2013年版 3Dスキャナ市場の現状と展望
本調査レポートでは3Dスキャナの製品タイプを短距離1タイプと長距離3タイプの合計4つに分類、原則的に短距離は1m以下、長距離はそれぞれ50m以下、800m以下、2km以下の計測範囲とした。また需要分野は工業系用途と非工業系用途、土木・建設系用途の3分野に分類。工業系用途は検査や評価など、非工業系用途は医療や美容など、土木・建設系用途はダムや橋梁などが主要アプリケーションである。参入企業各社のシェア推移や製品タイプ別、需要分野別それぞれの市場規模推移(2010年度~2016年度予測)に加え、顕在マーケットが今後向かう方向性なども図表を交えて提案した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
●国内3Dスキャナ市場は2015年度100億円超を予測
顧客層の拡大に加え、「3D写真館」や「MMS」などが市場を牽引
●ボディスキャナなど「非工業系用途」の構成比が3年間で11.7ポイントも上昇
●今後期待できる潜在的マーケットは「BtoBtoC×長距離製品」
●短距離3Dスキャナ市場はコンシューマ向け新規アプリケーションが好調
新製品の投入で工業系用途でのリプレースや増設(買増)も進展
「Kinect」やデジタルカメラを使った3D化など超低価格システムが台頭
医療業界では歯型や3D内視鏡など多様なアプリケーションで応用
●低価格製品の拡充に大きく舵を取りだした長距離3Dスキャナメーカー
土木・建設系用途をベースにプラント計測、建築BIM、現場検証なども有望
距離別では800m以下のカテゴリが数量ベースで80%以上
距離・精度・スピード・価格などのバランス良好でユーザーからも高支持
●計測ビジネスは対象物に特化、専門・得意分野を持つことが差別化に
ユーザーに近いポジションが計測サービス企業のアドバンテージ
■本資料の概要
第1章:3Dスキャナ市場の現状と展望
第2章:個別企業の動向と展望
■掲載内容
第1章:3Dスキャナ市場の現状と展望
1.3Dスキャナ市場の現状と展望
(表)需要分野別製品タイプ一覧
(表)3Dスキャナの市場規模推移と予測
(図)3Dスキャナの市場規模推移と予測
(表)3Dスキャナの種類別一覧と展開需要分野
(表)計測サービスの主要対象物と展開企業
(図)製品やサービスの流通体制
(表)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(表)3Dスキャナの需要分野別市場規模推移
(図)3Dスキャナの需要分野別市場規模推移
(表)需要分野別の特徴(棲み分け)と今後のトレンド
(図)3Dスキャナの距離別ユーザー/アプリケーション
2.短距離3Dスキャナ市場の動向
(表)短距離3Dスキャナの市場規模推移
(図)短距離3Dスキャナの市場規模推移
(表)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)短距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(表)短距離3Dスキャナの主要企業別製品平均単価(2012年度)
(表)スキャニング時間とカバー(データ取得)率の関係
(図)スペースビジョンのヒューマンメトリクスビジネスモデル
(表)3Dプリンタショールーム「CUBE」の概要
(表)コンシューマに近い分野での有望アプリケーション
(表)有望業界の市場性と参入課題、課題克服による評価
3.長距離3Dスキャナ市場の動向
(表)長距離3Dスキャナの市場規模推移
(図)長距離3Dスキャナの市場規模推移
(表)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(図)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(数量)
(表)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(図)長距離3Dスキャナ市場の参入企業シェア推移(金額)
(表)長距離3Dスキャナの主要企業別製品平均単価(2012年度)
(表)測定原理別の特徴
(表)長距離3Dスキャナの距離別市場規模推移(数量)
(図)長距離3Dスキャナの距離別市場規模推移(数量)
(表)距離別の特徴と(棲み分け)と今後のトレンド
(表)長距離3Dスキャナの需要分野と活用組織、対象例/目的
第2章:個別企業の動向と展望
パルステック工業株式会社
