2012年版 AMOLED市場の徹底分析
AMOLED市場は堅調に成長しています。2011年はGalaxy Sをはじめとするスマートフォン向け需要が市場を押し上げ、2012年もパネルサイズが拡大したGalaxyシリーズ向けの販売が好調なため高成長が予想されます。2012年以降にはタブレット端末やTV向けの展開も本格化し、AMOLED市場の成長スピードが加速していくでしょう。AMOLEDパネルメーカーはそれぞれの立ち位置に適した戦い方を考えていかなければなりません。今後AMOLEDは多様化が進み、市場が見通しにくくなっていくでしょうが、だからこそ今これから参入するパネルメーカーには明確なビジョンを持った成長戦略が問われている時期であると考えられます。
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調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- 対SDCとの競争、局地戦なら新規参入メーカーにも可能性あり
- 周回遅れの新規参入メーカー、サムスン対抗馬になり得る者は?
- パネルメーカー間の競合は2014年以降から本格化、
各社の立ち位置と持ち味を活かし、独自のポジショニングを目指せ! - 日本メーカーは超低消費電力パネルやフレキパネルの上市も必須テーマに
- 【パネル】GalaxySシリーズを中心としたスマートフォンむけの需要が急拡大
中小型では低消費電力の要求に応えるべく緑リン光材料の採用がスタート - 【素子材料】韓国勢圧勝であった素子材料市場、2013年より日本勢が再びシェア拡大へ
マイクロキャビティ構造によりホール材市場がさらに拡大 - 【封止材】フレキ・大型アプリの登場により封止材はフリットガラスから再び樹脂へ
■本資料の概要
第1章 AMOLED市場の徹底分析
第2章 パネル市場の動向と展望
第3章 素子材料市場の動向と展望
第4章 封止材市場の動向と展望
■掲載内容
第1章 AMOLED市場の徹底分析
周回遅れの新規参入メーカー、サムスン対抗馬になり得る者は?
SDCに対し、どの局地で戦うが今後の市場ポジションを左右する
SDCがフレキシブルディスプレイ「YOUM」を投入
日本メーカーは「超低消費電力パネル」に加え、フレキパネルの上市も必須テーマ
第2章 パネル市場の動向と展望
AMOLEDパネル市場
2014年後半~2015年からパネルメーカー同士の競合が本格化
GalaxySシリーズを中心としたスマートフォン向けに需要が急拡大
2014年以降からはAMOLEDテレビが市場成長を牽引
(図)AMOLEDパネル市場規模推移(金額ベース、2010年~2015年予測)
(図)AMOLEDパネル市場規模推移(枚数ベース、2010年~2015年予測)
(図・表)アプリケーション別AMOLED市場推移(金額ベース、2010年~2015年予測)
SDC一強体制のパネル市場に、韓台中に加え日本メーカーが本格参入
(図)2011年におけるAMOLEDパネル市場シェア
大型パネルでのFMM VS W-OLED
LITIもFMMの代替技術として再注目される可能性あり
(図)AMOLED技術テーマ
(図)LITIによる成膜工程
中小型はLTPSがスタンダード
大型向けでは酸化物半導体TFTの適用が濃厚に
中小型では低消費電力の要求に応えるべく緑色リン光材料が採用
大型用W-OLEDではYGリン光材+B蛍光材タイプへ
(図)OLED素子材料構造(Bottom Emission ,Top Emission)
(図)OLEDテレビ概要(SDC:LGD)
中小型用マザーガラスベースの生産能力は2012年で150K/月、2014年には400K/月以上に
(表)AMOLEDパネルメーカーの設備投資スケジュール及び生産能力
Samsung Display Co., Ltd.
