金額の10%~15%を充てることで競争力を高める
日本国内に保守サポートメンテナンス体制の構築を検討
株式会社トプコン
販売代理店ネットワークを全国に構築したことで
代理店販売(建設・測量機器系の販売網)が9割以上
新興国・先進国での計測・ポジショニング技術の可能性を拡大するため
3社内カンパニー体制を新たに構築
「集客・販促」、「迅速対応」、「カスタム対応」、「高品質」を
キーワードに卸・小売業分野での展開を深めていく
「GLS-1500」はロングレンジ測距モードを搭載、500mの測定距離を実現
土木・建設系用途(ダム・橋梁など)は計測精度とスピード、距離のバランスを重視
今後は先進国での建設・測量向け販売に注力
BIM活用の広まりと共に建築分野における3Dスキャナの活用が進む
株式会社スペースビジョン
同社が提唱する「ヒューマンメトリクスビジネスモデル」
アパレル、美容関連などを中心に警備会社、アミューズメント関連などにも拡大
ポータブル可能なボディスキャナを開発、設置や収納も1人で可能
「高速性」「簡便性」「廉価性」を武器に幅広い顧客に提案
非工業系用途(医療、美容など)でほぼ100%
2012年度は特需の影響もあり70台/280百万円を見込む、台数・金額ともに350%の成長率
競合企業からも認められたその製品力に期待
ファッションに代表されるニーズの多様化などが今後の市場を牽引
ライカジオシステムズ株式会社
プラント設備をターゲットにするなど新たなアプリケーションを模索
ソフトウェアとハードウェアの高機能化とコラボレーションに期待
1921年に開発した光学(機械)式小型セオドライトが3Dスキャナ事業の発端
「タイムオブフライト方式」と「位相差方式」の両方をラインナップ
「Leica ScanStation C10」の市場投入で
2012年度は22台/219百万円(前年度比137.5%/136.9%)を見込む
土木測量分野で培った豊富な導入実績を武器に新たなステージに挑戦
低価格化と軽量化がユーザーから導き出された真のニーズ
株式会社豊通マシナリー
3Dプリンタの代理権業務に加え
2004年に3Dスキャナも事業スタート
相互の顧客に様々商品群を展開することが合併の狙い
2004年からはコニカミノルタ製品を2005年からは韓国Solutionix社製品を展開
株式会社浜野エンジニアリング
豊富な製品ラインナップとカスタマイズ対応が強み
ボディやフェイススキャナなどの非工業系用途(アパレル、美容)が80%
日本鋼管(現JFE)の計測研究技術を活用して3Dスキャナを開発
短距離製品(一般的に1m以下)と非工業系用途(アパレル、美容等)がメイン
リプレース中心の安定的な需要を確保
2010年度~2012年度は各年10台/100百万円で推移
今後は開拓余地が大きい病院関係などにも挑戦
市場として既存アプリケーションの成長(ユーザー拡大)に期待
株式会社オプトン
「CNCパイプベンダー」をコアコンピタンスとした製品展開で
3Dスキャナ製品を開発、光源にLEDを活用するなど常に進化を目指す
様々なパイプの曲げ加工を行う「CNCパイプベンダー」を日本で最初に開発
高輝度LEDフリンジ投光用光学システムの開発に2011年成功
2012年度は12台/120百万円(前年度比150%/125%)を見込む
新製品である「インライン3Dカメラシリーズ」に期待
既存ユーザー数が約1,000社、日本を代表する製造業が名を連ねる
「非接触測定機用JIS(日本工業規格)」制定に寄与、業界発展の礎に
極東貿易株式会社
重工業、原子力プラント向けがメイン
機械・化学品商社が培った既存販売(顧客)網が3Dスキャナにも活用
「Zoller & Froehlich GmbH」と2002年頃に代理店契約を締結
重工系のプラント計測に使われるケースが主流
「Imager5010」の計測距離は最大で187.3mで重量は10kg以下を実現
「LMF Modeller」は多彩なデータインポート/エクスポート機能を装備
2012年度の出荷台数は8台、
出荷単価は下落するものの前年度比200.0%を見込む
3Dスキャナの技術課題はデータ品質、計測スピード、価格の3つ
「単機能3Dスキャナ」と「高機能3Dスキャナ」に2極化
株式会社ニコン・トリンブル
種類別では長距離(2km以下)に、
需要分野別では土木・建設系用途(ダム、橋梁等)に特化
3Dスキャナの取り扱いを加えることで既存顧客の満足度が向上
日本国内での販売体制は、直接販売がメイン
ユーザーの利益に直結する後処理・後加工ソフトウェアに期待
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