2012年度からインライン向け(FA機器への搭載)が好調に推移
自動車メーカー・同部品メーカーを中心に需要が回復
同社特許である「FPC(Field Power Control)機能」で差別化
対象物の素材や色の影響を受け難いので、現場での計測に威力を発揮
2013年度は140台/355百万円(前年度比106.1%/105.3%)を見込む
短距離(原則1m以下)×工業系用途(検査、評価等)に特化
新規開拓分野である医療分野にも挑戦
耳鼻咽喉科向け「副鼻腔用内視鏡手術ナビゲーター」の製品化に成功
計測受託サービス事業で顧客とのコミュニケーションを強化
採算面でもここ数年継続して黒字をキープ
丸紅情報システムズ株式会社
2013年7月に最新シリーズ「ATOS CORE」を発売。
上位機種と同等の性能を持ちながら、小型、軽量、低価格を実現
1999年にGOM(ジーオーエム)社と代理店契約を締結
試作品の形状読み取りや生産部門などの検査・評価に活用
2013年5月にシリーズ最新モデルの「ATOS Triple Scan 12M」を発売
解像度が1,200万画素に向上したことで、高いデータ再現性を実現
「ATOS CORE」の販売開始で中堅・中小企業もターゲットに
2013年度は180台/2,160百万円(前年度比156.5%/110.5%)を見込む
サブライン(パラレルライン)で自動測定などを行う「ロボット化」が推進
専門的ノウハウが必要な計測サービスで事業展開の方針
株式会社データ・デザイン
2013年9月に新型モデルの「Artec Spider」を出荷予定
高精度測定を生かすことで工業製品やリバースエンジニアリングに対応
短距離分野をメインとして展開、工業系用途と非工業用途がベース市場
非工業系用途のメディカル、エンターテイメント分野が急成長中
3D写真館やメディカル・ヘルスケア分野に期待
2013年度は120台/300百万円(前年度比141.2%/140.8%)を見込む
販売ターゲットは一般製造業、重厚長大産業、メディカル&ヘルスケア、その他の4区分
ハンディ型と据え置き型のハイブリッド型3Dスキャナの開発提案を実施
株式会社スペースビジョン
小型、軽量、低価格を実現した新製品を2013年秋に発売予定
販売価格は現行製品の半額以下となる200万円台を計画
3次元計測システムの製品化を目的に、大学発ベンチャーとして2004年起業
フィットネス業界、アパレル/美容、医療、大学/研究機関などが主要顧客
2013年度は120台/360百万円(前年度比50%増)を見込む
新製品開発に伴い生産委託先も一新、自動化の推進でコスト圧縮を実現
将来的にはソフトウェアやサービスなどのビジネス領域にも拡大
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン(旧ラピッドフォームジャパン)
2012年10月の買収でスリーディー・システムズの傘下に
ジオマジックと合わせてソフトウェアやコンテンツ事業を担う存在に
3Dプリンタユーザーも取り込むことで低価格3Dスキャナ「NextEngine」の販売好調
3Dプリンタユーザーが3Dスキャナを買い求める新しい流れに期待
2013年度は100台/45百万円(前年度比125.0%/125.0%)を見込む
ジオマジックの販売網も加わることで相乗効果を期待
1時間/10,000円からモデリングサービスも実施
株式会社トプコン
中距離型自社プランド機に加えて2013年初頭からFARO社「Focus3D」の
取り扱いを開始、国内の土木・建築・測量分野での販売権を取得
2008年に「GLS-1000」をリリース、現在は後継機である「GLS-1500」をラインナップ
「Focus3D」は軽量(5kg)、コンパクト(24×20×10cm)
さらに、25mで±2mmの精度と976,000点/秒の測定スピードが特徴
伸びしろを期待できるアジアなどの建設・測量向け販売に注力
自治体や国(国土交通省や環境省)向けに防災予防診断ビジネスを展開
ライカジオシステムズ株式会社
2013年3月に「Leica ScanStation P20」をリリース、100万点/秒の高速スキャンと
最大で120mの測定距離を前面に打ち出し、新規ユーザーにアプローチ
「タイムオブフライト方式」の3機種のスキャナをラインナップ
計測距離は最大で35~300mまでをカバー
2012年度(数量ベース)は新規50%、増設20%、リプレース30%