世界トップのパネルメーカーとして再スタート
LCD技術をOLEDに融合させ、AMOLED市場での優位性をさらに強化
2012年末から大型OLED事業を本格化
サムスン電子をバックにAMOLED市場をリード
2012年はキャパ増強を先送り、需給バランスの調整に入る
量産ラインでの採用に向けLITIの検証は継続
Galaxyシリーズのヒットにより売上拡大
2013年からは大型パネル向けが急成長する見込み
初期のテレビ用大型パネルはLTPSバックプレーン、FMMによる蒸着工程で決定
中小型向けには低消費電力に優れている緑リン光材料を採用
奇美電子股份有限公司(Chimei Innolux Corporation)
2014年Q1から4.3インチパネルの生産がスタート
2012年度の増設計画を先送り、設備増強は2012年末にも開始予定
W-OLEDプロセスで326ppiの高精細パネルを実現
京东方科技集团股份有限公司(BOE Technology Group Co., Ltd.)
2013年Q4より小型OLEDパネルを生産開始
オルドス拠点の生産能力は56 K枚/月を見込む
生産開始に向け量産技術を確立、顧客確保に専念
天馬微電子股份有限公司(Tianma Micro-electronics Co.)
2014年Q4よりAMOLEDパネルの量産へ
スマートフォン向け4インチ台のパネル事業を展開
第3章 素子材料市場の動向と展望
AMOLED 素子材料市場
AMOLED テレビの市場性が今後の素子材料市場の成長性を大きく左右
スマートフォンに加え、タブレット端末及びテレビ向けに需要が拡大
(図)AMOLED素子材料市場推移(金額ベース、2009~2014年予測)
(図・表)AMOLED素子材料メーカー別売上高推移(2009~2013年予測)
(図・表)AMOLED素子材料メーカー別シェア推移(2009~2013年予測)
緑色リン光材料の採用により素子構造が複雑化
ブロッキング層や発光補助層に対するニーズが拡大
(図)OLED素子構造の変化
SDCのサプライチェーンが大きく変化
韓国勢一辺倒の市場構図から、技術勝負の日本勢が参戦
(表)素子材料のサプライチェーン一覧(2012年)
(表)SDCと素子材料メーカーのサプライチェーン(2012年)
(表)LGDと素子材料メーカーのサプライチェーン(2012年)
(図・表)AMOLED素子材料メーカー売上高(2011年)
(図・表)AMOLED素子材料メーカー売上高(2012年)
マイクロキャビティ構造によりホール材市場がさらに拡大
(図・表)AMOLED素子におけるタイプ別構成比(2012年)
2012年度はLITI実用化にはならず
W-OLEDではYG及びBの白色発光へ
塗布材料は蒸着材と併用したハイブリッドタイプの採用からスタートする兆し
(表)素子材料メーカータイプ別ラインナップ一覧(2012年)
DUKSAN HI-METAL CO., LTD.
2011年度にAM OLED素子材料市場のトップメーカーへ
SDCとの協力関係を強め、素子材料市場でのシェア拡大を推進
2012年度の生産能力は1,100kg/月までに拡大
素子材料ではトップクラスのキャパを保有
2011年素子材料売上高は693億ウォンで素子材料トップ
2012年にはHIL材の売上が激減するもHTL材はさらに増大し、全体は800億ウォン台へ
Dow Chemical Company
韓国にDow電子材料研究所を設立
赤色リン光市場での実績と信頼を活かし他の素子材市場でもシェア拡大を目指す
2011年3月にDow Seoul Technology Center(DSTC)が完工
OLED素子材料の開発及び生産体制をさらに強化
開発のプライオリティーは、緑リン光材のラインナップ
Doosan 電子
SDCへ緑色蛍光材を全量供給
2013年からは緑リン光材料のサプライヤーとしてのポジション確立を目指す
緑色発光材料に特化、リン光緑材の研究開発を強化
2011年Q3から益山工場で全量生産、生産能力は500kg/月に拡大
蛍光緑材に加えHTL材の販売も好調
2013年Q1、緑色リン光材のサンプル販売を開始
SFC CO., LTD.
青色蛍光材料に加え、緑色リン光材料での新規採用を目指す
保土谷化学との連携強化
2011年12月、梧倉(オチャン)に新拠点設立
2010年から2013年まで前年比倍増の売上拡大を見込む
2013年上市を目指し緑色リン光材の開発を急ぐ
LG Chem, Ltd.