2013年度は24台/240百万円(前年度比120.0%/120.0%)を見込む
鉄鋼、石油などの重工業や食品、飲料などの配管を多く使う業種もターゲットに
スキャニングデータの後処理、後加工は高速化と正確化が急務
株式会社オプトン
2013年春、光源をLED化したインライン用「3Dデジカメシリーズ」発売
ワークの表面色や床振動に強く、一般的なレーザー方式よりも優位
短距離(原則1m以下)製品×工業系用途(検査、評価等)に特化
今後も製造業のバックアップやサポートなどの役割を担う
新製品「3Dカメラシリーズ」や「3Dデュアルフォーマ測定器」の受注好調
2013年度は20台/200百万円(前年度比250%/204.1%)を見込む
問題解決型提案書の作成で大幅に営業効率が向上
「非接触測定機用JIS(日本工業規格)」が2014年中にも国際規格であるISOに昇格
リーグルジャパン株式会社
1998年に3Dレーザースキャナの開発に成功
現在では最長で6,000mをカバーする超長距離測定を実現
日本総代理店及びアジア各地区の販売拠点として1997年にリーグルジャパンを設立
長距離タイプの3Dスキャナでは豊富なラインナップを誇る
Riegl社独自のエコーデジタル処理とオンライン波形分析の「V-ライン技術」を採用
販売定価は製品によって3,800万円から2,500万円をラインナップ
2013年度の出荷台数/金額は、7台/140百万円を見込む
主な顧客は測量会社、官公庁(土木研究所や防災研究所)、大学(研究機関)など
自動化ソフトウェア「RiSOLVE(リソルブ)」を2013年7月新発売
事件や事故の現場検証やモニタリングなどの新規アプリケーションに期待
極東貿易株式会社
プラント計測をベース市場と捉え原子力、鉄鋼、ケミカル、オイル、
自動車分野などを今後もサポート
「Zoller & Froehlich GmbH」と10年以上にもおよぶエクスクルーシブを解消
「Imager5006h」の販売価格をこれまでの1,200万円から半額の600万円に値下げ
「Imager5010C」はカラー点群データからソリッドモデルの生成と
汎用3DCADへのエクスポートが可能
2012年度はプラント計測会社とMMS(モバイルマッピングシステム)への受注が中心
2013年度はこれらに加え、新製品効果と新規アプリケーションに期待
3Dスキャナはハードウェアとソフトウェアの両輪で構成
犯罪や事故などの現場検証にも活用され、新規アプリケーションとして期待
東芝プラントシステム株式会社
3Dスキャナを合計6台所有、組合せ活用で幅広い計測ソリューションを提供
サービス開始からこれまでのプロジェクト実績は500件超
2001年頃に3Dレーザースキャナを活用した計測サービス事業をスタート
工場やプラントを中心に事業展開
80%にものぼるリピート客が毎年安定した需要を創出
ここ数年は年間50プロジェクト程度を消化
「できること」、「できないこと」を誠実に伝えることで顧客の信頼感を勝ち取る
プラント・工場では品質や安全性を前面に打ち出した解析ビジネスなどを提案
株式会社アイジェット
3Dスキャナと3Dプリンタは車の両輪、双方の整備で相乗効果を期待
3D写真館等の成功で様々なビジネスノウハウを蓄積
3Dスキャニングサービスから3Dプリンタによるデジタル造形サービス全般を網羅
需要分野も工業系用途から非工業系用途まで幅広く展開
2013年からは月間100件を超えるプロジェクト数を消化
製造業や官公庁関連、教育機関、ゼネコン住宅関係、メディア関係等取引実績は多種多様
2010年度では約40%である非工業系用途の構成比が
2013年度(見込)には約70%まで成長
スキャニング技術や後処理・後加工などのビジネスノウハウを蓄積
スキャニング時間とカバー(データ取得)率の向上が課題
「キネクト」デバイスを活用した3Dスキャニングに期待
ただし精度向上とソフトウェア改良が必須条件
株式会社イグアス
2012年10月に3Dプリンタショールーム「CUBE」をオープン
オープンから7ヶ月あまりで約1,500名の来場を記録
ドイツbreuckmann社製「bodySCAN 3D」を導入
2013年4月からは時間貸し(1時間/100,000円から【要予約】)サービスを開始
FabCafe(ファブカフェ)とケイズデザインラボ、イグアスで運営
「CUBE」をきっかけに潜在ユーザーにアプローチすることで製品販売に結び付けていく
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