共通材料市場でシェアを維持、発光材料ビジネスも強化
共通材料での強みを活かしHTL材の新規採用が決定
緑リン光材の上市で販売拡大を目指す
2012年はETL材がそれほど伸びないものの
2013年からはHTL材が売上高に貢献
DAEJOO ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD .
大型OLEDパネルの韓国国プロに参加
LGDとともに共同開発を進める
LGDとの協力を強め、青色材料の採用につなぐ
独自のSiproコア構造で高寿命化を目指す
他材料の研究&営業を縮小、LGDとの開発に集中
出光興産株式会社
強みを持つ青材料に適した共通材料もラインナップ
ユーザーへの提案力強化で採用拡大につなぐ
パネルメーカーとの協力関係を強化
2013年初頭から韓国拠点での生産も開始
青材料の寿命改善に注力
得意とする青材を中心に発光材料及び共通材料の開発を両立
新日鐵化学株式会社
量産採用に向け緑色リン光材の開発に注力
2013年Q3からユーザーの量産ラインに導入される見込み
緑リン光材の性能アップで他社をさらに引き離す
保土谷化学工業株式会社
輸送材料に特化した展開
リン光化により多様化していく輸送構造に注目
SFCとの連携により相互材料の性能向上が可能に
開発アイデア共有・人的交流で協力体制をさらに強化
リン光対応に適したHTL材料に加え、ブロック層の研究開発を加速
HTL構造の細分化に伴いユーザーニーズを満たせる新規採用を目指す
東レ株式会社
2015年までに各種素子材料のオールラインナップを目指す
2011年にHTL材を上市、早期の緑リン光材料の上市に向け研究開発を強化
2013年には共通材料の本格出荷がスタート
JNC株式会社
青系の発光材料、電子輸送材料を中心に展開中
出荷量の拡大に備え生産体制を整備中
東ソー株式会社
2012年内に韓国拠点設立へ、韓国ユーザーへの対応力を高め採用につなぐ
韓国企業とのJVも検討、顧客との緊密な関係構築を推進
ETL、HTL材の開発に特化
緑リン光材の性能を最大限に引き出す開発にも注力
住友化学株式会社
塗布タイプの高分子材料の開発を推進
ディスプレイ用材料事業に加え、照明パネルの事業化も検討
高寿命化及びディープブルーの青材料開発に注力
日産化学工業株式会社
次世代大型パネル向けに塗布タイプの採用に期待
HIL材に特化、性能改善に集中
e-Ray Optoelectronics Technology Co.,Ltd
台湾、中国メーカーに赤色リン光材をサンプルワーク
OPC事業からAMOLED素子材料事業にビジネス領域をシフト
リン光材に加え、共通材料ラインナップの拡充を目指す
OPC事業でのノウハウを活用しHTL材の開発がスタート
第4章 封止材市場の動向と展望
封止材市場
テレビ用封止材での採用実績の有無が封止材メーカーの雌雄を決する
中小型パネルはフリットガラスがスタンダード
(表)AMOLED用フリットガラスのスペック
(図)フリットによる気密封止
フリットガラスによる封止は10 インチが限界
新アプリ登場により樹脂封止材市場が再び拡大する
(図)液状封止材の全面塗布
(図)ODF(One Drop Filling)工法
(表)AMOLED用タイプ別封止材の概要
(図・表)AMOLED用フリットガラスの市場規模(金額ベース、2007年実績~2015年見込)
(図・表)AMOLED用フリットガラスの市場規模(販売ベース、2007年実績~2015年見込)
DAEJOO ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD .
小型パネルの生産から始まる中国メーカーの量産開始に期待
中国パネルメーカーにフリットガラスをサンプルリング中
長瀬産業株式会社
AMマザーガラス用シール材で圧倒的シェア、大型アプリ向けの採用に期待
全面封止の液状タイプをユーザーに提案
三井化学東セロ株式会社
全面封止型での展開に注力
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